もとはと言えば自衛隊「駆けつけ警護」の問題 

稲田防衛大臣が、またやった。

南スーダンPKOに関して、これだけのことをやった。

PKO日報を隠蔽。
その事実を公表しなかった。
議会で、自らは報告を受けていないと虚偽答弁した。
特別監察まで行い隠蔽の上塗りをした。


自衛隊の文民統制が綻んでいる。その綻びに自ら関与した。綻びを隠蔽し、それについて虚偽の国会答弁を行った、という何重にもわたる犯罪行為だ。PKO日報の隠蔽を知らされていなかったのだとしたら、制服組の暴走と、それを何も統制できぬ大臣ということになる。

元はと言えば、「駆けつけ警護」という珍妙な呼称の内戦への関与を南スーダンで行わせることを目的に、自衛隊を同地に派遣したことが問題だったわけだ。南スーダンに何故武力での関与をしなければならなかったのか。大きな問題であった、南スーダンへの武器輸出を禁じる国会決議に何故賛成しなかったのか。

安保法制が目指すものが、海外での自衛隊による戦闘への参加であることが明白になった。それを、稲田防衛大臣は、稚拙なやり方で隠そうとしたのだろう。安倍首相の責任も重い。

以下、毎日新聞から引用~~~

稲田防衛相

PKO日報隠蔽了承 国会で虚偽説明
毎日新聞2017年7月19日 02時00分(最終更新 7月19日 02時00分)

 南スーダン国連平和維持活動(PKO)部隊の日報を廃棄したとしながら陸上自衛隊が保管していた問題で、稲田朋美防衛相が2月に行われた防衛省最高幹部による緊急会議で、保管の事実を非公表とするとの方針を幹部から伝えられ、了承していたことが分かった。複数の政府関係者が18日、明らかにした。防衛省・自衛隊の組織的隠蔽(いんぺい)を容認した形になる。

 稲田氏はその後の国会で、一連の経緯の報告を受けていないとし「改めるべき隠蔽体質があれば私の責任で改善していきたい」と答弁。国会でも虚偽の説明をしたことになり、防衛相辞任を求める声が強まり、安倍晋三首相も任命責任を問われるのは確実だ。

 稲田氏は18日、当該の会議で非公表の方針を了承したかどうかの事実関係について、共同通信の取材に「ご指摘のような事実はありません」と書面で回答した。

 複数の関係者によると、緊急会議は2月15日、防衛省で開かれた。稲田氏や事務方トップの黒江哲郎事務次官、豊田硬官房長、岡部俊哉陸上幕僚長、湯浅悟郎陸幕副長らが出席。情報公開請求に「廃棄済み」とした日報が陸自に電子データで残されていたことについて、事実関係を公表するか対応を協議した。

 陸自は1月17日、岡部幕僚長に保管されていたことを報告し公表の準備を始めたが、会議では、陸自のデータは隊員個人が収集したもので公文書に当たらないなどとした上で、「事実を公表する必要はない」との方針を決定。稲田氏は異議を唱えず、了承したという。

 3月に入り、報道によって陸自に日報が保管されていた事実が明るみに出た。稲田氏は同月16日の衆院安全保障委員会で、民進党議員から一連の隠蔽行為の報告を受けていないのか問われ「報告はされなかったということだ」と否定した。

 日報を巡っては、情報公開請求を不開示とした後、昨年12月に統合幕僚監部で発見。その後、陸自でも見つかったが、1月27日に統幕の背広組の防衛官僚が、報告に来た陸自の担当者に「今更陸自にあったとは言えない」と伝達。2月にデータは消去された。防衛省は2月6日、統幕で見つかった事実を公表し翌7日、一部を黒塗りで公開。陸自での保管の経緯は防衛相直轄の防衛監察本部が特別防衛監察を実施中で、近く結果を公表する見通しだ。

 【ことば】南スーダンPKO日報問題

 南スーダン国連平和維持活動(PKO)に、政府は2012年1月~17年5月、陸上自衛隊の部隊を派遣。首都ジュバで大規模戦闘が起きた昨年7月に現地部隊が作成した日報の情報公開請求を、防衛省は昨年10月に受理した。同12月2日に「陸自は廃棄済み」として不開示決定したが、12月26日に同省統合幕僚監部に電子データで保管されていたことが判明、今年2月に公開した。3月には陸自内部にも残っていたことが発覚。日報の「戦闘」との表現を巡って「武力衝突」としてきた政府見解との落差が国会で議論になった。(共同)

