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TBS「サタデージャーナル」突然中止 

土曜日早朝TBSテレビで放映されていた、サタデージャーナルが、突然今月いっぱいで打ち切りと報じられている。

この番組は、MCの上田晋也始め出演者が、もっともな時事時評を繰り広げていた。政権批判を鋭く行っていたが、その内容は納得できることばかりだった。

こちら。

TBSラジオのデイキャッチといい、この番組といい、「真実」を伝える貴重な番組だった。

こうした番組を消せという圧力が、政権側からかかっていることは容易に想像がつく。このままで行くと、大本営発表のように成り下がったNHKのようなマスメディアばかりになってしまう。マスメディア上層部が毒饅頭を食わせられているのか、マスメディアで働く者が、持てる者、上級国民に成り下がったためなのか。長い目で見ると、こうしたマスメディアの自殺行為だと思うのだが・・・。

マスメディアが、政治権力と近づき、政治権力に支配される社会は、歪な全体主義国家の社会となる。


国連報告者 わが国のメディアの危機を報告 

自民党改憲草案は、国民の基本的人権・主権を抑え、公権力が優先する社会を目指すことをはっきり述べている。その先駆けとして、安保法制・特定秘密保護法・共謀罪法等を、現政権は成立させた。今月から、警察が通信傍受を単独で行うことになり、その歯止めが実質上ないことが危惧されている。

国連報告者のDavid Kaye教授は、メディアの独立性の側面から、そうした日本社会の変質に警鐘をならしている。彼は、米国カリフォルニア大学アーバイン校で国際人権法の教鞭をとる研究者だ。

後の世代が、現在の社会状況を見た時に、国民の個としての人権を抑圧する方向に、わが国政府が大きく舵を切ったと述べることになるのではないだろうか。現在の国民には、その危機意識が乏しい。

東京新聞より引用~~~

日本メディアの独立懸念 国連報告者「政府は勧告未履行」

2019年6月5日 夕刊

 【ジュネーブ=共同】言論と表現の自由に関する国連のデービッド・ケイ特別報告者が、日本では現在もメディアの独立性に懸念が残るとする新たな報告書をまとめたことが四日分かった。日本の報道が特定秘密保護法などで萎縮している可能性があるとして同法の改正や放送法四条の廃止を求めた二〇一七年の勧告を、日本政府がほとんど履行していないと批判している。

 報告書は六月二十四日開幕の国連人権理事会に正式に提出される予定。

 報告書によると、日本政府が放送局に電波停止を命じる根拠となる放送法四条は効力を持ち続けており、事実上、放送局への規制になっていると指摘。政府に批判的なジャーナリストらへの当局者による非難も「新聞や雑誌の編集上の圧力」と言えるとした。「政府はジャーナリストが批判的な記事を書いても非難は控えるべきだ」としている。

 ケイ氏は一七年に公表した対日調査報告書で、日本政府に十一項目を勧告。勧告に法的拘束力はないが、政府は不正確な情報に基づくと反論していた。ケイ氏は調査の結果、九項目が履行されていないとしている。

◆勧告11項目と履行状況
 デービッド・ケイ特別報告者が日本政府に勧告した十一項目の主な内容と履行状況に関する評価は次の通り。

 (1)政府による介入の根拠となる放送法四条の廃止=未履行

 (2)歴史的出来事に関し教材で示された解釈に対し介入しない=未履行

 (3)教科課程の作成過程の完全な透明化を保証する=一部履行

 (4)国連の真実・正義などに関する特別報告者の訪日の招請=未履行

 (5)政治活動を不当に制限するような公選法上の規定を廃止する=未履行

 (6)特に沖縄における平和的な集会と抗議の権利を保障するために、あらゆる努力をする=未履行

 (7)特定秘密保護法で安全保障上問題なく公益に資する情報については、開示しても処罰されない例外規定を設ける=未履行

 (8)公益に資する情報の報道を促進する社会的規範の原則づくりを進める=評価できるだけの十分な情報がない

 (9)特定秘密保護法の執行が適切に行われるように、専門家による監視組織を設置する=未履行

 (10)広範に適用できる差別禁止法を制定=未履行

 (11)将来的に通信傍受に関する法律を制定するに当たっては、独立した法機関の監視下で、極めて例外的な場合にしか、通信傍受は行わないと明記する=未履行

◆沖縄抗議への圧力批判 山城氏有罪 表現の自由萎縮恐れ

 【ジュネーブ=共同】デービッド・ケイ特別報告者の報告書は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設への抗議活動などに日本の当局が圧力を加えたり、過度に規制したりし続けていると批判した。

