緊急事態条項 

安倍首相が突然言い出した改憲。9月までに改憲案を作るらしい。3か月間未満だ。議員数で力任せに改憲に突き進む姿勢だ。

四つの改憲項目中に、緊急事態条項が含まれている。これはいわば戒厳令であり、内閣に超法規的な命令を出す権限を与えるものだ。ナチスが権力を握ったのも、同じ条項による。

緊急事態条項は、直接的に国の将来を左右する問題であり、このブログでも何度か取り上げた。例えば、こちら。

内閣、端的に言えば総理大臣に、全権を委任し、憲法を停止するのが、緊急事態条項だ。総理大臣に究極の権力を付与し、国民の基本的人権は徹底して抑圧されることになる。改憲の基礎になると思われる自民党改憲草案の99条3項にある、基本的人権の尊重は「最大限」という形容がついている。状況によっては、基本的人権は尊重しない、と言っているに等しい。社会秩序の混乱を理由に、基本的人権が抑圧される可能性が極めて高い。

安倍首相は、改憲の第一に、緊急事態条項を実現することを過去に言明していた。緊急事態条項を実現すれば、憲法はあってなきがごときものにすることができるからである。

さて、ここまで痛めつけられることが想定される国民は、諾々として究極の痛苦を受け入れることになるのだろうか。それとも、痛みが現実にならないと、究極の痛苦が分からないのか。

以下、引用~~~

自民党憲法草案 緊急事態条項

第九十八条
内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる。


緊急事態の宣言は、法律の定めるところにより、事前又は事後に国会の承認を得なければならない。


内閣総理大臣は、前項の場合において不承認の議決があったとき、国会が緊急事態の宣言を解除すべき旨を議決したとき、又は事態の推移により当該宣言を継続する必要がないと認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、当該宣言を速やかに解除しなければならない。
また、百日を超えて緊急事態の宣言を継続しようとするときは、百日を超えるごとに、事前に国会の承認を得なければならない。


第二項及び前項後段の国会の承認については、第六十条第二項の規定を準用する。
この場合において、同項中「三十日以内」とあるのは、「五日以内」と読み替えるものとする。

第九十九条
緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところにより、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる。


前項の政令の制定及び処分については、法律の定めるところにより、事後に国会の承認を得なければならない。


緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない。
この場合においても、第十四条、第十八条、第十九条、第二十一条その他の基本的人権に関する規定は、最大限に尊重されなければならない。


緊急事態の宣言が発せられた場合においては、法律の定めるところにより、その宣言が効力を有する期間、衆議院は解散されないものとし、両議院の議員の任期及びその選挙期日の特例を設けることができる。

国家戦略特区は、「お友達」に利益を与えるための施策 

日本会議が直接絡んでいるかは別にして、仲間内で利権を共有していることだけは確かだろう。中心にいるのは安倍首相だ。

獣医学部新設は、人動物感染症の研究拠点を作ることではないのはもちろん、地方創生のためではない。

国家戦略特区とは、やはり一部の人間・組織が利益をえるための施策のようだ。

以下、引用~~~

森友問題に酷似 加計疑惑にも浮上した「日本会議」の線

2017年06月07日 09時26分 日刊ゲンダイDIGITAL

 来春、愛媛県今治市に開校予定の加計学園の岡山理科大獣医学部。加計孝太郎理事長と安倍首相は40年来の親友で、新設計画に「総理のご意向」が働いたのではないかと、国会で連日追及されている。首相と昵懇の一部のお友達においしい話がもたらされる構図は森友問題とソックリなのだが、ここに来て、別の疑惑が急浮上し始めた。甘い汁を吸っている連中が右派組織「日本会議」でつながっている疑いだ。

