The point of no return 

テレビでは、没落し始めた小池劇場と、安倍首相の続投ラインしかやっていない。この選挙で、日本が戦争をする国になるかどうか、という岐路に立っていることを、何も語らない。

自民党候補の40%が、対北朝鮮武力行使を支持している。産軍共同体と癒着したトランプ大統領が、北朝鮮危機を煽り、軍事行動をちらつかせる。安倍首相は、国際社会から孤立して、トランプ大統領に隷属し、さらなる軍事的圧力を北朝鮮にかけるという。

朝鮮半島有事の際には、数百万規模で犠牲者が出、さらにわが国にも戦火が及ぶ可能性がある。その戦争は、ひとえに、米国が北朝鮮に圧力を加え続けたこと、交渉のテーブルにつかないことが大きな要因だ。米国では、北朝鮮問題の担当官僚が、いまだに政府任用されていない。北朝鮮を交渉のテーブルに引き出すための積極的な努力がなされていない。我が国は、その米国の戦略に隷属し、米国の盾になろうとしている。

以下の中村文則氏の論考の言うところは正しい。引き返しが不可能になるポイントを超えるかどうかの選択が、国民の目の前にある。

以下、引用~~~

 10月6日付朝日新聞デジタル 排他の政治、感情で支持する人達 中村文則さん憂う

■総選挙 日本の岐路 作家・中村文則さん寄稿

 衆議院が解散となった。解散理由の説得力のなさは、多くの人がすでに書いているので、ここでは繰り返さない。僕もその件に関し首相の発言を様々に観(み)たり読んだりしたが、わからなかった。

 でも今回の解散は、ある意味首相らしいとも言える。首相はそもそも様々なことに対し、もう国民を納得させる必要をそれほど感じていないように見える。本当の説明をせず、押し通すことに、もう「慣れて」しまっているように見える。これは、とても危険なことだ。

 安倍首相を積極的に支持している人達は、共謀罪をあのような形で成立させても、森友学園問題で首相夫人を私人と閣議決定しても、親友で何度も会っている、加計学園の理事長の長年の目標(15回申請していた)の獣医学部への想(おも)いを今年の1月20日まで知らなかったと言っても、その件で関係者達が国会で「記憶にない」を連発しても支持してくれる。だからそういった層には、元々説明する必要性は薄い。

(ちなみに付け加えて書くと、これらを全く問題ないと強く首相を支持する人達と、蓮舫議員の二重国籍問題を批判した人達はかなり被るので、少し想像していただきたいのだが、もしこれらが全て「蓮舫首相」がやったことだったらどうだろうか。蓮舫首相が獣医学部の規制に「ドリルで穴を開けた」結果、蓮舫首相の長年の親友の大学のみがその対象に選ばれたとしたら。果たして彼らは同じように「全く問題ない」と言うだろうか。少なくとも、ネット配信が盛んなあの保守系の新聞が、打って変わって「蓮舫首相の加計学園問題」を喜々として叩(たた)く様子が目に浮かぶ。ちなみに僕は無党派というのもあるが、もし「蓮舫首相」が同じことをしても絶対批判する。逆に安倍首相に蓮舫氏のような「二重国籍問題」があっても絶対批判しない。強い安倍政権支持は、もう論というより感情の世界に入り込んでいる危険がある)

 首相に対しどちらともいえない、いわゆる中間層に対しても、首相は説明の必要性をそれほど感じていないように見える。

 実際、そういった人達が政治にうんざりし、選挙に来ないでもらえたらそれでもいいし(投票率が下がれば組織票に強い自公政権は有利)、北朝鮮の脅威を煽(あお)れば自分達に投票してくれるだろうし、森友・加計問題も、このまま関係者達の大半を今のように隠しておけば、いずれうやむやに忘れてくれると思っているのではないか。安保関連法であれほど支持率が下がっても参院選で大勝した結果、中間層までも「甘く見る」ようになってしまったと感じられてならない。あの選挙での大勝は本当に大きな出来事だった。だからこれらは首相の資質というより、我々有権者がそうさせてしまったことが大きい。

 そして政権を批判している人達に対しては、首相が都議選で野次(やじ)のコールをした人々に対し「こんな人達に負けるわけにはいかないんです」と言ったあの言葉が浮かぶ。一国のトップである首相が、国民の間に線を引いた瞬間だった。「こんな人達」はつまり「敵」として線を引いているので、そもそも説明する必要を感じていない。