 特に抗議活動に絡み威力業務妨害などの罪に問われた沖縄平和運動センターの山城博治(やましろひろじ)議長に対し懲役二年、執行猶予三年の刑が確定したことについて、表現の自由の権利行使を萎縮させる恐れがあるとした。

 報告書は、山城氏が長期間拘束されたことに国連の特別報告者や恣意(しい)的拘束に関する作業部会が国際人権規約違反などとして日本政府に是正を求めたと指摘した。

 その上で、集会と表現の自由は「密接に関連し、互いに補強し合っている」と強調した。

田中龍作氏の安倍首相「やらせ」報道、自由報道協会賞受賞 

田中龍作氏に自由報道協会賞が授与された。

こちら。

授賞理由になった、安倍首相のやらせ報道に関する記事は

こちら。

政治は、マスコミを利用するのを常としているが、安倍政権では、それがことに酷い。国会を軽視し、選挙のためであれば、何でもやる。この中国地方の豪雨災害に際しての、安倍首相の被災者慰問は、マスコミを利用した典型的な「やらせ」であった。豪雨被害当時、赤坂で自民党議員と飲み会を開き、その後2,3日、安倍首相は全く災害対応をとらなかった。この「やらせ」は、それに対する批判が強まり、災害後6日してからようやくとった行動である。

このような政権、安倍首相のやり方を批判的に報道するマスコミが皆無になっている。田中龍作氏には、政権に批判的なスタンスで報道を続けてもらいたいものだ。

NHKの劣化 

昨日、天皇皇后が伊勢神宮を参拝したことを伝えるNHKの報道・・・

両陛下は、午後には、皇室の祖先の「天照大神」がまつられる伊勢神宮の内宮にそれぞれ参拝されました。

確かに、NHKでは時計が逆回転をし始めているようだ。

この次には、皇室は神を祖先に持つと言い出すことだろう。

「クロ現」国谷キャスターを下ろした、当時のNHK放送総局長が、専務理事に復帰 

NHKのテレビで夜7時のニュースのあと、優れた報道番組が23年間続けられていた。「クローズアップ現代」である。キャスター国谷裕子氏は、能力のあるキャスターで、様々な事件・事象の背後にある問題を的確に視聴者に提示してくれていた。だが、3年前に、突然彼女は、キャスターの任から降ろされた。その経緯は、こちらに詳しい。集団的自衛権について、鋭く菅官房長官に切り込んだことで、不興を買ったと言われている。安倍首相にしろ、菅官房長官にしろ、政治家としての能力はおろか、懐の深さがない。菅官房長官が、現在、記者会見で舌鋒鋭く質問を続ける東京新聞望月衣塑子記者を潰そうと画策していることは、この国谷氏をキャスターから降板させたことと同じ動機だ。こうして優れたキャスター、記者を第一線から引きづり降ろすやり方は、菅官房長官の基本的なスタンスである。

国谷氏降板を実際に命じたのは、官邸と密接な関係にあった、NHKの当時の放送総局長 板野裕爾氏だった。あの一件のあと、一時彼は関連会社に移動になっていたが、今回、専務理事に復帰することが決まった。安倍政権が、マスコミ、とりわけNHKを支配しようとする強烈な意図を示している。

NHKの政治報道が、視聴するに堪えぬ政権にベッタリの姿勢であることは繰り返し述べた。これで、その姿勢がさらに強固なものになる。

以下、引用~~~

NHK、板野裕爾氏が専務理事に異例の返り咲き
毎日新聞2019年4月8日 21時05分(最終更新 4月8日 21時33分)