 岡山理科大獣医学部の建設地は今治市が36億7500万円相当の市有地を無償譲渡し、総事業費192億円のうち最大96億円を市と愛媛県が負担する。ところが、キャンパスの工事を請け負うのは岡山市が本社の「アイサワ工業」など、地元とは縁もゆかりもない建設業者2社。おこぼれにあずかれない県内業者からは怨嗟の声が上がっているという。

 なぜ今治市に開校する大学の新設工事に地元業者が絡めないのか。調べてみると、浮かんできたのが右派組織「日本会議」の存在だ。6日発売の「週刊朝日」は、獣医学部新設の必要性を訴えてきた菅良二今治市長と加戸守行前愛媛県知事は、安倍首相と同じく「日本会議」の活動に参加してきた共通点があると指摘している。

 奇妙な点はこれだけじゃない。アイサワ工業の逢沢寛人社長は、日本会議国会議員懇談会メンバーの逢沢一郎元外務副大臣のいとこ。いわばファミリー企業だ。さらに言えば、安倍の「腹心の友」の加計孝太郎理事長は“日本会議の別動隊”といわれる育鵬社の教科書発行団体「教科書改善の会」の賛同者に名を連ねる。系列の岡山理科大付属中では実際に歴史修正主義的な育鵬社の教科書を歴史と公民で使用している。

 森友学園の籠池泰典前理事長も日本会議大阪の運営委員だった。こうも偶然が重なると、加計学園の獣医学部新設も日本会議マターとの疑念が生じてくる。

 果たして、逢沢元副大臣は日本会議とのパイプを生かし、いとこが経営するアイサワ工業が工事を受注できるよう、加計学園に働きかけたのか――。逢沢氏を直撃した。

「そうした事実はございません。私は日本会議国会議員懇談会メンバーになっているかもしれませんが、何か特別な活動をしているわけではないし、熱心な会員という自負もございません。実は、岡山市が選挙区の私と、岡山に本部がある加計学園は以前からお付き合いがございます。いとこのアイサワ工業が加計学園に関係する工事を受注するのも、今治市の新設工事が初めてではありません」

 加計学園の取材を続けているジャーナリストの横田一氏が言う。

「加計学園に無償譲渡された土地代と建設費の原資は、言うまでもなく今治市民と愛媛県民の税金です。無関係の岡山県の建設業者においしいところを持っていかれ、ちっとも潤わない愛媛県内の建設業者から聞こえてくるのは嘆き節です。一部のお友達や教育的思想を共有する仲間には至れり尽くせりなのに、地元を冷遇する点は国家戦略特区の『地方創生』の趣旨にも反します

 いいようにむしり取られている愛媛県民はもっと怒った方がいい。

国家戦略特区は、特定政治家・民間人の利権のため 

第二次安倍政権になって、竹中平蔵氏等が国家戦略特区を作った。竹中平蔵氏は、小泉政権時代の構造改革特区を利用して、労働者派遣法を改悪、それによって労働者派遣業で巨利を貪ったパソナの会長に収まっている。利益相反の行動をとった人物が、竹中平蔵氏である。

国家戦略特区は、ボトムアップだったそれまでの経済特区とは異なり、トップダウンである。

国家戦略特区のワーキンググループには、同特区によって利益を得る民間人が入っている。

国家戦略特区の審議会議事録は4年間秘匿される。4年後、国家の利益に不都合があると判断される場合は、秘匿が続けられる。

以上より、国家戦略特区は、特定政治家・民間人の利権のために作られたと考えざるを得ない。そうでないということを証明するのは、政府の責任だ。

この制度設計、制度内容は、民主主義の公平性、公正さに反する。

『出所不明の怪文書』という言い逃れ 

加計学園獣医学部新設を安倍首相の意向だとして文科省に強要する文書がしばらく問題になっている。首相が、国家戦略特区という規制緩和の行政政策を利用して、身内に便宜を図ったという重大な疑惑の結末を左右する文書だ。