 どの層に対しても、そうなってしまっているのではないか。今回の解散も、その延長にあると僕は思う。国会を見ていると、事実より隠蔽(いんぺい)の、説明より突破の、共生より排他の強引な政治のように感じる。そしてそれらを、論というよりは感情によって支える人達が様々に擁護していく。

 一連の感覚は世相にも現れているように思う。「中村(僕)は安倍政権を批判したから売国奴」とある人物から言われたことがある。

 首相という立場は、国民から厳しい目で見られ、時に批判されるのは当然のこと。とても辛(つら)い立場だ。正直そう思う。でもそれらに懐深くいられる人物であるからこそ、逆に首相という困難な立場にいることができるともいえる。政権批判=売国奴(非国民)の幼稚な構図が出来上がったのは、小泉政権でその萌芽(ほうが)はあったが、安倍政権で本格化したと僕は感じる(他の首相では滅多にそうならない)。事実が重視されないフェイクニュースの問題も顕在化している。理性的とは言えないヘイト・スピーチや揶揄(やゆ)や罵倒がネット上に溢(あふ)れるようになったのはもっと前からだが、年々酷(ひど)くなっている印象を受ける。安倍政権を熱烈に支持する「論客」などには、彼らなりの愛国のせいか、どうも排他的な人達が散見され、そういった言説を広げようとする傾向がある。

 知人と憲法の話になり、僕が個別的自衛権と集団的自衛権の違いなどの話をしながら現憲法を擁護していると、面倒そうに説明を遮られ、「でもまあ色々あるんだろうけど、(憲法を変えないと戦争できないから)舐(な)められるじゃん」と言われたのはつい先月のことだった。「舐められるじゃん」。説明より、シンプルな感情が先に出てしまう空気。卵が先か鶏が先かじゃないけれど、これらの不穏な世相と今の政治はどこかリンクしているように思えてならない。時代の空気と政治は、往々にしてリンクしてしまうことがある。論が感情にかき消されていく。

 今回の解散の結果、政治は混乱している。「野党の準備が整う前に解散したのでは」とよく報道で目にするが、永田町論理では当然のテクニックなのだろうが、一般の我々からすると、それは本来「有権者の選択肢に不都合を与える行為」でしかない。解散権の乱用については一度議論が必要だ。でもそれも関係ないのかもしれない。支持する人達は感情で支持してくれるし、あとは北朝鮮の名を連呼して突破する。

 この強引な解散によって、小池都知事によるかなり右よりの保守政党「希望の党」が登場し、前原誠司氏は事実上民進党を解体した。

 希望の党が旧民主党のリベラル派に対抗馬を立てるとの報道があるが、あまりにもくだらないと感じる。反・安倍政権の野党候補の一本化を、邪魔するためにのこのこ出てきたわけではあるまい。仮に自公政権が勝利すれば、その勝因は希望の党が野党共闘を破壊したことも大きいことになり、そうなれば、小池知事も前原氏も、最高の安倍政権アシストとして歴史に名を残すことになる。まさかそんなチンケなことは望んでいないだろう。希望の党は、他の野党候補と今からでも選挙区の棲(す)み分けをするべきだ。そうでないと、希望の党が選挙に出る大義は薄れるのではないか。

 選挙の先にあるのは何だろう。

 現政権が勝利すれば、私達はこれまでの政権の全ての政治手法を認めたことになる。政権は何でもできるようになる。あれほどのことをしても、倒れなかった政権ならすさまじい。友人を優遇しても何をしても、関係者が「記憶にない」を連発し証拠を破棄し続ければよい。国民はその手法を「よし」としたのだから。私達は安倍政権をというより、このような「政治手法」を信任したことを歴史に刻むことになる。

 感情的に支持する人はより感情的になり攻撃性も増し、本当の説明は不要だから、発展途上国の独裁政権のように腐敗することも理論上可能となる。「私は悪いことをしている」と公言する独裁者はいない。いい加減な説明をし、国民は納得していないのに権力に居続けるのが典型的な独裁政権だからだ。明治というより昭和の戦前・戦中の時代空気に対する懐古趣味もさらに現れてくるように思う。そもそも教育勅語を暗唱させていた幼稚園を、首相夫人は素晴らしい教育方針ともうすでに言っている。

 改憲には対外的な危機感が必要だから、外交はより敵対的なものになり、緊張は否応(いやおう)なく増してしまうかもしれない。改憲のための様々な政治工作が溢れ、政府からの使者のようなコメンテーター達が今よりも乱立しテレビを席巻し、危機を煽る印象操作の中に私達の日常がおかれるように思えてならない。現状がさらに加速するのだとしたら、ネットの一部はより過激になり、さらにメディアは情けない者達から順番に委縮していき、多数の人々がそんな空気にうんざりし半径5メートルの幸福だけを見るようになって政治から距離を置けば、この国を動かすうねりは一部の熱狂的な者達に委ねられ、日本の社会の空気は未曽有の事態を迎える可能性がある。