 NHKは、元専務理事の板野裕爾(ゆうじ)NHKエンタープライズ社長(65)を専務理事に復帰させる人事案を固めた。板野氏は、政権との距離が問題視される言動を繰り返した籾井勝人(もみい・かつと)前会長時代に専務理事を務め、「会長の一番の理解者」と呼ばれた人物。官邸と太いパイプを持ち、かつ政権の意向を番組に反映させたと言われる板野氏の異例の返り咲きに、NHK内部からも批判の声が上がっている。

 専務理事は執行部で会長、副会長に次ぐ地位で、現在は3人。9日の経営委員会に提案され、同意されれば、25日付で発令される。

 板野氏は経済部長、内部監査室長などを歴任し、12年に理事に。籾井前会長が就任後の14年4月から2年間、専務理事を務めた。「政府が右と言うものを左と言うわけにはいかない」など、籾井前会長が公共放送のトップとしての資質を疑わせる言動を繰り返し、理事との関係が冷え込む中、板野氏は籾井前会長を支えた時期が長かったと言われる。

 16年3月に「クローズアップ現代」の国谷裕子キャスターが番組を降板。複数のNHK関係者によると、番組全般を統括する放送総局長だった板野氏が、番組に対する政権内の不満を背景に降板を主導したとされる。また、15年の安全保障関連法案を巡る国会審議中、個別の番組で政治的公平性を保つのが難しいとの理由で、安保関連の複数の番組の放送を見送るよう指示したとも言われる。関係者は板野氏の復帰に「放送現場が一層萎縮しそうだ。過去の経緯もあり、内外から批判が集中することも避けられない」と危惧する。【屋代尚則、井上知大】

NHKの政治報道を、信頼のおけるものに戻すために 

権威主義的政権、ポピュリスト政権が、世界中で増えてきている。彼らは、民主的な政権よりも長く政権を握り、さらに政権から脱落する場合に、そのリーダーの訴追、クーデーター等の事件が契機となることが多い。

そうした政権が長続きするのは、選挙を自らに有利になるように改変するためと言われている。

わが国でも選挙制度そのものには、現政権は直接手を付けていないが、財界と一体化して、きわめて豊富な政治資金を得ており、選挙には野党陣営よりも有利な立場にある。

さらに、マスコミをコントロールし、その動きを支配することも行われている。これが、選挙で有利になる状況を生み出している。

昨今のNHKの政権に異様なまでにベッタリの政治報道は、そうしたマスコミ支配の一環だ。

NHKの予算の認可権を政権に握られ、また上層部の人事も政権の意向で決まる。現在のNHKの政治報道が公正なものと言い難いことは、良識のある職員であれば分かっているはずだ。だが、あの歪な報道をせざるを得なくさせる、NHK内部のシステムの問題がある。

この異様な政治報道が続けられるはずがない。やがて、現政権が倒れ、その政治に徹底した反省と批判が加えられるときに、NHKの体制も改められねばならない。こんな虚偽と改ざん、不正で塗り固められた政権が長く続くと思わない方が良い。

昔の信頼のおけるNHKの政治報道に戻す必要がある。この記事の筆者の述べる通り、公正で的確な報道は、民主主義の成立基盤だからだ。予算・人事の面である程度政権から距離を置き、第三者の組織がNHKを監視する制度にする必要があるだろう。そして、NHKの職員にもう一度以前の信頼のおけるNHKに戻る努力と払ってもらいたい。

西日本新聞より引用~~~

【NHKの政治報道】 平野 啓一郎さん
2019年04月01日 11時00分

◆現政権との関係に疑義

 3月4日、参議院予算委員会の模様を伝えるNHKのニュース7を見て私は愕然(がくぜん)とした。この日は、自由党の森裕子議員が、辺野古埋め立て計画のずさんさを追及するなど重要な質疑があったが、放送では野党は一切取り上げられず、与党議員の質問に、政府が応じる場面だけが映し出されたからである。

 NHKは、5年前に、当時の会長の籾井勝人氏が「政府が『右』と言うものを『左』と言うわけにはいかない」と発言し、批判を浴びたが、最近の政治ニュースの「政府広報」化は、開き直った観さえある。

 なぜなのか?