菅官房長官等政府の見解は、「出所不明の怪文書だ、文科省の高等教育担当部門の行政文書には当たらない、出所不明の文書をさらに調査するつもりはない」というスタンスだ。一方、前川前文科省事務次官がその存在を証言し、さらに文科省の現場の複数の職員からも共有フォルダ―にそれがあると証言されている(政府は、内部告発を握りつぶすつもりのようだ。勇気ある職員が、人事異動で政権からひどい扱いを受ける可能性がある・・・これも重大問題)。

出所不明だからこそ調査すべきではないか。出所や、入手経路が明らかでない文書は調べないというのは、それを隠匿するという意思表示と同じだ。行政業務過程を明らかにすることは、行政の公平性、公正さを担保するうえで、必須だ。安倍政権は、それを敢えて行わない。この文書が真正のものであるとなるとまずい、即ち、安倍首相が加計学園獣医学部新設決定に重要な働きかけをしたことがばれる、ということなのだろう。それで、あくまでこの文書が存在することを否定しているわけだ。結論はすでに出ている。安倍首相が権力にものを言わせて、国家戦略特区という隠れ蓑を用いて、国の行政を歪めたということだ。

「あるものを無いと言い張る」安倍首相は、もう退陣してもらう他ない。彼は、民主主義を踏みにじっている。

以下、引用(小口幸夫弁護士のtweetから)~~~

出どころや入手経緯が明らかでないから答弁をしない、控えさせていただきます、調査しません、というのは、一体全体どういう理屈なのでしょうか。意味がわからないのですが。見苦しいの一言です。

いかに見苦しいかは、妻が夫に、浮気写真を突きつけた場面や、昨日キャバクラに行ったこと詰問している場面を想像してみるとわかると思います。

細かく説明しますと、
1 取材源の秘匿というのが認められています。取材源が明らかでないから答えない、というのは、取材源の秘匿の侵害です。

2 国会での質問も同じです。情報源の秘匿が認められなければ、国会質問は機能しません。この秘匿の侵害であり質問権の侵害でもあるでしょう。

3 国民の知る権利が思いっきり侵害されていることは言うまでもありません。答弁しません、控えさせていただきます、などというのは、国民への背信行為です。

4 裁判所に証拠を提出する際、証拠説明書や証拠等関係カードというものをだしますが、そこにも、出どころや入手経緯を記載する欄はありません。裁判でさえ、そんなことを示すことは求められていないということです。

5 唯一、証拠の入手方法に違法行為が含まれていたときだけ、入手方法がテーマになります。しかし、これとてそう簡単にはいきません。
弁護士が法廷で「その証拠は違法収集証拠だ!」と叫んでも、冷たい目で見られるのがデフォルトです(涙)。実質的には、反対側に違法行為が含まれていることの立証を求められますし、仮に違法行為があったとしても、証拠自体は排除されないことがほとんどです。なんせ、そこに違法行為があったときでも、証拠は証拠ですからね。

「印象操作」 

印象操作とは

Impression management is a conscious or subconscious process in which people attempt to influence the perceptions of other people about a person, object or event. They do so by regulating and controlling information in social interaction.

とあるように、社会生活で個々の人間が個人・物事を他の人間が感知することに影響を及ぼそうと、意識的ないし無意識に行われる過程のようだ。本来の社会心理学的意味合いは、個々の人間が、他の人間にある定まった印象を与えるように、自らの言動、姿かたち等を制御することを意味するらしい。

安倍首相は、この言葉を頻用する。本来の印象操作とはいささか異なる用い方をする。彼は、「漠然としたレッテル張り」と相手を非難する際に用いる。本来の印象操作は、個々の人間が相手に与える自らの印象を操作するということなのだが、安倍首相は論戦で突っ込まれた際に、「反撃」するために用いる。ここで重要なのは、相手の質問を受け付けない、それにまもとに答えぬことを意味しているということだ。議論以前の幼稚な決めつけだ。

