「アベノミクス」によって雇用が増えた? 

メモ程度なのだが・・・アベノミクスの内実を具体的な数値でみてみる。

藻谷浩介氏によると、安倍政権下で増えたという雇用250万人、その内215万人が65歳以上の高齢者。

若年男子の雇用は減っている。増えているのは、高齢者、特に女性、非正規雇用が多い。

また、明石順平氏によると、職種別の雇用の変化は以下の通り。

              2012年    2016年      差

1)医療福祉         677       778     +101

2)卸売り小売業      940       976      +36 

3)宿泊飲食サービス業  311       334     +23

・・・

5)製造業          981        999     +18

・・・

単位 万人

これらを見ると、安倍首相が常々述べている、アベノミクスによって雇用が増えたというのは、内実、高齢者の非正規雇用の増加にすぎない。これは労働人口減少と、高齢者の収入減少によって起きている現象だろう。景気を反映する製造業では雇用は殆ど増えていない。この雇用増加は、景気の改善を反映していない。

ということになる。
       

若い世代の未来が食いつぶされている 

昨今の公文書改ざん問題を機に、政権支持率がもっと急激に減っているのではないかと思ったが、まだ30%台を維持している。どうも、20歳台から40歳台の方が現政権を支持しているらしい。

彼らにとっては、失われた四半世紀の間、就職がままならず、苦労してきたので、現在の株高、求人先を選ばなければ就職できる状況は、政治の成果と思われるのかもしれない。

だが、見せかけの好景気は、もっぱら円安による輸出企業の一時的なものであり、全業種、全国的なものではない。「好調の」就職率は、基本的には団塊の世代がリタイアしているためであり、製造業等が好調のために増えているのではない。増えている職種も大半が低収入の非正規雇用である。

また、異次元金融緩和を続けてきたツケはどんどんたまっている。政府の負債は増え続け、過去最高を記録。日銀は400兆円国債を買い付け、株式投資にも17兆円つぎ込んでいる。いわば、次世代の資産を食いつぶしているというのが現状だ。

現在の若い人々がリタイアする頃、いやもっと前に、こうした次世代の資産を食いつぶす政策の影響を、彼らがもろにかぶることになる。今、あなた方の未来が食いつぶされているのだということを知るべきだ。

これをもっと次世代の方々に伝えてゆかねばならない、と切実に思う。

虚偽の政治から脱して 

森友決算文書原本が、国土建設省にあったことが内閣に伝えられたのが5日。翌6日には、菅官房長官・安倍首相には伝えられていたと、菅官房長官自身が昨日記者会見で答えた。その後も、原本は見つかっていないという前提で事が進み、安倍首相は11日になってから原本の存在を知ったと答えている。これは、虚偽答弁である。

安倍首相、安倍政権自体が、こうした虚偽答弁、虚偽に基づく発表を繰り返してきた。権力は、自らに都合よく事実を選択することはあるのだろうが、事実を捻じ曲げる、ないし偽造することをこれほど繰り返す政治家・政権は過去になかったのではあるまいか。安倍首相の歴史修正主義も、そうした体質の表れかとも思ったが、歴史史料になるべき事柄を根本的に偽造する態度は、歴史の主流の評価を変える歴史修正主義以上に深刻な問題だ。

こうして、虚偽により一時をやり過ごしても、やがて破たんする。だが、問題はそれからだろう。GDPは「アベノミクス」なる金融緩和策で増加したと喧伝しているが、それは、GDPの2008SNA対応に際して、根拠不明のかさ上げがなされたことによる、とされている。GDPを増加したように見せる虚偽が行われているのだ。残されたものは、バブリーに膨れ上がったマネタリーベース、国の借金の増加、日銀・GPIF財政の悪化である。これらは、安倍政権が終わり、やがて金融緩和の出口を模索するときに、国民に増税・インフレとなって降りかかる。安倍政権の路線を継承しない、国の財政健全化を目指す新たな政権は、恐らく未曽有(みぞうう)の国家財政運営の危機に見舞われる。健全化を目指さなくても、早晩、国家財政の危機は表面化する。