 根本匠厚生労働相に不信任決議案が提出され、立憲民主党の小川淳也議員が衆議院本会議で、2時間弱にわたって、その趣旨説明を行った日のニュースウオッチ9も、その趣旨の骨子には触れず、野党がただいたずらに審議時間を浪費しているかのような悪質な編集だった。

   ---◆---

 「まさかNHKが?」と思う人は、ネットメディアのハーバービジネス・オンラインで、この報道を検証し、厳しく批判した法政大の上西充子教授の寄稿を見てほしい。

 上西教授の指摘を受けて、その後、小川議員自身が衆院総務委員会で、NHK会長、専務理事に対し、一連の経緯を問い質(ただ)している。このことの是非は議論されるべきだが、政府の介入、または政府への「忖度(そんたく)」があるのではという疑念は拭いきれない。

 NHK側は「自主的な編集判断」で、他の時間帯のニュースでは野党の主張に触れていると説明したが、視聴者は朝から晩までNHKのニュースを見ているわけではない。そんな理屈が通るなら、どこかの目立たぬ時間帯で言い訳のための報道をしておけば、重要な時間帯では何をしてもいい、ということにもなりかねない。

 多くの人が言う通り、私もNHKは全体として良質な番組を放送していると思う。ただ、ニュースの中でも政治報道だけは甚だ疑問である。

 小川議員は、総務委員会で、一体、「どういう過程で原稿が作られているか?」と問うていたが、もし本心からあれがあの趣旨弁明の最重要箇所だったと考えているのならば、その理解力には著しい問題があると言わざるを得ない。

 しかしもし、政権維持のために意図的に歪曲(わいきょく)しているとするならば、報道機関としてはその資格を欠いており、公共放送としては論外である。

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 番組はディレクターからアナウンサー、カメラマン、……と数多くのスタッフによって、日々制作され、放送されている。その全員が、これを素晴らしいことと信じてやっているのだろうか。彼らとて、仕事を終えて、一人でゆっくりものを考えたり、家族や友人と物事の善悪について語り合ったりする時間があるはずだが。現場に対しては、同情的な声も聞くが、内実はわからない。

 問題はNHKだけにあるのではなく、現政権とマスコミとの関係そのものだろう。報道は民主主義の基礎である。公正な情報なくして、国民はどのようにして的確な政治判断を下すことが出来るのか。

 こうした悪(あ)しき前例が、長期の政権維持の秘訣とされるならば、今後誕生するどんな政府も、報道に同じことを求めるだろう。それは、日本の未来にとって、本当に望ましいことなのか? 「自主的な編集判断」とは言うものの、その実、報道機関は既に「弱者」で、私の批判はお門違いなのだろうか?

 私には、わからないのである。ただ、一つだけハッキリしているのは、このままでは、日本がダメになるということである。

 【略歴】1975年、愛知県蒲郡市生まれ。2歳から福岡県立東筑高卒業まで北九州市で暮らす。京都大在学中の99年に「日蝕」で芥川賞。渡辺淳一文学賞受賞作「マチネの終わりに」は映画化され、今秋公開予定。「ある男」で読売文学賞。

菅官房長官記者会見の問題 

菅官房長官の東京新聞望月衣塑子記者への陰湿な攻撃が問題になっている。菅官房長官、官邸が、記者会見は自分たちの筋書き通りに進める、政府広報の場であると考えていることが、この問題の背景にある。

記者たちは、非公式の「ぶら下がり」で情報を得られなくなることを恐れて、または官房長官に「睨まれる」ことを恐れて、記者会見で突っ込んだ質問をしなくなってしまったようだ。