安倍首相は、国会論戦で、尋ねられていないことを長々と話すことがたびたびある。これも、相手の質問には答えぬという意思表示であり、国会論戦の貴重な時間を無駄にしていることになる。

相手を印象操作であると決めつけることと、尋ねられていないことを長々話すことの二つが安倍首相の国会論戦術なのだ。この国会での彼の態度には、議論を力づくでやり過ごそうという没知性を感じざるを得ない。

このようなリーダーを頂くわが国は不幸なことだ。

かの竹中平蔵が、国家戦略特区創設を主導した 

報道特集が、前川前文科省事務次官へのインタビューを主体に、加計学園疑惑について報道している。こちら。

内閣府官僚から文科省へ圧力があり、それが安倍首相の意向だとした文書の存在が、文科省のなかからすでに証言されてきている。この問題は、基本的に解決した。あとは安倍首相が、どう責任をとるのか、という問題だ。

この番組の中で、注目されるのは、国家戦略特区という上から経済特区を指定するシステムは、竹中平蔵氏が提唱したということだ。竹中平蔵氏は、小泉政権時代に規制緩和を目指すとして、労働者派遣法の改定を進めた。その結果、雇用条件が不安定な非正規雇用の拡大を招いた。現在、非正規雇用は全体の雇用の4割にもなっている。竹中平蔵氏は、労働者派遣業で巨利を貪り、政商とも言われるパソナの会長に収まっている。自らの推進した「規制緩和」によって、自らが利益を収める、構図の見事な体現者なのだ。

その竹中平蔵氏が、加計学園の獣医学部新設について強調していたのは、
〇加計学園理事長と、安倍首相が親しい関係であることは知らなかった・・・(これを三回繰り返していた・・・ペテロのイエスの否認を思い起こさせる)。竹中平蔵氏とパソナの関係を安倍首相が知らなかったということに等しい。虚偽そのもの。
〇加計学園獣医学部は、石破地方創生相のもとで決められていた獣医学部新設の四条件を満たしている・・・そのような文言は、審議会の議事録にはない。実際、四条件が無視されて、加計学園獣医学部新設が決められたことは、内容を見れば明らか。
ということだった。

桜井充氏の質疑では、国家戦略特区のワーキンググループに、神奈川の医療機関理事長が入っており、その医療機関が国家戦略特区の指定を受けて、病床規制から外されたことも明らかにされている。

かように、規制緩和という表向きの形を取りながら、国家戦略特区が特定個人・組織の新たな利権に結びついている。加計学園疑惑では、そうした身内への利権誘導に、安倍首相が直接関わったということだ。

人格攻撃をする政権 

前川前文科省事務次官の証言が公開される直前、読売新聞が同氏の「出会い系バー」通いを「スク―プして」、社会面の一面に掲載した。それと時を同じくして、菅官房長官は、この件をあげつらい、さらに彼の事務次官退任の際にそのポジションに恋々としていたとして、前川氏の人格攻撃を行った。人格下劣であるから、前川氏の言葉は信用できない、という世論を作るつもりだったのだろう。

だが、その後の経過は、読売新聞、菅官房長官の意図とは逆の方向に進んでいる。読売新聞には、抗議が殺到しているらしい。こともあろうか、それに社会部部長が紙面で反論をしていた。反論と言っても、何も目新しいことはなく、(官邸の警察官僚から情報を流してもらったのではなく)ちゃんと取材したという根拠のない内容だった。その反論記事が、読売新聞への「批判はまったく当たらない。」という文章で始まっている。そうだ、菅官房長官の十八番の頭ごなしの否定の文句である。もしかすると、菅官房長官が原稿を書いたのかも、と思わせる文面である。

読売新聞と菅官房長官の人格攻撃は、根拠がない。政治行政の私物化が問われている、森友加計問題と本質的に何の関係もない。権力を持つ政権が、歯向かう者・抵抗する者・批判する者に対して、このように卑劣な牙を向けるやり方は、必ず国民にも行う。それを法制化するのが、共謀罪法案の本質だろう。