 北朝鮮との対立を煽られるだけ煽られた結果の、憎しみに目の色を変えた人々の沸騰は見たくない。人間は「善」の殻に覆われる時、躊躇(ちゅうちょ)なく内面の攻撃性を解放することは覚えておいた方がいい。結果改憲のために戦争となれば本末転倒だ。

 最後に、投票について。こんなふざけた選挙は参加したくない、と思う人もいるだろうが、私達はそれでも選挙に行かなければならない。なぜなら、たとえあなたが選挙に興味がなくても、選挙はあなたに興味を持っているからだ。

 現在の与党は、組織票が強いので投票率が下がるほど有利となる。彼らを一人の人間として擬人化し、投票日の国民達の行動を、複眼的に見られる場面を想像してみる。「彼」は、投票日当日のあなたの行動を固唾(かたず)を飲んで見守っている。自分達に投票してくれれば一番よいが、そうでない場合、あなたには絶対に、投票に行かないでくれと願う。あなたが家に居続けていれば、よしよしと心の中でうなずく。結果投票に行かなかった場合、「彼」はガッツポーズをし、喜びに打ち震えワインの栓でも抜くだろう。こんな選挙に怒りを覚えボイコットしている国民に対しても「作戦成功」とほくそ笑むだろう。反対に、野党は投票率が上がるほど有利となる。野党の「彼」は、当然あなたに選挙に行って欲しいと固唾を飲んで見守り続けることになる。有権者になるとは、望んでいなくてもつまりそういうことなのだ。

 この選挙は、日本の決定的な岐路になる。歴史には後戻りの効かなくなるポイントがあると言われるが、恐らく、それは今だと僕は思っている。

     ◇

 1977年生まれ。「土の中の子供」で芥川賞。最新作は近未来のディストピアを描いた「R帝国」。作品は各国で翻訳されている=中村真理子撮影

アベ的なるものを否定するために 

「今回の選挙は、安倍政権にお灸をすえるために、希望の党へ投票する。」という方が結構いるらしい。

これは間違いだと、教えてあげなくてはならない。

希望の党は、自民党の派閥のようなもので、むしろ日本の軍国化を進める政党だ、ということを。それに、言うことのくるくる変わる小池都知事が、思い付きで独裁的な党運営をしていることを。小池都知事は、自らが権力を奪取することだけを考えている。選挙後は、必ず自公政権と連携する。安倍政権にすり寄る可能性もある。

安倍政権を否定しようとするなら、政治権力の暴走を阻止するための憲法を重視し、市民による市民のための政治を行う政党でなくてはならない、ということを。

小池都知事・希望の党の公約は、欺瞞と嘘ばかり 

小池都知事は、都知事選の際に7つの公約を掲げた。就任後、それらの公約は何もまだ実現していない。

希望の党の公約にも同じような項目を並べて有権者の耳目を集めようとしている。これは、詐欺である。

豊洲移転問題に関して、この論考の指摘することは正しい。彼女は、実現不可能なことを公約としている。美辞麗句、抽象的な「改革」という文言を並べて、選挙に勝ち、権力を掌握することだけを目指している。

希望の党は、彼女によれば、安倍政権を倒すために結党したという。が、単独過半数は到底無理と分かると、選挙後に自民党と連携することを臆面もなく語るようになった。結局、希望の党は、自らの権力奪取のための手段に過ぎない。

希望の党は、現在の自民党以上に国民を欺く政党になる。自民党・維新・希望の党の改憲勢力が2/3以上の議席を取ると、憲法改悪に一気呵成に進む。安保法制のもと、自衛隊(国防軍となる)を米軍指揮下に入れ米国の世界戦略の肩代わりをさせることになる。集団的自衛権の名のもとに、ソビエトのハンガリー侵攻、米国のベトナム戦争・アフガン戦争等が起こされたことを想起すべきだ。個別的自衛権とはかけ離れた、大国のヘゲモニーのための戦争だ。そうした戦争にわが国を巻き込むことを、改憲勢力は意図している。