軍拡に伴い、社会が内部崩壊する危機 

我が国の防衛費は、1960年代以降GDPの1%以下に抑えられてきた。これは、専守防衛を国是としてきたから可能だった。戦争の惨禍を繰り返すまいという意図の表現でもあった。1990年代以降、GDP1%以下は5兆円以下とほぼ同義だった。だが、第二次安倍政権となってから、防衛予算は年々増加、5兆円の壁をいとも容易に突破した。

そこにきて、自民党安保調査会が、防衛費をGDP2%まで増額することを提言する。実に、さらなる5兆円の増加である。NATOを参考にするとしているが、GDPの額に大きな差があるので、%での比較は不適当だろう。2016年の軍事費国際比較では、我が国は8位だが、GDP2%を実現すると、ロシアを抜いて世界3位になる。本当に専守防衛に徹するのを続けるのであれば、これほどの軍拡は必要ない。米国の意向を受け、自国の軍事産業の活性化、さらに米軍の世界戦略の肩代わりを目指しての軍事費増額なのではないだろうか。我が国は、米国から言い値で高額の軍備を購入し続けている。

これほど安易に軍事費の増額を提言する自民党だが、その一方で政府は社会保障費の抑制を推し進めている。政府、厚労省の医療の基本方針は、病床を減らし、高齢者の終末期医療は、在宅で行う、それも、地方自治体に丸投げする、というものだ。介護保険の自己負担もさらに上げられ、医療は実質混合診療が進み、国民は民間の医療保険に入る必要が出てくる。過去五年間で社会保障費は、実に3兆4500億円も削られた。社会保障の自然増分のうち毎年1500億円程度削減し続けられている。国民は、さらに高額になる医療介護を受けざるを得ず、さらに入院治療は困難となり、在宅療養を余儀なくされる。

年金も、徐々に減額されて行く。日銀と、年金資金が、株式を買い支えている。株式のバブルが破裂すると、金融システムに大きな障害が生じ、年金資金が毀損することは確定的な見通しだ。年金はさらに減らされることだろう。

こうした状況で、毎年5兆円の軍備増強を行うという自民党の提言だ。社会保障はさらに削られる。軍拡は出来たが、日本の社会保障が機能しなくなり、社会内部から崩壊する、ということになるのではないだろうか。

以下、NHKニュースより引用~~~

自民 安保調査会 防衛費はGDP2%程度に NATOを参考

6月17日 7時35分

自民党の安全保障調査会は日本の防衛費について、NATO=北大西洋条約機構がGDP=国内総生産の2%を目標としていることも参考に、厳しい安全保障環境を踏まえ、十分な規模を確保すべきだなどとする提言の案をまとめました。

提言の案は、次の中期防=中期防衛力整備計画の策定に向けた政府への提言の中間整理としてまとめられたもので、この中では、北朝鮮の核、ミサイル開発について、「新たな段階の脅威となっている」としたほか、中国の海洋進出への懸念なども指摘しています。

そのうえで、GDP=国内総生産の1%を超えない程度で推移している日本の防衛費について、「NATO=北大西洋条約機構がGDPの2%を目標としていることも参考にしつつも、あくまでも必要不可欠な装備の積み上げの結果に基づいて判断するものとし、厳しい安全保障環境を踏まえて十分な規模を確保する」としています。

そして、防衛力の強化に向けて、独自の早期警戒衛星の保有を検討することや、自衛隊がサイバー攻撃の能力を備えることなどが必要だとしています。

安全保障調査会は近く、この案を党の国防関係の会合で示したうえで、提言の取りまとめに向けて、さらに検討を進めることにしています。

自衛隊指揮権の所在 

我が国の自衛隊艦船による、米軍艦船の援護が行われるようになった。政府は、その詳細を明かそうとしない。

これは、自衛隊の指揮権にかかわる問題だ。

我が国の警察予備隊が保安隊と名を変えられ、自衛隊への歩みを始めたころ、旧日米安保条約が結ばれた。同条約の第3条では「合衆国軍隊の日本国内およびその周辺における配備の条件は行政協定で決定する」とされた。旧日米安保条約の実行細目となる、日米行政協定の交渉をする際に、この条文の具体化に関連して、米国は、以下のように主張した。