以下、「田中良紹のブログ」より引用~~~

 6月2日付Yahooニュース 読売新聞は「週刊文春」報道にどう応えるのか(田中良紹)

加計学園の認可問題を巡り、文科省が安倍官邸から圧力を受けていたことを明らかにした前川喜平前事務次官の告発に対し、安倍官邸は前川氏が「歌舞伎町の出会い系バー」に通っていたことを読売新聞に書かせそれを反撃の切り札にした。
前川氏の身の下問題を暴露する人格攻撃で前川証言の信ぴょう性を疑わせようとしたのである。この手の人格攻撃は権力の常套手段だが、リーク先に選ばれるのは通常「週刊文春」か「週刊新潮」である。それが今回は読売新聞という一般紙にリークされた。ニュースとは言えないゴシップが一般紙の社会面を飾ったのはおそらく初めてのケースである。

極めて珍しいケースだけにまず私はどういう事情で安倍官邸が読売に書かせたのか、その裏舞台を探れば安倍政権の置かれている現状が明らかになると思った。そして同時に驚かされたのが菅官房長官の記者会見である。

薄ら笑いを浮かべながら「教育行政のトップが出会い系バーに行き小遣いまで与えていたことに、国民のみなさんもそうでしょうが極めて違和感を感ずる」と発言した。私はかつて中曽根内閣時代に後藤田官房長官の番記者をやった経験がある。その経験からしてこの記者会見に極めて強い違和感を覚えた。

官房長官とは総理大臣を支える女房役であると同時に霞が関の行政機構を統括する内閣の要である。米国で言えば副大統領と大統領報道官を合わせたような重要な役職を担う。身の下問題を暴露して相手を攻撃するような下賤の仕事はしない。
後藤田官房長官は中曽根総理が米国の要請を受けペルシャ湾に日本の海上自衛隊を派遣し機雷掃海に従事させようとしたとき、身を挺して派遣に反対し中曽根総理を翻意させたことがある。官房長官はただの総理の使い走りではなく国家の命運を総理と同等のレベルで考える人間なのである。

ところが菅官房長官は安倍総理の「お友達への特別待遇」に疑惑が生じているとき、その疑惑にまともに応えようとせず、まるで総理の使い走りであるかのように低レベルの身の下攻撃を鬼の首を取ったかのように会見で語った。

その姿に私は菅官房長官の人間としての浅ましさ、同時に官房長官という役職にある者の発言とは思えない違和感を覚えた。政治未熟児の安倍総理とは異なり、これまで何度もまともな判断を下してきたと思っていただけに、この会見で私の菅官房長官に対する評価は一変した。この程度の人間が官房長官の地位にあることに国家の行く末が案じられる。

私は前川前事務次官の「出会い系バー通い」が身の下問題であったとしても、それで今回の告発が信用に値しないことにはならないと考えていた。ところが1日発売の「週刊文春」が「出会い系バー」の女性に取材したインタビュー記事を掲載した。それを読むとこれは全く身の下問題ではない。

記者会見で前川氏は「出会い系バー」に行った理由を若者の貧困問題に対する関心からだと語り、それを大方の人間は「ふざけるな」と疑っていたわけだが、記事は前川氏の発言を裏付けている。前川氏に相談していた女性は「前川氏によって救われた」と語り、女性の両親も前川氏がこの問題で攻撃を受けていることに同情しているというのである。

記事の通りならそれはむしろ美談である。決して菅官房長官が勘ぐる汚らしい話ではない。記事の裏付けが取れれば菅官房長官は不明を愧じ前川氏に謝罪しなければならない話だと思う。記者会見であれだけのことを言ったのだから菅官房長官は当然裏付けを取り、適切な対応をすべきである。