この衆議院選挙は、戦争への歩みを進めるのか、それを拒否するのか、という選択の選挙だ。小池都知事は、欺瞞と嘘を並べて、我が国を戦争に推し進める立場にたっている。

以下、引用~~~

10月6日付ダイヤモンドオンライン 

都知事としての「失策」を見れば、小池氏はやっぱり信用できない

「希望」の裏の打算と皮算用は、結構スキだらけ 

自身の出馬は固辞しているものの、希望の党を率い、全国で200人超の候補者を擁立して国政進出を果たそうとしている東京都知事の小池百合子氏。期待の声がある半面、都知事としての皮算用に満ちた「失策」には、目を覆うばかりだ。改革者として信用に足る人物なのだろうか。(「週刊ダイヤモンド」編集部 岡田 悟)

「日本をリセットする」――。10月10日公示、22日投開票の第48回衆議院議員選挙で、一気に台風の目に躍り出たのが、東京都知事でありながら国政政党「希望の党」を自ら設立して代表に就いた小池百合子氏である。

 十数年ぶりの本格的な野党再編を巻き起こし、政界やマスコミはもはや、小池氏を中心に回り始めたといっても過言ではない。もっとも、民進党の所属議員を引き入れ、連合の全面的な支援を得て政権奪取をうかがうかと見られたが、小池氏が左派系議員の「排除」を訴えたために民進は分裂、当初の勢いは削がれたように見える。

 さて、今まさに小池氏がライバルに見据えているであろう安倍晋三首相の好きな言葉を使えば、「政治は結果責任」である。2016年8月の就任以来、東京都という自治体の首長として小池氏はどのような結果を残してきたのだろうか。「1年と少しで結果を残せるわけがない」との声も聞こえてきそうだが、小池氏が今日までの任期で決定した政策をつぶさに検証すれば、将来どう見ても破たんすると断じざるを得ないような、重大な失策が見えてくる。

 例えば、都政で最も注目を集めた築地市場の豊洲への移転問題。

 小池氏は豊洲の土壌汚染などを理由に、移転自体をいったん遅らせた。だが結局今年6月になって、中央卸売市場の機能は豊洲に移転させ、築地の跡地を売却せず、再開発して活用する案を発表。「築地は守る、豊洲を活かす」と小池氏自ら表現した方針だ。

莫大なコストをかけて建設された豊洲新市場は活用しつつ、「TSUKIJI」として海外にも知られた築地市場跡地を「食のワンダーランド」として活性化する――。そんないいとこ取りのアイデアが実現できれば、素晴らしい。あくまでも本当に実現できれば、の話だが。

 ところで、豊洲新市場を建設したがために、東京都の市場会計の企業債残高、すなわち借金は、18年3月末見込みで約3600億円存在する。

 小池氏の都知事就任前は、築地の跡地を民間に売却することで、この借金の返済に充てる計画だった。だが小池氏は、築地を売却せずに都で保有し続け、前述の再開発によって民間から地代収入を得て、これを返済に充てる方針に切り替えたのだ。

 小池氏の方針転換を受けて都の事務方は、21年度から50年間、1年あたり160億円の地代収入を得続け、かつその途中で企業債を借り換えれば、大きな資金ショートを避け、累積赤字を54年度に解消できるとの試算をはじいた。

 逆に言えば、築地の再開発で毎年、160億円の地代収入を50年間得続けなければ、累積赤字の解消はままならず、深刻な資金ショートに陥ってしまう。小池氏が6月の記者会見で語った「豊洲で累積してしまう、将来への負の遺産は残してはならない」との宣言は、実現できなくなるのだ。

築地で表参道並みの賃料設定
あまりに非現実的な都の試算

 築地の再開発によって、本当に年間160億円の地代収入を稼ぎ続けることが、できるのか。専門家への取材に基づいた本誌の検証では、答えは「ノー」だ。

 まず、前出の都の事務方の試算を詳しく見てみよう。160億円地代収入の積算根拠は、貸付面積全体から道路想定部分を除いた17.2万平方メートルのうち、事業用地を11.3万平方メートル、住宅用地を5.9万平方メートルと設定。貸付料の料率については、事業用地は、豊洲に建設予定の「千客万来施設」、住宅用地はなんと、「港区北青山3丁目地区の実績に基づく」との記載がある。

 港区北青山3丁目と言えば、東京メトロ表参道駅がある交差点の周辺だ。商業地としては、今年7月1日時点の基準地価で1平方メートル当たり2420万円と、東京でも、いや日本でもトップクラスの価格だ。一方で築地の商業地は、最高値の築地3丁目でも196万円と、桁が違う。

では、住宅地としての価値はどうか。不動産のデータ分析などを手掛ける東京カンテイによると、駅周辺の築3〜10年の中古マンションの流通価格の実績を、東京メトロ日比谷線築地駅、都営大江戸線築地市場駅、東京メトロ表参道駅で比較した場合、築地7457万円、築地市場8561万円、表参道1億2710万円と、かなり大きな差がある。