「日本区域内で、敵対行為が発生した場合、またはいずれかの当事国が敵対行為の窮迫した脅威があると認めるときは、合衆国は日本国政府と合意のうえ統合司令部を設置し、その司令官を任命することができる。この司令官は・・・すべての日本国保安組織に対して、作戦指揮を行使することができる。」

すなわち、有事に際して、自衛隊の前身、保安隊の作戦指揮を、米軍の司令官が行う、ということだ。

ところが、これでは国内に受け入れられないと当時の吉田首相は判断し、米側の担当者マーフィー駐日大使と交渉を行い、上記の有事の際の保安隊の指揮権を米軍に渡すことを、密約として提案し、米国もそれを呑んだ。表向きは、日米行政協定第24条で、わが国近辺での有事の際に、直ちに協議を行う、と定められたが、背後には、米軍の指揮下に入るという密約があったのだ。

その後、旧日米安保条約が岸内閣時代に改訂され、日米行政協定は、日米地位協定と名を変えた。日米行政協定第24条は、改訂された新日米安保条約の第5条に吸収された。が、上記の吉田・マーフィー密約は日米安保条約改訂後にも受け継がれた。沖縄密約、核密約、裁判権密約、事前協議密約とともに、自衛隊指揮権密約は、日米安保の実体の根幹をなした。1963年度、三矢研究として大きな議論を巻き起こした昭和38年度統合防衛図上研究では、有事の際には自衛隊の指揮権は米国に所属すると明言されている。

2年前の2015年度日米ガイドラインが改定された。その意味は、日本有事、周辺有事という地域概念が取り払われ、日米共同軍事行動のグローバル化が強調されたことだ。そのうえで、平時の共同司令部設置を意味する「同盟調整メカニズム」、実際の両軍の作戦策定・運用のための組織「共同計画策定メカニズム」が設置された。実質的に自衛隊が有事のみならず平時から米軍指揮下に入ることを意味している。

海上自衛隊艦船が米軍艦船を援護する、という事態は、この自衛隊指揮権の流れのなかで見ると、平時から自衛隊が米軍指揮系統下に入ったことを意味している可能性が高い。集団的自衛権容認、安保法制制定の一つの帰結がこれだ。安倍政権は、自衛隊指揮権に関わる密約を現実の政治に引き上げた、ということだ。戦後レジームの脱却を唱え、愛国心を唱道する安倍首相は、我が国を米国へ隷従させ続ける。

以下、dot.asahi.comのこの記事を参照。

以上の記載に際して、以下の記事、書籍を参考にした。
1)前田哲男 自衛隊を指揮するのは誰か 「世界」 2017年4月号 213ページから 岩波書店
2)矢部宏治 「日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか 2016年 集英社インターナショナル

テロ対策には水際対策が重要なはずなのだが・・・ 

入国管理は、テロ対策として重要だ。その業務を担う職員の待遇がこれでは、実際のところテロ対策なぞ眼中にない、と言っているようなものだ。

やはりテロ等対策法導入は、共謀罪を導入するための単なる口実ですな。

以下、引用~~~

成田空港の保安検査員が大量離職 航空連合は「テロ対策のためにも国家が責任を持って対応すべき」と訴える

2017年04月30日 12時00分 キャリコネ

成田空港の保安検査員が大量離職 航空連合は「テロ対策のためにも国家が責任を持って対応すべき」と訴える

空港スタッフの人材不足が深刻化している。つい先日も、窓口業務や機内清掃を担うスタッフの人手不足についてキャリコネニュースで報じたばかりだが、手荷物検査を受け持つ検査員までもが足りていないという。業界も人材確保のために対策に乗り出したことが25日までに明らかになった。

検査員は、搭乗客の手荷物に爆発物や搭載禁止の物品が入っていないかどうかをチェックする。テロやハイジャックの危険を防ぐ重要な仕事だ。

昨年度は900人にいた検査員のうち290人が退職
しかしその待遇は決していいとは言えない。NHKの報道では、7時から21時まで働いても新人の場合手取りは約15万円。「空港保安警備業務1級」の国家資格を取得しても手取りは22万円といった実態が紹介されていた。給与が低い上に勤務は不規則で、昨年度は900人いた検査員のうち290人が退職した。