菅官房長官は、やはり記者会見前に質問事項を記者たちから聴取し、それに基づき記者会見の準備をしている。彼が、テーブル上の書類に目を落としながら、まるで回答を読み上げるように見えたのは、実際、読み上げていたのである。丁々発止のやり取りは、彼にはできない。その枠組みから外れて、質問を自由に繰り出す望月記者を潰したいと、菅官房長官は考えたのだろう。

記者会見で政府の立場を広報するのは良いだろう。だが、それのために一方的な見解の発表の形式を作り、記者たちにそれに従わせる、都合の悪い質問を受けない、ということは許されるものではない。それでは、まるで「大本営発表」「独裁国家の政府見解発表の場」である。

マスコミにもしっかりしろと言いたい。この一方的な政府広報活動に加わるのは、政府権力によるマスコミ支配を肯定することに他ならない。

Business Insider Japanに掲載された「望月衣塑子氏、南彰氏インタビュー」に詳細な事情が記載されている。

こちら。

あるラジオ番組が終了になった 

また貴重なラジオ番組が姿を消した。TBSラジオが、月曜から金曜日まで流していた、「荒川強啓 デイキャッチ」である。

時事問題を正面から取り上げ、様々なコメンテーターが自由に発言する番組だった。24年間の歴史を持つ。

この番組は、視聴率が高く、TBSラジオの高視聴率を支えていたという。だが、『「新しい元号」になるのに合わせて、番組を改変する』という理由にならぬ理由で、TBSはこの番組を終了させた。それに対して、理由を問う声や、批判が起きているらしい。

終了の経緯は、こちら。

この番組を終わらせたのは、政権批判のスタンスを取っていたためなのだろうか。電通からの働きかけがあったのか。視聴率という民間ラジオ局にとっては最も重視すべき数値を稼いでいた番組を止める理由は何だったのだろうか。「新しい元号」になるから、ということでは納得できない。

後継の新しい番組は「情報エンターテインメント」だそうで、若手の音楽家、脚本家、小説家等をMCに据えている。2日間、少しだけ聴いたが、ゆるい話題を仲間内で盛り上げるような番組作りである。デイキャッチの路線を完全に払しょくしようとしていることは分かった。

この番組変更の理由としては、デイキャッチが度々批判してきた政権の意向か、それを先取りしてのことか、それしか考えられない。

新しい番組では、「カップ焼きそばのかやくを違うメーカーのものと入れ替える」といったことを面白おかしく報じている。

TBSラジオは大きなものを失った。

NHK劣化の理由 

安倍政権になってから、NHKの政治報道が著しく政権よりに傾いた。人事、予算で直接圧力を加えたことによる。以前は、NHKの政治報道には一定の安心感があり、その報道内容を信頼してきた。だが、現在は、堂々とフェークニュースを流す。直近では、小川衆議院議員が根本厚労大臣罷免決議案提出理由を演説した内容の報道がある。こちら。

フェークニュースを流して自らの権力基盤を固めようとするのが、ポピュリスト政権の一つの特徴だ。安倍政権は、内外に「敵」を設定し、それに関するフェークニュースを流し続けている。かの良心的な報道を行っていたNHKが、そうした権力の支配に易々と下ってしまう現実に驚くばかりだ。

政治がマスコミを支配することがあってはならない。マスコミが政治権力の広報に堕してしまい、なおかつマスコミ本来の機能である権力監視が不可能になってしまうからだ。安倍政権が倒れ、リベラルな政権が戻るときに、それを担保する方策をぜひとも検討しなければならない。

だが、国営に準じるNHKがここまで容易に劣化し、政権になびくことになろうとは、予想できないことだった。安倍政権の罪科は大きい。

NHKで長く働いておられた永田浩三氏が「月刊日本」の取材を受け、それをHBOLが掲載している。少し長いが、NHKの現状を知るうえで大切な情報だ。

以下、引用~~~

なぜNHKは政権による嘘と誤魔化しに加担するのか<永田浩三氏>
3/21(木) 8:32配信 HARBOR BUSINESS Online

 3月1日の衆議院本会議で提出された根本厚生労働大臣の不信任決議案において、小川淳也議員が行った趣旨弁明の演説が、NHKによって本人の言葉を一切紹介されることなく、悪意あるようにしか思えない編集で報じられたことについては当サイトでも報じた通りだ。(参照:”小川淳也議員による根本大臣不信任決議案趣旨弁明を悪意ある切り取り編集で貶めたNHK”–HBOL”)