よく言われることだが、現在の国の財政は第二次世界大戦中、その直後に似ている。戦争直後には激烈なインフレが生じ、預金封鎖が行われた。あの時代を乗り切れたのは、国としての大きな伸びしろがあったためだ。現在は、人口減少・高齢化の進行が生じ、国力は右肩下がりになっている。これは今後少なくとも数十年規模で進行する。その状況で、安倍政権の残した負の遺産は余りに大きい。めまいがするほどだ・・・。だが、すぐにやって来るこの困窮の時代を生き延びなければならない。次の政権には、その覚悟が必要だ。

安倍首相・安倍政権の虚偽に基づく政策に、国民がようやく気付いたようだ。歴史史料を書き換え、虚偽で粉飾した安倍政治から、国民が政治行政を正当に知ることができるようになる。それはとても良いこと・・・だが、問題はこれからだ。国民も、安倍政治が終わったとしても、困窮への道は続く覚悟が必要だ。



政府は、残業代ゼロ法案を押し通す積りだ 

働き方改革とは目くらましの名称であって、本態は、残業代ゼロの働かせ方改革であることがすでに明らかになっている。

政府は、裁量労働制拡大は引っ込めたが、残業時間上限の短縮等、労働条件の規制強化を取りやめたうえ、高度プロフェッショナル制度の導入は行う積りだ。高プロ制度は、収入の縛りがあるものの、まさに残業代ゼロ制度である。

我が国の労働分配率は低下し続け、それに対応して大企業の内部留保は増大し続けている。残業代ゼロ法が成立すると、その傾向をさらに推し進めることになる。

経団連会長は、高プロ制度を適用する収入下限を年収400万円まで下げることを要求している。高度プロフェッショナルという呼称はマヤカシである。一旦この法律ができると、対象はどんどん広げられる。かって、労働雇用法制が改悪されて、人材派遣をどんどん緩和し続けたことで、非正規雇用が拡大し続けたことを、残業代ゼロ法対象でも繰り返すことになる。

政府の説明には「嘘」が往々にしてあるものだ。だが、安倍政権ほど多くの嘘を平然とつく政府はかってなかった。

残業代ゼロ法案の公聴会で、かのワタミの創業者が、過労死家族の会の意見陳述人に質問するというブラックさ。

山添拓参議院議員のtweetを引用~~~

与党は参院予算委で公聴会を強行。東京過労死家族の会・中原のり子さんが意見陳述。自民党、渡邉美樹氏が質問し「働くことはいけないことか」などと問う。高プロも望んでいる労働者がいると。固定残業代で月140時間もの時間外労働を強いて26歳の女性を過労自死に追い込んだ、ワタミの創業者の弁。

「政権の犯罪」の行方 

安倍政権への支持率が、直近のものでもまだ50%前後あると報じられている。今回の森友文書改ざん疑惑によって、それがどう変化するかまだ見なければいけないが、あの残業代ゼロ法案審議の過程を国民が見ているはずなのに、これだけの支持率がまだあるというのは不思議という他ない。

森友文書改ざん疑惑は、下記のLiteraの記事にある通り、権力が民主主義国家として一線を超えた可能性の高い問題だ。この問題が発覚直後は、少なくとも、政権、財務省は、事実を否定しなかった、否定できなかった。むしろ大阪財務局が刑事告発を受けているから、答えないという、理財局長、財務大臣の紋切り型の答弁は、彼らが「クロ」であることを自ら自白したようなものだ。