検査員は、航空会社から検査の委託を受けた検査会社に雇用されている。検査会社は航空会社との契約料が収入になっているため、検査員の給料を上げるために契約料を引き上げるには航空会社の理解も必要になってくる。

成田国際空港の担当者は、キャリコネニュースの取材に対し、「検査会社と航空会社と一緒に人材の確保に向けて取り組む」と語った。

「まずは現場の検査員にアンケートを行い、どういった問題があるのか洗い出していく予定です。労働環境を改善したり、モチベーションをアップしたりすることで、人材が安定的に確保できるようにしたいと思います。こうした取り組みには、航空会社や検査会社と協働で取り組みます」

「東京オリンピック開催に備え、テロやハイジャックへの警戒強化を」

航空関連産業の産業別労働組合である航空連合の担当者は、「検査員の人材確保は重要な課題ととらえている」と語った。

「当組合では、残念ながら、検査員を組織することができていません。しかし航空業界にとって検査員の人材育成は重要な課題です。検査員は、資格取得に時間がかかる、厳しい時間のプレッシャーがある中で働かなければいけないといった困難を抱えています。その割には、お客様から感謝される機会も少なく、待遇も良くないのが現状なのです」

しかし今後は訪日外国人の増加や東京オリンピックに備えるためにも、検査員の人材確保と育成が重要になってくる。またこうした一連の取り組みに国家が責任を持つべきではないかと語る。

「現在は、民間の航空会社が航空保安の責任を担っています。しかしテロやハイジャックの標的は国家ですから、国家が責任を持って対応すべきではないでしょうか」

「戦争からの避難は可能だろうか」 

尊敬するブロガーのお一人、志村建世氏のブログの最近のポスト「戦争からの避難は可能だろうか」が、優れた内容だ。

政府が北朝鮮からのミサイル攻撃に対する避難訓練を行うように各地方自治体に指示した。だが、戦争からの避難は、一体可能なのか、という問いかけである。北朝鮮からの攻撃があるとすれば、全面戦争となる。一度に多くの地域が攻撃される「飽和攻撃」をうけることになるだろう。爆撃機が飛来して、空襲が行われるような攻撃ではない。ミサイルにより、極めて短時間のうちに攻撃される。避難の仕様がない。志村氏の言われる通り、一旦全面戦争が始まったら、「終わり」なのである。

さらに、この全面戦争の状況では、小泉内閣当時に制定された、「有事法制」が我々の行動を縛る。民間も政府の指示に従うことが要求され、それに従わない場合は、罰則を受けることになる。特に医療機関は、戦時対応を迫られる。

現在の北朝鮮危機は、2000年代以降繰り返されてきた米韓合同訓練への北朝鮮の反発が根底にある。同訓練は、北朝鮮体制の崩壊を想定した訓練である。直接的に金体制を倒すことは明示していないが、実質的に、金体制の打倒を目指すものになっている。それに対して、金体制が何としても体制の維持を図るべく、軍拡を続け、核武装、ICBM装備までたどり着きそうだ、ということだ。金体制は、繰り返し述べている通り、非人道的な独裁政権なので、排除されるべきだが、軍事的にそれを行うことはリスクが大きすぎる。基本は、北朝鮮危機は、米国が主導して出現したものだ、ということだ。

米国はトランプ政権の浮揚策として、北朝鮮危機を演出している側面もある。選挙戦の際の公約をことごとく反故にせざるを得なくなり、政権を固めきれていないトランプ政権の支持率は、低迷を続けている。シリア空爆という「ショー」で一応支持率が上向くという感触をトランプ大統領は得た。同じような軍事行動を、北朝鮮でも行おう、または行う状況を演出しようとトランプ大統領が考えたとしても、おかしくはない。また、東アジアの危機を煽り、高額な米国製のミサイル防衛網・武器を売り込む狙いもあるのだろう。