 この例からもわかるように、いまNHKの報道が異常事態に陥っている。

 22日発売の『月刊日本4月号』では、安倍政権に不都合な報道が抑えられ、安倍総理を持ち上げる「提灯報道」一色になり、「安倍様のNHK」と揶揄されることについて、第一特集で報じている。同特集から、長年NHKで活躍してきた永田浩三氏の論評を紹介したい。

◆「政府が右というものを左というわけにはいかない」

── 現在のNHKの報道をどう見ていますか。

永田浩三氏(以下、永田): 私は2009年に退職するまで、32年間NHKでディレクター、プロデューサーとして仕事をしてきましたが、現在ほどNHKの報道、特に政治ニュースがおかしくなったことはないと思っています。これは第二次安倍政権がメディアへの支配を強めた結果です。

 いろんな段階を経て、今日の事態を迎えていますが、2013年10月に決まったNHK経営委員の人事から顕著になった気がします。JT顧問の本田勝彦さん、作家の百田尚樹さん、埼玉大学名誉教授の長谷川三千子さん、海陽中等教育学校校長の中島尚正さんの新任と、JR九州会長の石原進さんの再任を求めました。安倍色が露骨に出ました。

 本田さんは安倍さんの家庭教師、百田さんと長谷川さんは安倍さんに近い保守派言論人、中島さんは安倍さんに近いJR東海会長の葛西敬之さんと懇意で、石原さんも安倍さんに近い人物です。NHK経営委員会が安倍政権に握られたと言っても過言ではありませんでした。

 そしてその経営委員らによって、2014年1月、籾井勝人さんがNHK会長に選ばれます。籾井さんは、就任会見の場で、記者の質問に答える際、従軍慰安婦については「どこの国にもあったこと」と発言しました。もちろん、そうした解釈をする人がいないわけではありませんが、NHK会長の立場であれば、もう少し丁寧に正確に言葉を紡ぐべきです。

 しかも、籾井さんは「国際放送については政府が右というものを左というわけにはいかない」と述べたのです。さらに籾井会長は、就任初日に10人の理事全員に辞表を提出させていました。

 こうして、籾井体制になってから、NHKの政治報道は急速に政権寄りに舵を切っていきました。例えば、集団的自衛権に関する関連のニュースを検証してみると、与党側の主張の時間が114分だったのに対し、反論側はわずか77秒という極端な差が生まれました。

 この年の夏に、籾井体制によるNHKの変質に危機感を抱いた元NHK職員らによって、籾井会長の辞任を求める署名活動が始まり、署名数は1500人を超えました。私もそのひとりでした。

◆官邸の意向を忖度する報道局長

── 籾井氏は2017年1月に会長を退き、米国三菱商事社長などを務めた上田良一氏が会長に就任しました。NHKの報道に変化は起きたのでしょうか。

永田:籾井さんのような失言はまったくなくなりました。籾井時代の異常事態から比べれば、はるかにましです。しかし、政治報道はどうかというと、安倍政権への忖度の度合いは一層ひどくなった気がします。

 今年1月6日、新年第1回のNHK「日曜討論」では、野党党首が生出演する中、安倍さんのパートだけは収録済みでした。そこで、安倍さんは、辺野古の埋め立てによる環境破壊問題に関して、「あそこのサンゴを移しております」と語りました。しかし実際は、土砂投入エリア内でのサンゴ移植などまったく行われていませんし、土砂には赤土が多く含まれてもいました。この発言が事実誤認というか、嘘だったのは明らかです。

 スタジオの聞き手は、解説委員室の副委員長とアナウンサー。安倍さんの発言は変だと気付くはずだし、質問するのが当たり前なのに、それをしませんでした。なぜこの異常な発言が垂れ流されたのか、NHKは今日まで問題点を検証する気配もありません。