今日、理財局長は、「調査結果」を公表するとしていたが、調査の「経過と方針」の公表と昨日言い換えていた。これは、書類の原本の公表はできない、ということの伏線だろう。一方、この事件をスクープした朝日新聞に対する攻撃、そして財務省内部にいると思われる内部告発者の詮索を、政府は続ける積りなのだろう。このLiteraの記事にもある通り、検察が権力により篭絡されていれば(その可能性は残念ながら高い)、この歴史的な権力の犯罪はもしかすると闇に葬られるのかもしれない。

安倍首相は、この時点で、放送電波の自由化、入札制度について言及し始めた。自由化といえば聞こえが良いが、マスメディアを恫喝し、自らになびくマスメディアに利権を与えようとしている。最初に述べた、世論調査の結果のかなりの部分は、マスメディアによる世論誘導が影響している。内閣府が、そうした世論誘導を、マスメディア、それにネットまで用いて盛んに行っている。

一方、自民党内部からも安倍首相批判の声が出始めているとも聞く。江田憲司議員によると、あの改ざんされた厚労省データの撤回と、裁量労働制拡大の白紙化は、自民党の声が通ったことであり、それは政権の弱体化を意味するとのことだ。「働かせ方改革」法案の「規制強化部分」を、裁量労働制拡大白紙化とともに撤回するという、本来の政権の目的とする労働規制自由化へ向けての荒業も行っているので、まだどう転ぶか予測はできない。が、自民党内部から政権への批判を見極めたい。

最終的には、国民がこの問題をどうとらえるのか、ということだろう。麻生財務大臣が、かって「ナチスに倣え」といった言葉が実現するのかどうかの瀬戸際まで来ている。

追記;田中龍作ジャーナルに、改ざん文書の証拠が載っている。こちら。これからも、官僚側から内部告発が続くことを期待したい。

以下、Literaより引用~~~

歴史的犯罪“公文書偽造”で安倍政権が“朝日の情報源”ツブシに動き始めた! 安倍首相が元財務次官、内調トップと密談
2018.03.05

公文書改ざんは民主主義の根幹を揺るがす、戦後初めての重大な国家犯罪

 そして、これがもっとも重要なことだが、今回の疑惑は、政府が都合のいいように決済印の押された文書を書き換えていた、公文書の偽造あるいは変造という犯罪であるということだ。しかも、有印公文書偽造あるいは有印公文書変造というのは、いずれも私文書偽造などとは違って、懲役1年以上10年以下の重い罰則がもうけられている重大犯罪なのだ。

 ところが、このような重大かつ深刻な国家犯罪の疑惑が浮上し、政府も事実を否定しないという状況にもあるというのに、マスコミは大きく報道しない。ネット上でも「また森友か」という空気が流れている。

 たしかに、世間は森友問題に飽きているのだろう。だが、正しくは「飽きさせられた」というべきだ。昭恵夫人の関与の発覚、籠池泰典理事長の数々の証言、音声データの発見、憲法に規定された独立機関である会計検査院の指摘……数々の事実が浮かび上がり、国有地売買の不当な取引の実態があかるみになっても、そのたびに安倍首相をはじめ関係者たちは一辺倒の答弁で逃げ、話をすり替え、国会も開かず、昭恵夫人や佐川前理財局長の招致も拒否し、事実を突きつけられても絶対に責任を認めなかった。それを繰り返すことで、安倍首相は社会のなかに「この問題はもう進展しない」「この話題は飽き飽きだ」という空気をつくり出してみせたのだ。

 しかし、今回の公文書改ざん疑惑は、この1年間追及がおこなわれてきた問題とは、もはや次元が違う。もちろん、政治の私物化によって行政が歪められたという問題も根深いが、今回は、そうした不正の証拠を国民に知られないよう事実を書き換えてしまう、民主主義の根幹にかかわるものだからだ。刑事告発を受けるような案件で省庁が公文書を改ざんしていたという事件は過去に類がなく、戦後史上初めての重大な国家犯罪であることは間違いない。