少なくとも、現時点では、米国の圧力を受けた中国が、北朝鮮に対して石油禁輸処置をカードに、北朝鮮の暴走を食い止めようとしており、すぐに戦火が生じるリスクは極めて低いということのようだ。だが、この「火遊び」が何時戦火に進展するか、誰も確実な予測をすることはできない・・・その可能性はゼロではない。

そうしたトランプ政権の「火遊び」に盲従しているのが、安倍政権だ。いや、有事法制を作りあげた小泉政権時代から、それは始まっていたのかもしれない。国民の生命と財産を守ると繰り返し安倍首相が述べているが、やっていることはその真逆である。戦争からの避難は不可能なのだ。安倍首相は、トランプ大統領の「火遊び」に追随し、隷従している。その代償は、国民の生命・財産の喪失となる可能性がある。

先ほど、Lee HL2DCから電話を頂いた。二日ほど前に、心配してメールを差し上げたことへの返事だった。いまのところ大きな変化はない。10年以上前には、二度ほど、大統領が放送に出演し、食料・水を蓄えるように指示されたこともあったが、今回は今のところそうしたこともない。だが、これからどのようになるのか分からない。もし戦争が起きるようなことがあれば、逃げることはしない。道は車でいっぱいになり、逃げることはできないだろう。Leeは、38度線のDMZから約20kmの距離のところに住んでいる。戦乱にならないことを祈るばかりだ。「火遊び」に興じる政治家たちは唾棄すべきである。

自民党が「先制攻撃」「MDシステムの増強」を提言 

自民党が北朝鮮を念頭に「敵基地攻撃」とミサイル防衛(MD)を提言している。敵基地反撃能力とは言葉の遊びだ。彼らの論理でミサイル攻撃に対処しようとするなら、もっぱら先制攻撃にならざるを得ない。

MDは、万能ではない。それ自身の精度の問題、おとり弾等への対処の問題、巡航ミサイルには対処できないことなど、様々な問題がある。また、コストもバカにならない。わが国は主に米国からMDを輸入し、これまで1兆円以上かけた。第三のMDとして、THAADの導入を計画しているが、それのコストは1セット1000から1500億円。最低でも日本海側に6から7セット設備しなければならないので、それだけで6000億円から1兆500億円かかる。こちら。さらに、ミサイル検知システム、定期的な更新費用を考えると、毎年数千億円以上のコストになることだろう。

「敵基地攻撃」で全面戦争を北朝鮮と始めることになると、彼らは核弾頭ミサイルをわが国の米軍基地に向けて打ち込む。北朝鮮のミサイルは、わが国の米軍基地を標的とする。それが、MDで破壊できた(そうならない可能性も高い)としても、日本海に展開する潜水艦から巡航ミサイルで、日本海沿いにある原発を攻撃することだろう。低空を飛行する巡航ミサイルにはMDは無力だから、確実に原発は破壊され、それによってわが国は壊滅的な打撃を受けることになる。

こうした軍拡の動きは、米国からの軍備輸入に結びつく。安倍首相がトランプ大統領に歓待された背景には、大量の軍備輸入の約束があったのではないか、と言われている。自民党の今回の提言は、その約束を実行するためなのではないだろうか。

これまでの専守防衛の原則を捨て去り、集団的自衛権の行使、さらに先制攻撃という戦争への歩みを進めることで、わが国は、防衛上、財政上立ち行かなくなる可能性が高い。

もっとも重大な問題は、多数の国民が犠牲になることだ。

以下、引用~~~

「敵基地攻撃」早期検討を=ミサイル防衛能力強化も―自民
時事通信 3/29(水) 17:23配信

 自民党は29日、党安全保障調査会などの合同部会で、敵のミサイル基地を攻撃する「敵基地攻撃能力」保有の検討を急ぐよう政府に求める提言をまとめた。

 北朝鮮による弾道ミサイルへの対処能力を強化するため、米最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」など新規装備品の導入に向けた検討も促している。30日に安倍晋三首相に手渡す。

 提言は、党安保調査会の下に設置した検討チーム(座長・小野寺五典元防衛相)が中心となってまとめた。核・ミサイル開発を進める北朝鮮について「新たな段階の脅威に突入した」と指摘。専守防衛を逸脱しない立場から「敵基地攻撃能力」の用語は避け、「巡航ミサイルをはじめ、わが国としての『敵基地反撃能力』を保有すべく、直ちに検討を開始する」よう政府に求めた。 