 いくら築地が銀座に近く、浜離宮恩賜庭園を望む「何物にも代えがたいロケーション」(小池氏)にあるとはいえ、住宅地として国内最高価格帯ともいえる表参道並みの価格を維持するのは、どう考えても無理である。

 ましてや、土地は都が保有し続け、その上にマンションを建てて定期借地で販売することになるが、こうしたいわゆる定借マンションの販売価格は、一般的に相場を2〜3割下回る。現実的には、「表参道並み」から大きく離れた価格を想定すべきなのだ。

 さらには、供給戸数もネックとなりそうだ。

 中央区の都市計画図によると、築地市場がある土地の建蔽率は80%、容積率は500%だ。ある不動産の専門家の分析によると、試算で住宅地とされた5.9万平方メートルの敷地では、1戸当たり60平方メートルのマンションが約5000戸できる計算だ。

 つまり都の試算は、築地に5000戸のマンションを建て、全ての部屋が表参道並みの価格で売れるか、賃料で貸せることで、初めて160億円の地代収入が得られる、ということなのだ。

 ちなみに、築地に近い晴海では、20年の東京オリンピックのために建設される選手村が、大会終了後にマンションとして5000戸超分譲されることが、すでに決定している。それだけでも首都圏のマンション価格を大きく押し下げると懸念されているのに、築地でさらに5000戸のマンションを試算通りの高値で販売するのは至難の業といえるだろう。この専門家は「試算の前提は荒唐無稽。全く話にならない」と突き放す。

 なお、都の資料では、事業用地は後述する千客万来施設、住宅用地は港区北青山3丁目地区の土地価格をベースとした上で、貸し付け条件の制約を想定し貸付料を10%減額したとしている。

 しかし、表参道と築地では、前述のようにマンション価格の差は10%では済まない上、定期借地であるため販売価格も下がる。10%分減額した前提でも、50年間で160億円を稼ぎ続けられるとは言い難い。

美辞麗句を並べただけ
築地活用プランの危うさ

 より面積の広い事業用地については、豊洲市場に隣接して建設予定の温浴施設や飲食店などからなる「千客万来施設」を目安に、地代収入の料率が設定されている。

 ただし豊洲に実際に建設予定の施設は、延べ床面積が計約4万1900平方メートルだ。これは敷地面積ではなく、延べ床面積であることに留意されたい。

 築地の事業用地は敷地面積で11.3万平方メートルあり、ここに施設を建設する場合、一般的に考えれば延床面積はより広大なものとなるはずだ。果たして施設を全て埋めるだけのテナントを誘致できるのか、大いに疑問だ。豊洲に実際に整備される施設とも競合する。

 なお、これら都の事務方の試算は、小池氏の指示を受けて、築地の跡地を売却した場合、保有し続けた場合など、複数のケースについて前提を変えて計算した結果の一部にすぎない。

 肝心なのは、小池氏が試算をどのように吟味し、自身の結論を出したのかである。6月20日の記者会見で、小池氏はどのような結論を出したのか、会見の配付資料から見てみよう。

「仲卸の目利きを活かしたセリ・市場内取引を確保・発展」「築地のノウハウを生かした消費者向け新事業(商業、外食、教育、芸術、スポーツ等)」「地域との一体化で一大観光拠点として発展」「食のワンダーランド」

 何ともあいまいなコンセプトばかりで、地代収入の安定的な確保に向けた具体策は何一つ語られていない。

 にもかかわらずこの資料には「『賢い支出』により持続可能な市場を確保」「豊洲・築地合算のキャッシュフロー収支が黒字化し、当初の巨額な総事業費を超える都民負担の拡大を防止」と書かれている。金額的な根拠はなんら示されていないのに、である。これでは美辞麗句を並べただけの“作文”だ。

 ちなみに小池氏は、当時の記者会見で「築地を再開発して新たな東京の一大拠点を作るという希望。これがあれば私は必ずやってけると考えている」と述べている。このころから「希望」という言葉を自らの主張に潜り込ませていたのだった。

 そのうえで、7月に投開票された都議選では、自身が率いる地域政党「都民ファーストの会」で圧倒的な議席を得た。豊洲移転推進派、反対派の両者にいい顔を見せるための「捕らぬ狸の皮算用」を用いて都議会自民党の議席を奪い、政治基盤を強固にしたのだった。