 もちろん、前述したように、政府はなんとか責任逃れをしようと躍起になり、きょうの参院予算委でも暗に近畿財務局に責任を押し付けようとしたが、こんな犯罪的改ざんを近畿財務局だけでおこなうとは到底考えられない。しかも、繰り返すが、この改ざんが財務省、官邸主導でおこなわれた可能性は高いのだ。実際、きょうは野党議員たちが近畿財務局を訪れて説明を求めたが、近畿財務局の職員は「本省の許可がなければ何もできない」と答えたという。その本省とて、“昭恵夫人案件”のこの問題で、官邸の指示もなく勝手に暴走することはあり得ない。

 つまり、政府や官邸の主導でどんな事実も書き換えられるということがまかり通れば、なんでも政府の思うどおりに物事を進めていくことが可能になる。これでは北朝鮮と変わらない独裁国家であり、法の支配が機能しない無法国家と同じだ。

 これから安倍首相は、御用メディアや自分の応援団を動員して、改ざんを「大した話ではない」「近畿財務局の暴走」などと責任転嫁しながら、その一方で朝日新聞に対して「物証を出せ」と叫び、バッシングを加速させることで問題の本質を有耶無耶にしようとするだろう。そして、国民は国民で「いつまで森友をやるんだか」と思うかもしれない。だが、再度言いたい。今回の疑惑は、政治の私物化や官僚の忖度といった問題をはるかに飛び越えた、国を揺るがす重大犯罪事件だ。これを「森友は飽き飽き」と言って看過してお墨付きを与えれば、民主主義国家としての一線を踏み外し、本格的に「権力の不正を不正だと糾弾することのできない国家」「国民が権力の奴隷としていいなりにさせられる国家」になってしまうだろう。

(編集部)

「働かせ方改革」は、国民を偽るもの 

安倍首相が、「働かせ方改革法案」から、裁量労働制拡大の項目を削除するように指示したというニュースが一昨日夜遅く飛び込んできた。野党が連携し、国民を巻き込んだ運動を展開した成果だ。だが、まだ喜べない。その理由は・・・

一つには、同法案には、残業上限規制が設けられているが、それが過労死ラインを超える時間数になっている。具体的には、最大一日5時間。さらに、高度専門プロフェッショナル制度導入の問題がある。これを導入し、その対象・最低収入を拡大して行けば、裁量労働制と変わらぬことになる。裁量労働制でも、対象業種を拡大しようとした。高度専門プロフェッショナル制度でも同じことをするのは確実である。この法案全体、立法事実を欠くだけなく、財界にとって都合の良い制度設計になっている。全体を廃案にするしかない。

二つ目としては、この法案が政府・財界の意向で、産業競争力会議で立ち上げ閣議決定した、この「働かせ方改革法案」に対する労働側の対応だ。労働側の参加した労政審で、労働側が何故その法案を最終的に受け入れたのか。さらに、恐らく労働側の背後にいる連合幹部は、この法案を受け入れていた。労働者のために本当に考えて行動する労働組合組織がない。連合は、野党共闘も潰してきた。連合の幹部は、労働貴族になってしまっているのではないだろうか。連合幹部に総退陣してもらう、ないし新たに市民運動と共同する労組を立ち上げるべきだろう。

三つ目として、これほどのデータでっち上げを誰の指示で、誰が行ったのか。また、独法 労働製作研究・研修機構 JILPTという第三者機関に裁量労働制による労働状況の調査を依頼していた。その調査では、裁量労働により労働時間が長くなることが判明していたのに、それを労政審の審議等で用いなかった。そうした恣意的なデータ利用は誰が指示したのか、明らかにすべきだ。ただ、裁量労働制拡大を引っ込めればそれで済むと言う話ではない。