米国の友人が北朝鮮の問題を身近に感じ始めたようだ 

最近の交信で印象に残ったのは、北朝鮮のミサイルを心配しているということを、二人の友人からほぼ同時に聞いたこと。W7MBR、Daveと、W8ZR、Jimである。二人ともあまり政治的な話題を振ってこない方々であり、彼らからこの話を聞いて正直驚いた。わが国では、どのように皆が受け止めているのか、という質問もあった。心配はしていると思うが、以前からのことなので、それほど突き詰めた議論にはなっていないようだ、とお答えした。もし、金正恩がミサイルによる核戦争を仕掛けてくるなら、それは自らが自殺する決断をしたときだろう。すぐにそうはならないのではないか、とも申し上げた。

もう一つ、どちらかだったか忘れたが、付け加えたことは、2000年代以降10数年、米韓軍事演習を定期的に続けているが、その軍事演習の米軍の目的は、明確に金王朝を倒すことにあると述べられている(以前のポストに述べた)。そうやって、北朝鮮側を追い詰めるのはよくないのではないだろうか、ということだ。北朝鮮はますます先鋭化する。中国は、北朝鮮がすぐに潰れるのは困るという立場だろう。だが、現在の非人間的な政治を行い核ミサイルによる軍事化を進める北朝鮮は、大きな東アジアの不安定要因だから、中国に働きかけて、北朝鮮を経済的かつ政治的に締め上げることが必要だろう、ということだ。

大体において、わが国のミサイル防衛システムは作動するのか。北朝鮮がミサイルを日本海に発射するときに、EEZ水域に着水するのであれば、ミサイル防衛を発動しても良いのではないのか。イージス艦からのSM3が、それを担当することになると思われるが、発射されたことはない。ミサイル防衛システムの精度に問題があるためなのではないだろうか。BMDの問題は以前に記した。こちら。ミサイル防衛システムの精度については、毀誉褒貶がある(こちら参照)ようだが、どうも実際に発動されぬことをみると、わが国の当局がその精度に確信を持てぬためなのではないだろうか。米国内でも、ミサイル防衛システムの精度について否定的な意見を述べる方もいる。巡航ミサイルになると、対処方法はさらに難しくなる。こうしたミサイル防衛に巨額の投資を行い、さらに北朝鮮を含めた(実際は、中国)近隣諸国との軍拡に突っ走るだけの余力はわが国にあるのか。むしろ、外交努力で緊張を緩和すること、軍縮への動きを作ることが大切なのではないのか。北朝鮮のように予測不能の行動を取る国に対して、最小限の備えをする必要があるが、米国の言うがままに正確性の保障されぬミサイル防衛網を大金を支払って構築するのは、愚かなことだ。

北朝鮮が核弾頭付きのICBMをどうも配備しそうだということになって初めて、米国の人々も北朝鮮問題を身近な問題に感じ始めているようだ。議論の最後に彼らに言ったこと・・・トランプ政権のNSAメンバーでありチーフストラテジストでもある Steve Bannonが、もっとも危険な考えの持ち主であるように思える、ということ・・・。彼は、キリスト教社会と回教徒社会の戦争が起きつつある、起こすべきだという明確な考えを持つ。世界の破壊を目指すべきだ、という黙示録的な思想の持ち主だ。彼は、fake newsを垂れ流す極右のBreitbartの会長でもあった。彼は、核戦争を引き起こすボタンに一番近い距離にいる人物の一人で、安全保障政策についてトランプに絶大の影響力を持つ。私の考えに、お二人とも同意してくれたのだったが・・・。

オスプレイの横田基地配備 

米軍がオスプレイを横田基地に配備する。それが少し遅れるというニュース。

横田基地に配備されるオスプレイはCV22というタイプで、地形追従機能を備えた空軍用の機種だ。敵のレーダーに捕捉されぬように低空飛行を行い特殊任務を遂行する、という。

CV22は、その機能・任務から、重大事故を起こすリスクが高いと言われている。CV22についてはブログ”Everyone says I love you”に詳しい。こちら。