 統計不正の問題では、独自のニュースはそれなりに健闘しているものの、国会での野党の追及については、ほとんど伝えていません。実際の安倍さんはしどろもどろなのに、NHKのニュースを見ると、理路整然と答弁できているようです。これは粉飾もいいところです。また、森友学園、加計学園の問題については、NHKはせっかく取材をしたものをお蔵にしたり、大阪局報道部の相澤冬樹さんのような記者の活動の場を奪ったりしました。

 2017年5月には、加計学園の獣医学部設置をめぐり、『朝日新聞』が「総理のご意向」などと記された文部科学省の文書が存在すると報じましたが、菅義偉官房長官は記者会見で「全く、怪文書みたいな文書だ」と述べていました。こうした中で、その文書が文科省で作成されたものであると主張する前文部科学省事務次官の前川喜平さんに最初に接触していたのは、NHKの社会部記者だったのです。NHKはどこよりも早く前川さんの単独インタビューをとることに成功します。ところが、それは未だに放送されないままです。

 前川さんは5月25日に記者会見を開いて、文書は確実に存在していたと主張しましたが、その直前の5月22日、読売新聞は、前川さんが新宿の出会い系バーに出入りしていたと報じたのです。まさに、前川さんの会見直前に彼のイメージ・ダウンを狙った、官邸の意向を反映したようなちょうちん記事です。

── 官邸の意向に沿わないネタを潰しているのは、小池英夫報道局長だと報じられています。小池局長は今井尚哉・首相秘書官と直接やりとりしているとも言います。

永田:NHKの報道の最大の弊害は、前の報道局長で、現在理事の荒木裕志さんと小池さんのラインだと言われています。私はいまも取材の量も質も、NHKは抜きんでていると思いますが、残念ながら実際に放送されるニュースは、似ても似つかないほど貧弱で劣悪なものです。取材現場と放送までの間のパイプがつまっているのです。この異常事態に、なにより現場は苦しんでいると思います。

◆岩田明子記者の虚報

── 政権寄りの報道の典型が、岩田明子記者だと言われていますが。

永田:私は主にディレクターの世界で生きてきましたので、記者の世界にとりわけ詳しいわけではありませんが、岩田さんは、地方局時代、市民に寄り沿うような丁寧な取材をしていた時期もあったと聞いています。しかし、2000年に政治部に移り、2002年に安倍さんの番記者になりました。2007年に第一次安倍政権が短命に終わると、多くの記者が安倍さんから離れて行きました。これに対して岩田さんは、安倍さんを大事にし続け、信頼関係を築きました。彼女は、安倍さんのお母さんの洋子さんの信頼も得ました。彼女は、洋子さんの独占ロングインタビューも手がけています。

 政権からいち早く情報を取り、スクープを連発すること自体は批判すべきことではありませんが、問題はあまりにも政権に都合の良い報道ばかりをしていることです。

 日ロ交渉に関しても、岩田さんは「安倍首相のおかげで北方領土が戻ってくるのでは」というイメージを広げました。例えば昨年9月にウラジオストクで行われた日露首脳会談の際には、「クローズアップ現代+」に解説委員として登場し、「そこに居合わせた日本政府の関係者も『まるで日本への島の引き渡しを示唆しているように見えた』と話していました」などと解説しました。一方、日本は朝鮮半島の雪解けの蚊帳の外に置かれているにもかかわらず、岩田さんは、安倍総理が6カ国協議の「橋渡し役」を担っているなどと伝えています。

 こうした報道は、誤報というより虚報です。彼女は、真実を知っているにもかかわらず、それとは異なることを伝えています。その罪は軽くありません。彼女は「取材、報道をする上で最も重要視している事は何か」と尋ねられて、「国益にかなうこと」と語っていますが、それは違います。記者として最も重視すべきことは、国民の知る権利に奉仕することです。