この裁量労働法制拡大の取り下げは、官邸ではなく、自民党の意思であったという。さくがに、これほど滅茶苦茶なことをしていると民心が離れると、自民党幹部は考えたのだろうか。彼らの意識には、きっと「消えた年金問題」の記憶がよみがえってきていたのだろう。これは「消えた年金問題」とは異なり、安倍政権の独断、虚偽に基づく犯罪的行為だ。安倍政権には、すぐにでも退陣してもらわねばならない。来年の参議院選挙に向けて、安倍政権の危険な体質を周囲に根気強く語って行かねばならない。

馬脚を現し始めた安倍政権「働き方改革」の正体 

安倍政権の掲げる「働き方改革」は、羊頭狗肉である。

残業時間上限規制があるが、それとて毎日5時間の残業までは例外的に認める。現在の労働基準法よりも労働側にとって厳しい。

高度プロフェッショナル制度、裁量労働制対象拡大により、実質上、残業時間規制はないに等しいものになる。

それに加えて、正規雇用者の労働条件の非正規雇用化、サラリーマンの控除縮小等、労働側にとって厳しい内容になっている。

こうした「働き方改革」を、なぜ連合は認めてしまったのだろうか。連合役員の労働貴族化、経営陣への取り込み等があるのではないか。連合は、野党共闘を徹底して潰してきた。それも、この「働き方改革」肯定と頸木を一にしている。連合の役員は総退陣すべきだ。

この「働き方改革」の提案は、滅茶苦茶なデータ、ないし捏造データをもとに行われてきたことが判明した。政府は、この法改正をすぐに取り下げるべきだろう。そして、国民を騙そうとした責任をとるべきだ。

国民は、政府により相当バカにされている。

以下、引用~~~

馬脚を現し始めた安倍政権「働き方改革」の正体/上西充子氏(法政大学キャリアデザイン学部教授)
2/17(土) 21:26配信 ビデオニュース・ドットコム

(C) ビデオニュース・ドットコム

 安倍政権が目指す「働き方改革」の危険性については、この番組でもかねがね指摘してきた。
(マル激トーク・オン・ディマンド第843回(2017年6月3日)『安倍政権の「働き方改革」が危険な理由』ゲスト:竹信三恵子氏(和光大学現代人間学部教授))

 安倍政権は一貫して労働者を保護するための労働法制の規制緩和を目指してきた。2015年にも「高度プロフェッショナル制度」の導入や「裁量労働制」の拡大などを目指して法案を提出したが、野党から「残業ゼロ法案」と叩かれ、世論の反発を受けるなどしたため、成立を断念している。

 しかし、今国会に提出された「働き方改革」関連法案は、過去に実現を目指しながら挫折してきた労働者保護法制の規制緩和はそのまま踏襲しておきながら、労働側の長年の「悲願」ともいうべき残業時間の上限規制という「アメ」を含んでいるため、過去の「残業ゼロ法案」や「ホワイトカラー・エグゼンプション」のような一方的な規制緩和という批判を巧みにかわすような立て付けになっている。

 実際、安倍首相も今国会を「働き方改革国会」と位置づけた上で、所信表明演説で、「戦後の労働基準法制定以来、70年ぶりの大改革」、「我が国に染みついた長時間労働の慣行を打ち破る」などと大見得を切っている。

 確かに今回一括審議されている8法案の中には、残業時間の上限を設ける労働基準法改正が含まれている。現行の労働基準法にも残業の上限は設けられてはいるが、労使で合意した上で、いわゆる「36(サブロク)協定」を結べば上限を引き上げることができる抜け穴があるほか、サービス残業による長時間労働が常態化していることも否めない。

 しかし、労働法制に詳しい法政大学の上西充子教授は、「上限規制」という言葉に騙されてはならないと警鐘を鳴らす。

 確かに今回の法改正には残業について罰則つきの上限が設けられているが、残業の上限を基本的には月45時間と定めておきながら、例外的に月100時間までの残業が認められ、年間の残業時間の上限も720時間まで認められる。月100時間の残業をするためには、毎日平均して5時間残業することになる。抜け穴が多いとされる現行法でも、残業が年360時間を超える場合には36協定が必要とされていることを考えると、毎日最低でも5時間の残業を前提とするこの上限値で長時間労働の打破と言えるかどうかも、よく考える必要があるだろう。