横田基地に配備されるCV22の訓練は、横田空域という一都八県にまたがる空域で行われる。訓練は、その主要任務の低空飛行が主体になる。防衛省・外務省の説明では、オスプレイの飛行訓練は、日米合意に基づいて行われる、となっている。しかし、その合意とは、わが国の航空法を適用せず、米軍の思い通りの訓練をする、ということだ。米軍の訓練空域は治外法権なのだ。沖縄でのオスプレイ墜落事故の原因であった、給油訓練は海上で行うと、米軍は述べているようだが、地形追従機能の訓練は当然地上で行われる。上記、横田空域には人口密集地が多い。事故が一旦起きると、多くの人命が危険にさらされる。

CV22は、空港への離着陸ではなく、戦闘地へ人員・物資を運ぶために狭い土地で離着陸する。そして、戦闘による攻撃を避けるために低空飛行をする。このような戦闘用航空機が、人口密集地を多く抱える地域に配備される。彼らの訓練には政府は何も言えない。これで、果たして独立国と言えるのだろうか。

ちなみに、CV22は一機200億円(CH-47J輸送ヘリコプターは、35億1650万円である。)自衛隊はオスプレイを17機購入することにしている。

以下、引用~~~

オスプレイ、横田配備延期=19~20年に最長3年-米国防総省

2017年03月14日 09時39分 時事通信

 【ワシントン時事】米国防総省は13日、特殊作戦用の垂直離着陸輸送機オスプレイCV22の米軍横田基地(東京都福生市など)への配備開始が、従来予定の2017会計年度第4四半期(同年7~9月)より最長3年遅れ、20会計年度(19年10月~20年9月)になると発表した。配備が遅れる理由などは説明されていない。
 米軍は15年5月、17年後半にオスプレイ3機を横田基地に配備すると発表。21年までに7機を追加配備し、計10機を常駐させる計画だった。
 CV22は空軍仕様で、急襲作戦にも用いられる。海兵隊仕様のMV22は普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に配備されている。 

BMDシステムの問題 

現在の弾道ミサイル防衛システム(BMDシステム)として、イージス艦上から発射される海上配備型迎撃ミサイルSM3、地上から発射される地対空誘導弾PAC3がある。北朝鮮の弾道ミサイル攻撃を念頭に置いている。SM3が、日本海海上の大気圏外でミサイルを打ち落とす。それに失敗したら、PAC3が本土で対応することになっている。2004年から、2015年度までに、BMDシステムに1兆3500億円超費やした

だが、これらのシステムにも問題がある。

一つは、命中精度、対応範囲の問題だ。PAC3の命中精度は20から30%と言われており、対応範囲は数十kmの範囲に過ぎない。限られた範囲、東京の中枢部、例えば首相官邸、永田町、米軍基地等だけを防御することになる。国全体をカバーすることはない。

二つ目は、敵国がおとり弾を多数同時に打ち込むことに対して、対応は難しい。また、一つ目の問題に関わるが、敵国のミサイルが、特定の基地等をピンポイントに攻撃する場合と異なり、都市中心部等のように明確でない場所に飛来する場合は、ミサイル軌道が計算できず、対処できない・・・これらは、BMDシステムの根本的な問題だ。

最後に、膨大な取得、維持コストが必要になる(最初の段落で記した通り)。PAC3一基で5億円程度と言われている。その管理システム、レーダーシステムなどにも費用がかかり、定期的なリニューアルのコストも必要になる。イージス艦も同様だ。BMDを整備すれば、相手はそれを上回る攻撃方法を開発することだろう。現に、中国等は宇宙軍拡に突き進んでいる。軍拡の悪循環が際限なく続くことになる。

わが国政府は、THAADも導入することを検討しているらしい。大気圏外でミサイルを迎撃する、この新型のBMDシステムでまた大きな予算が必要になる。BMDとしての問題は変わらない。

あまり表面に出ないが、もっとも重大な問題は、BMDシステムの開発・配備は軍事企業にとって大きな利益源になっていることだ。PAC3の製造には三菱重工業が関与している。軍事企業は、利益を確保するために、国際政治上の緊張を高め、さらなる軍拡に進むように政治に働きかける。