 さて、いまや政界再編の台風の目として派手な打ち上げ花火を打ち上げる小池氏だが、都知事として決定した政策はすでに、これだけの危うさに満ちたものだった。来たる衆院選への小池氏の戦略や公約などは依然として不透明だが、有権者は「希望」の二文字以外にも、目を凝らして検証すべき点が多くある。

口からでまかせ公約 

希望の党の公約が発表された。その中に、「希望の道しるべ」と題した12項目がある。様々な社会問題・事象をゼロにする、すなわち解決する、という公約だ。小池都知事が都知事選挙時に公表した公約と一部だぶっており、それらの公約は一年たっても実現する見通しは全く立っていない。

希望の党のこの12項目は、互いに関係ないもので、投票者の興味を呼びそうなものを羅列してある。「原発ゼロ」が、「花粉症ゼロ」と並べられている。花粉症は、環境要因、個体要因があって初めて発症する。花粉症をゼロにする・・・それは、ノーベル医学生理学賞を間違いなく受賞する業績になる・・・研究者でもない小池都知事と希望の党がそれを実現するというのは、要するに、国民の注目を集めようとする、口から出まかせだ。

原発ゼロが花粉症ゼロと並列の目標になっているところからすると、原発ゼロも口からでまかせ、なのだ。原発ゼロが、口から出まかせである理由は、それだけではない。あの「踏み絵」に、原発ゼロが記載されていない。希望の党に入るための条件ではないのだ。さらに、小池都知事は、原発再稼働を容認すると語っている。再稼働することと、原発ゼロに向かうことは真逆の方向だ。やはり、原発ゼロは、口から出まかせである。

こんな公約を堂々と公表する政党とは一体何なのか?こんな公約を公表する希望の党と小池都知事は、有権者をなめ切っている。

小池都知事 お仕舞い 

小池都知事、お仕舞ですな。

こちら。

トップダウンの密室政治ではなく、草の根の政治を 

立憲民主党のtwitterフォロワー数が11万人を超え、希望の党はもちろんのこと、自民党も抜いた。

トップダウンではなく、草の根から吸い上げる政治をという、枝野党首の演説に新鮮な感動を感じた人が多かったのではないだろうか。リベラル・保守の戦いという枠組みはもう過去のもの。トップが、財界や一部の富裕層、それに親しい友人だけに利権を密室の中で与える政治ではなく、一般国民の求めるものを公開されたところで政治に生かす政治を行うかどうか、の問題だ。

twitterを利用する国民の多くは、無党派層と思われる。無党派層への立憲民主党の浸透は、順調に進んでいる。これをできるだけ幅広い国民の運動に広げられるかどうか、がわが国の今後を決定する。

以下、引用~~~

立憲民主、フォロワー11万人 ツイッター4日目で自民を追い越す

2017年10月5日 朝刊

 立憲民主党の公式ツイッターのフォロワー(読者)数が五日未明、開設から四日目で十一万人を突破し、主要政党の中で最多だった自民党を追い越した。民進党から希望の党への合流劇の中で、リベラル勢力の受け皿として誕生した新党に対する関心の高さがうかがえる。 (清水俊介)

 各党は政策や演説の告知、記者会見の動画などを有権者に直接発信する手段として、公式ツイッターを活用。衆院選に候補者を擁立する主要政党は全て公式ツイッターを開設している。

 立憲民主も枝野幸男代表が結党を表明した二日の記者会見とほぼ同時に開設。枝野氏の演説の動画や、党の理念などを頻繁に投稿し、早くも五日午前零時半現在で、フォロワー数は約十一万二千七百人となり、同時刻の自民党を約二百人上回った。

 自民党の公式ツイッターによると、同党の登録は二〇〇九年七月。自民党が約八年で達した人数に、立憲民主が数日で追いついた。

 立憲民主に先立ち、九月二十五日に結党した希望の党も結党直後に公式ツイッターを設けたが、五日午前零時半現在、フォロワー数は三千人台にとどまっている。

この総選挙は、モリカケ隠しと権力ゲーム 

安倍首相による、安倍首相のための、モリカケ疑惑隠しと、権力ゲームの総選挙。そこで、安倍首相が主張することは、根拠のないデマの類だ。

政治行政を私物化した安倍首相は、退陣するのみならず、議員辞職すべきである。

総選挙での彼の主張と、それの批判とを以下に記す。

以下、引用とコメント~~~

首相「北の脅威への対応と少子化、最大の争点」

2017年10月05日 07時35分 読売新聞

 安倍首相(自民党総裁)は4日、読売新聞のインタビューに応じ、10日公示・22日投開票の衆院選で掲げる経済政策について「アベノミクスをさらに加速させ、経済の好循環を力強く回していきたい。もっと賃金が上がっていく状況を作りたい」と述べた。