 しかし、今回の法改正の最大の問題点は「残業時間に上限を設ける」ことで労働側に一定の配慮を見せるかのような体を繕いながら、実際は「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」の導入や「裁量労働制」の対象拡大によって、事実上、残業時間の上限自体を無力化させる制度変更が含まれている点だと上西氏は指摘する。高プロや裁量労働は、事実上勤務時間自体に定めがないため、残業が無制限に許容される恐れがある。この対象が拡大されれば、労働基準法上の残業の上限規制など何の意味も持たなくなる。

 しかも、今回、労働組合側は長年の悲願だった「上限規制」が導入されることと引き換えに、事実上の上限規制の抜け穴となる高プロの導入や裁量労働の拡大を含む法改正に同意してしまっている。

 他にも、今回の働き方改革は「同一労働同一賃金」「働き方に左右されない税制」などの文字が並ぶが、その中身は「同一労働同一賃金」の方は非正規雇用者の雇用条件の改善よりも正規雇用者の待遇の低下を、「働き方に左右されない税制」はサラリーマンの所得控除の縮小を意味しているなど、見出しと内実がかみ合わない両義性を含んでいることを、上西氏は指摘する。

 正社員と非正規労働者の待遇に不合理な格差があったり、過労死自殺が後を絶たないような現在の日本の労働環境に改革は必須だ。しかし、その問題意識を逆手に取るような形で、一見労働者の側に立っているかのようなスローガンを掲げながら、実際は労働者の待遇をより厳しいものに変えていこうとする現在の政権のやり方には問題が多い。目くらましのための「アメ」をまぶすことで、その実態を意図的に見えにくくしているようにさえ見える。

 そもそも首相が戦後の大改革と胸を張る「働き方改革」は誰のための改革なのか。今国会の審議で明らかになってきた安倍政権の「働き方改革」の実態と、それが働く者にとってどんな意味を持つのかなどについて、上西氏とともにジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。

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上西 充子(うえにし みつこ)
法政大学キャリアデザイン学部教授
1988年東京大学経済学部卒業。95年同学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学、労働政策研究・研修機構研究員などを経て2003年より法政大学キャリアデザイン学部専任講師。13年より現職。共著に『大学生のためのアルバイト・就活トラブルQ&A』、『ブラック企業のない社会へ―教育・福祉・医療・企業にできること』など。
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国による、国民の財産の簒奪 戦後の預金封鎖の実態 

対GDP比の政府債務が、第二次世界大戦中と同程度に悪化し、直近の数値では240%前後になっている。安倍政権のGDPかさ上げがあることを考えると、もっと悪化している可能性が強い。これは、先進国中で最悪の値である。これは6年前のデータに基づくものだが、図1を見ると、戦慄が走る。こちら。

安倍政権になってから、政府債務は160兆円膨らんだ。日銀に莫大な金を発行させ、政府は財政規律が緩みっぱなしである。

その後始末をさせられるのは、国民である。以前から記している通り、何らかの方法でハイパーインフレを起こす、または/かつ、債務不履行を行うという方法しか、この債務からは逃れられない。いずれにせよ、国家が国民の財を奪うことになる。戦後、預金封鎖が行われた。その記録がこちらである。

預金封鎖

これと同じことが行われるかどうか分からないが。国民の財、将来の財が、国によって強制的に簒奪されることだけは確かである。

改憲により、自民党は、緊急事態条項を憲法に記載することを予定しているらしい。もしかすると、それが改憲の一番の目的なのかもしれない。この2、3年の間に、必ず日本経済は落ち込む。それを突破するのに、この預金封鎖、それに等しい政策を取らざるを得なくなる。その危機的状況を突破するために、首相に全権力を付与する緊急事態条項を成立させようとしているのかもしれない。緊急事態条項は、戒厳令と等価だ。