酷い財政状況のわが国が、効果が不定で国全体を守ることのできないBMDシステム開発・配備に突き進むべきなのだろうか。

北朝鮮が、自殺行為的に暴走する可能性はゼロではない。が、暴走させぬようにすることが一番だろう。特に2000年以降米軍が、韓国軍と共同し、「金政権を打倒する」ことを目的に掲げて大規模な軍事演習を朝鮮半島周辺で繰り返してきたことは、緊張を不要に高めた。そのような緊張を煽る行為は止め、中国に仲介させて、北朝鮮を和平のテーブルに何としても付かせなければならない。最低限の防衛整備は必要だが、常に緊張緩和を目指すべきなのだ。北朝鮮に対しては、それ以外対処の方法はない。

以下、引用~~~

対北防衛強化2000億円…PAC3射程2倍に

2016年11月27日 06時00分 読売新聞

 政府は、2016年度第3次補正予算案を編成する方針を固めた。

 複数の政府関係者が明らかにした。総額は1兆円前後になる見込み。経済対策関連の予算は計上せず、北朝鮮の相次ぐ弾道ミサイル発射を受けたミサイル防衛システムの強化に、2000億円弱を盛り込む方向で最終調整する。

 安倍首相が、近く麻生財務相に編成を指示する方向で、政府は12月中旬にも閣議決定し、来年の通常国会に提出する予定だ。

 ミサイル防衛関連では、地上配備型誘導弾「PAC3」の改良型の購入費や、改良型PAC3を搭載するためのシステム改修費として計約1880億円を計上する。現在配備されているPAC3は、射程約15~20キロとされるのに対し、改良型の射程は約2倍となる。防衛省は、17年度予算の概算要求に購入費などを計上していたが、一部を前倒しする。

有効性に疑問のあるミサイル防衛網を、尖閣諸島に配備するらしい 

尖閣諸島を守るために、ミサイル防衛網を構築するらしい。

ミサイル防衛網開発・配備は、2000年代ブッシュ政権により本格化した。米国でも、その有効性に否定的な見解があることは以前このブログでも紹介した。それは説得力のある見解だ。日本人の研究者による、ミサイル防衛についての論文がある。こちら。結論として、ミサイル防衛は有効ではなく、さらなる軍拡を招来する、ということだ。

ミサイル防衛が開発・配備される理由は、もっぱら軍事産業とそれに付随する政官の利権のためだろう。ミサイル防衛配備は、さらなる軍拡を確実に引き起こす。それは軍産複合体のさらなる利潤を生む。

尖閣諸島問題は、1972年に田中・周会談で確認したように、棚上げにし、時間をかけて共同開発するなりお互いに納得できる解決策を地道に模索する以外に解決する方策はない。尖閣諸島周辺で、このような軍拡の動きを見せれば、中国はそれを凌駕する軍拡を行い、際限のない軍拡競争に突入する。さらに、尖閣諸島周辺で不測の事態が起きる可能性が高まる。

この記事によれば、尖閣諸島周辺に配備される中国軍艦への攻撃も視野に入れている。すると、不測の偶発的な事態が全面戦争につながる可能性もある。

米国は、中国が日本本土を侵略する可能性をほぼ否定しているが、尖閣諸島については、占拠する可能性を考慮している。それほどまでに、尖閣諸島は危険な状況にある。

軍事産業を潤すことにより、リスクをさらに拡大してよいのだろうか。

以下、引用~~~

尖閣防衛、ミサイル開発へ…23年度の配備目標


2016年08月14日 07時21分 読売新聞
尖閣防衛、ミサイル開発へ…23年度の配備目標

 政府は、沖縄県・尖閣諸島などの離島防衛を強化するため、新型の地対艦ミサイルを開発する方針を固めた。

 飛距離300キロを想定している。宮古島など先島諸島の主要な島に配備する方針で、尖閣諸島の領海までを射程に入れる。2017年度予算の防衛省の概算要求に開発費を盛り込み、23年度頃の配備を目指す。中国は尖閣周辺での挑発行動を繰り返しており、長距離攻撃能力の強化で抑止力を高める狙いがある。

 開発するのは、輸送や移動が容易な車両搭載型ミサイル。GPS(全地球測位システム)などを利用した誘導装置を搭載し、離島周辺に展開する他国軍艦などを近隣の島から攻撃する能力を持たせる。13年に閣議決定した防衛計画の大綱(防衛大綱)では、離島防衛強化が打ち出されており、開発はこの一環だ。