そして官房長官以上に問題なのは社会面で大きく報じた読売新聞である。読売の社会部といえば昔は一目置かれる存在だった。前川氏が通う歌舞伎町の「出会い系バー」を取材したのであれば当然「週刊文春」が取材した女性を取材しているはずである。前川氏と最も関係のあった女性に取材もしないで新聞社が記事を書くはずはないからだ。

取材をしていながら読売新聞が「週刊文春」が書いた内容を記事にしなかったのはなぜか。結果として読売新聞と「週刊文春」とではまるで印象が異なる。「週刊文春」が事実と異なる印象操作をしているのか、それとも読売新聞が印象操作をしているのか、その黒白をつけてもらいたい。そうでないと国民はフェイクニュースに迷惑させられる。

もし仮にその女性に取材しないまま記事にしたというのなら新聞として大問題である。「週刊新潮」は官邸から読売にリークがあったと報じているが、それなら読売新聞は官邸の言う通りにフェイクニュースを掲載したことになる。

読売新聞が自らを「社会の公器」と位置付けているのであれば経緯を国民に説明する義務がある。それが出来なければ「社会の公器」をやめて読売新聞はイエロー・ペーパーを自認することだ。

安倍総理はまだこの問題で自分が「印象操作」されていると被害者面で強弁している。しかし「週刊文春」の記事の通りならを前川氏こそ「印象操作」の被害者である。前川氏に対する「印象操作」を行ったのは誰か。勝手に読売がやったと言うつもりか。
菅官房長官は杉田和博内閣官房副長官が前川氏に「出会い系バー通い」を厳重注意したと語っている。つまり警察出身の官房副長官は以前から「出会い系バー通い」を知っていた。ありうるのはやはり官邸による「印象操作」である。その頂点がいかにも嬉しそうに前川氏を批判した菅官房長官の記者会見だ。

これらすべては「週刊文春」の記事に誤りがない前提での話である。読売新聞を使って「印象操作」をやってしまったばっかりに「週刊文春」も「週刊新潮」もこの問題では官邸に冷ややかである。官邸はこれからどう対応していくのだろうか。まさか「共謀罪」をちらつかせて週刊誌を委縮させようとはしないだろうね。

国会議員に民意を伝えよう 

対テロ対策法案という名の共謀罪法案が、国会で成立しかねない情勢だ。地域選出の国会議員、この法案に賛成している国会議員に、反対の意思表示をしよう。FAX・電話・ウェブからのメールいずれでも良いだろう。こちらに、国会議員の一覧・連絡先がある。

金田法相は、治安維持法は適法であり、治安維持法で無垢の罪に陥れられた人々に賠償する必要はない、と述べた由。おそらく、それが安倍政権の意思なのだ。

今の大人は、そう遠くない将来退場することになるが、できた法律は存続し、次の世代を苦しめることになる。

次の世代に、このような負の遺産を残すべきではない。

国家戦略特区の闇 

桜井充議員の質疑。国家戦略特区が、いかに少数のいかがわしい連中によって決められているか、閣議決定である石破四条件を無視して加計学園獣医学部新設が決められたかが明らかにされている。国家戦略特区のワーキンググループに入っている人間が、自分の利権のためにこの制度を悪用していることも示されている。少し長い議論だが、一聴の価値あり。

郵便値上げの本当の理由 

日本郵政が大幅な値上げをする。ハガキなぞ20%ほどの値上げだ。この実質的にデフレが続く時代にこれだけの値上げをする理由は、低収益体質の郵便事業で収益を上げるためだそうだ。この値上げにより数百億円の収益増を見込むとある。

だが、この値上げの理由は、オーストラリア物流会社を買収して失敗し、4000億円の減損損失を計上したためなのではないか。その元凶は、東芝も実質経営破たんに追い込んだ西室泰三氏であり、その背後にいるわが国の政府であることを以前のポストに記した。こちら。

日本郵政は、経営の失敗のツケを国民に回してきたわけだ。その安易な経営体質は今後も続く。