自民党による、その改憲の方針が、来月下旬にも決まる。

異次元金融緩和は失敗 

異次元金融緩和は、円安をもたらし、大企業の一部輸出企業だけは潤した。だが、マネタリーベースが伸びただけで、経済活動にかかわるマネタリーストックは殆ど伸びていない。日銀の当座預金に積みあがったままだ。また、貸出金利低下により銀行の財政に打撃を与えている。わが国のGDPの6割は内需によるものとされており、金融緩和は景気を回復させたとはとても言えない。政府の公表するGDPは、「かさ上げされたもの」だった。

かの日経新聞でさえも、金融緩和が失敗であるという論調で書き始めた。

この金融緩和は、物価値上がり、バブル惹起と崩壊により、一般国民を直撃する。

以下、引用~~~

金利ゼロ%台融資、6割超 揺らぐ銀行ビジネスモデル
【イブニングスクープ】
経済 金融機関
2018/2/15 18:00日本経済新聞 電子版

 日銀がマイナス金利政策を導入して2年、銀行を起点にした金融システムのひずみが目立っている。銀行の貸出金利は下がり続け、2017年末の貸出金残高のうち金利0%台の融資は全体の62%に拡大。金融緩和が景気を下支えする効果は大きいものの、企業の資金需要を引き出すには至らず、銀行業績を下押しする面が目立つ。利ざやで稼ぐ伝統的な銀行のビジネスモデルは抜本見直しを迫られている。

安倍首相は、フェイクを垂れ流す 

裁量労働制の拡大の根拠としていたデータのでっち上げだけでなく、他にもこの政権はフェークを量産している。

〇まず重大なフェイクとしてあげられるのは、安保法制導入時に安倍首相が、その必要性を説明した事案。邦人が海外(おそらく朝鮮半島を想定している)で有事に巻き込まれたときに、米軍が助けてくれる。その米軍を援護するために自衛隊が出動する。それに集団的自衛権の行使が必要になる、という漫画での説明だ。米軍は、そのような状況では他国の市民を助けることはない。実際、この法制を根拠に行われたことは、北朝鮮に展開する米軍艦船の防護であった・・・これは、北朝鮮と米国に軍事衝突が起きたら、我が国を紛争当事国にする危険な軍事行動であった。こうした軍事行動関連のフェイクは、安倍政権にはゴマンとある。

〇GDPの「かさ上げ」も、その一つ。2015年度までの実質GDP成長率は、平均年2.5%との触れ込みだったが、それがGDPのかさ上げを毎年繰り返してきたことによる事実が、明石順平氏の仕事で明らかにされた。

直近の四半期GDP成長率から年の成長率を計算すると、0.5%とガタッと落ちている。この極端な低下を説明できる経済事象はない。あまりに不自然な動きで、当局が批判された「かさ上げ」をこっそりと縮小した可能性が高い。

〇最近明らかになった「下町ボブスレー」騒ぎなども同様の事象だ。内閣府は、「クールジャパン」という扇動的国家主義の宣伝に数百億円の予算を費やしている。その多くが、この「下町ボブスレー」と同じような惨めなことになっている。そもそもクールかどうか判断するのは、外国の方のはず。それを政府が中心になってやるところが、おかしく、哀しい。

〇つい先日、自公推薦候補が当選した名護市長選挙でも、その候補の応援に入った小泉進次郎・山本一太等によってフェークニュースが流された。こちら。小泉進次郎や、河野外務大臣等、二世、三世の政治家は、本当のことを言う見識も度胸もない。これまた世継ぎ政治家たる安倍首相にベッタリである。

フェイクを垂れ流す政治は、posttruth政治である。ブライトバートによって大統領選挙を勝ち上がったトランプがその代表格の政治家だ。安倍晋三首相もフェイク度合いに関しては、トランプに負けてはいない。