賃金を「もっと」上げる?実質賃金は下がり続けている。非正規雇用が増え、格差も拡大している。自民党がかって麻薬中毒のように繰り返してきた、財政出動が「アベノミクス」の正体。円安で輸出企業は業績を伸ばしたが、内部留保の拡大だけが生じ、国民経済は改善していない。国の負債は、天文学的な数字になっている。「アベノミクス」が道半ば、と言い続けてどれだけ経つのか。「アベノミクス」は、失敗であることがすでに判明している。

 首相は「北朝鮮の脅威と少子化にどう立ち向かうかが最大の争点になる。日本の未来を決める選挙だ」と強調した。自民、公明両党の議席が過半数(233議席以上)に届かない場合、退陣する考えを改めて示した。

北朝鮮の軍拡は、米韓による軍事的な圧力を1970年代から繰り返してきたが一因。我が国が集団的自衛権を行使して、この緊張に関与することは、緊張緩和には結びつかない。むしろ偶発的な戦争に巻き込まれる可能性が高くなる。これ以上、圧力を加えても解決しない。米軍の兵站をすでに実施しているが、これで相手にわが国を攻撃する口実を与えることになる。

少子化を急に「国難」だとして、政治利用するのは止めるべきだ。少子化の少なくとも一部の原因は、非正規雇用の拡大にある。非正規雇用増加は、自公政権の新自由主義的な経済運営によって生じた。新自由主義によって、少数の富める者がさらに富み、大多数の貧しいものがさらに貧しくなる。この国難は、これまでの自公政権の政策にこそ原因がある。

 首相はアベノミクスについて「約5年間で雇用は185万人増加した。企業は過去最高レベルの収益を上げている」と成果を強調する一方、アベノミクスを加速させる上で少子高齢化が「最大の壁」になっていると指摘した。「少子高齢化を乗り越えていく」ため、2019年10月の消費税率10%への引き上げに伴う増収分の使途を変更し、高齢者中心の社会保障制度を「全世代型」に転換する方針を示した。

「アベノミクス」なる政策が失敗していることはすでに述べた通り。失敗している政策を加速させてどうするつもりなのだろうか。8%への消費税増税時にも、増税分をすべて社会保障に用いると安倍首相は言っていた。それは嘘であることが分かっている。同じ嘘をつくことは許されない。自民党の税調は、すでに選挙後に消費税増税分の使途を検討すると述べているではないか。安倍首相は、口からでまかせの嘘をついている。

 希望の党がこれまで「消費増税凍結」を掲げてきたことには、「そもそも反対なのか、どういう状況なら(税率を)上げるのか。責任を持った言い方をすべきで無責任極まりない」と批判した。民進党の事実上の解党や、希望、立憲民主党の結党を念頭に「政策がわからないまま離合集散が続くことは大変残念だ」として、「自民党は愚直に誠実に私たちの政策を訴える」と強調した。

前回の消費税増税回避の際に、「リーマン級の世界経済破綻」が近づいていることを、安倍首相はG7サミットで声高にぶち上げ、世界の首脳から失笑を買った。希望の党と、安倍首相の自公政権は、ポピュリズムという点で同類項。希望の党を批判することは、すべて自分に返ってくることを安倍首相は知るべきだろう。

 希望の小池代表(東京都知事)の衆院選出馬が取り沙汰されていることには、「出処進退は自身で決めることだ」と語った。その一方で、「小池知事は(前五輪開催国ブラジルの)リオ市長から五輪・パラリンピックを成功させる責任をしっかりと受け取った。東京は日本の顔で、都政の重責を担っている」とも述べ、都知事の職に専念することが望ましいとの考えをにじませた。

安倍政権自ら、賄賂をばらまき、福島第一原発はコントロール済みだとして誘致したオリンピック。その誘致の撤回を含めて責任を取るのは、安倍首相だろう。安倍首相は、モリカケ問題では頬かむりをして、何も解明しようとしない。安倍首相は、自分で出処進退を決めることができないのだろうか。そもそも、国難は安倍首相自身である。

立憲民主党の熱気 

立憲民主党 枝野党首が 昨夜、銀座で立ち合い演説会を行った。

こちら。

すごい熱気。

twitterのフォロー数も、昨日の段階で、5万8千を超えていた様子。今日には10万弱まで達した。自民党とほぼ並ぶ。ちなみに、希望の党のフォロワーは1800とか 笑。

立憲民主党が中心になって野党共闘をすれば、良い線いくかもしれない。ただ、ネットのなかだけではだめなので、同党の公約、綱領を支持するという方は、ぜひ周囲の方に話してもらいたい。

立憲民主党の綱領で問題なのは、白井聡氏も指摘していたが、沖縄について民進党の方針を受け継ぐとしている点。沖縄では、翁長知事を中心とするオール沖縄とタッグを組むべきだ。沖縄への態度が、その政党の正当性を示す。同党に、この意見をemailした。

小池知事は、原発再稼働容認だそうで・・・それでどうやって原発ゼロにするのか。踏み絵には原発ゼロが入っていないし、どうせ無党派層を呼び込むための口から出まかせなのだろう。希望の党には、細野のように昨年まで安保法制反対と国会前でデモをしていた、前議員が何人もいる。節操がない。希望の党は、すぐに失望の党に変わる。

この選挙は二極の争い 

都民ファーストの二人の都議、一方は幹部をかってしていた方、が離党する意向のようだ。都民ファースト内の重要事項が密室内で決められていることに反発している由。

米山新潟県知事によると、都民ファーストでは都議同士の会食や宴会が禁止されていたらしい。希望の党の都議は、公的な発言を禁止されている。都民ファーストの議員は、モノ言わぬ、何も考えぬ駒のわけだ。

希望の党も、都民ファーストも、小池知事と側近だけですべてものごとを決めているようだ。情報公開をすると言いながら、自らはまったく公開せず。

希望の党が、立候補希望者に600万円収めることを政策協議書のなかで要求している。候補者から金を集めるのも政策の一環らしい。候補者に踏み絵を踏ませる、それも憲法改正、安保法制推進という踏み絵を踏ませる。多くの候補者は民進党出身であり、ついこの前まで真逆の方針で政治活動を行ってきていた。そうした民進党離党者も情けない話だが、ここまでがんじがらめに政策で縛るものだろうか。その上、多額の寄付まで要求する。小池都知事にとって都合のよい、排除と選別の論理は、一体「寛容な保守」というキャッチフレーズに合致しているのか。寛容ではなく、狭量な独裁的政党なのではないか。

このような政党の体をなしていない政党もどきを、「三極の一つ」に持ち上げるのは、間違い。希望の党は、すぐに崩壊する、自民党の補完勢力でしかない。

今回の選挙は、三極の争いではない。民主主義、立憲主義、国民一人一人を大切にする政治を重視するのか、独裁政治、親しい人だけに恩恵を施すクロ―ニズム、基本的人権よりも体制の維持を優先する自民党改憲案の政治を目指すのか、の二極の争いだ。

以下、引用~~~

米山新潟県知事のtweet

離党にお怒りとの事ですがなんと都民ファースト内部では都議同士の会食や宴会が公式には禁止されていたとの事ですから、そりゃ普通の人なら辞めるだろうと思います。そんな事は俺の自由、党から言われる事じゃないと思うのが普通の人間でしょう

格差の拡大 

平均年収は上がっているが、インフレを加味した実質賃金は、右肩下がりに下がり続けている。そして、正規雇用、非正規雇用間の賃金格差は、拡大している。

他方、企業の内部留保は、増加し続けて、昨年末には375兆円に達した。労働分配率は43%と過去最低。こちら。

「アベノミクス」なる大規模金融緩和の結果がこれだ。潤ったのは、輸出企業等一部の企業。国民にとっては、何も得るものがなかったということだ。国家財政の赤字は1300兆円をこえた。財政再建はさらに遠のいた。日銀のバランスシートも毀損されている。


NHK NEWS WEB

平均年収421万円余 4年連続増も格差拡大
9月28日 17時04分

サラリーマンなど民間企業で働く人の去年の平均年収は421万円余りで、前の年を0.3%上回り、4年連続で増加したことが国税庁の調べでわかりました。その一方で正社員と非正規雇用の人の平均年収の差は拡大しました。

国税庁によりますと、去年1年間を通して民間企業で働いた会社員やパート従業員などの平均年収は、男性が521万1000円、女性が279万7000円で、全体では421万6000円となりました。

これは前の年よりも0.3%、金額にして1万2000円上回り、4年連続で増えました。

役員を除く正社員と非正規雇用の労働者で比べると、正社員が486万9000円、非正規雇用の人が172万1000円で、ともに前の年から増えました。

上げ幅は、正社員よりも非正規雇用の人が0.5ポイント大きいものの、金額ベースでは314万8000円の差があり、調査を始めてから4年連続で拡大しました。

1年間を通じて働いた給与所得者の数は、女性の増加などによって4869万1000人とこれまでで最も多くなりました。