── 永田さん自身も、2001年の番組改変事件の当事者でした。

永田:保守派の歴史修正主義勢力は、1990年代後半から、慰安婦問題や南京事件を記述した中学・高校の歴史教科書を標的にし、削除を求め、次々に実行されていきました。次の標的になったのが放送でした。彼らは、2001年1月30日に放送予定の「ETV2001シリーズ『戦争をどう裁くか』」の第二回を攻撃したのです。私は、そのシリーズの総括プロデューサー・編集長という立場でした。

 この番組では、2000年12月に東京の九段会館で開催された「女性国際戦犯法廷」を取り上げました。アジア各国の人たちが一堂に会して、第二次世界大戦中の従軍慰安婦問題をめぐり、政府の責任を追及したものです。番組を問題視した維新政党新風は、まず日本会議に働きかけ、安倍さんら自民党の保守派議員を動かそうとしました。

 そして放送前日、松尾武放送総局長、野島直樹国会担当局長らが自民党議員と面談しました。その日の夕方、野島局長らによる試写が実施され、番組改変が指示されたのです。さらに放送当日に再度改変が行われました。

 NHKは自民党議員とのやりとりがあったことは認めていますが、自主的に変えたのであって、政治介入はなかったと言い続けています。しかし、外形的事実を見れば、政治介入と考える方が自然です。ここに、安倍さんに対するNHKの忖度の原点があるのだとすれば、NHKはきちんとこの番組改変事件を検証すべきです。

◆権力に対してメディアはスクラムを組め

── 2016年3月には、23年間キャスターを務めてきた国谷裕子さんが、「クローズアップ現代」を降板しました。

永田:国谷さんは、日本を代表する報道番組のキャスターです。NHKの職員のように組織のしがらみに忖度するようなことは少なく、取材が不十分なときは、「突っ込みが甘い」「国民の知りたいことに答えていない」など、きちんと意見を言う、まっとうな人でした。スタッフだけでなく上層部にも、国谷さんであれば、たとえ政権に対して厳しい意見を言っても尊重しなければ、という雰囲気があり、熱いリスペクトを受けてきました。

 2014年7月3日に放送された「クローズアップ現代」は、集団的自衛権を特集し、菅官房長官をスタジオのゲストとして招きました。このとき、国谷さんの隣には政治部のデスクが座っていました。これは、「国谷さんからの質問に歯止めをかけます。恥をかかせません」というサインだったと思います。

 それでも国谷さんは本質的な質問を繰り返しました。それは、「日本が他国の戦争に巻き込まれる危険はないのか」というもので、視聴者がもっとも知りたいことでした。しかし、菅さんはのらりくらりとはぐらかし、時間切れになりました。

 番組終了後、菅さんの秘書官が制作スタッフに抗議したと言われています。しかし、菅さんの方がよくなかったと思います。また、同年5月に大阪局報道部が制作し放送された「クローズアップ現代」「追跡〝出家詐欺〟」で、やらせ問題が発覚し、国谷さんが番組の中でお詫びをするということもありました。これに関しても国谷さんには何の責任もありません。現場は2016年度以降も国谷さんでやっていきたいという強い意志がありました。ところが、NHK上層部は国谷さんの降板を決めます。政権への忖度が疑われても仕方がありません。

── 今、官邸は、菅官房長官の記者会見で、毅然とした態度で質問を繰り返してきた東京新聞の望月衣塑子記者に対する圧力を強めています。

永田:記者が執拗に追及するのは、追及すべき問題があるからです。森友、加計、辺野古移設、日露交渉、統計不正など、政権に問題があるからこそ、厳しく追及するのです。ところが、菅さんは、かつてのクロ現のように、まともに答えず、はぐらかしています。だから、何度も質問をする必要があるのです。私は、国民の知る権利に答えるために、記者としての責任を果たそうとしている望月さんを応援したいと思っています。

 この問題について、NHKのニュースが、何事も起こっていないかのようにふるまっていることが情けない。産経新聞に至っては、官邸に同調して望月さん攻撃を繰り返す始末です。

 かつて評論家の加藤周一さんは、「メディアスクラム」の重要性を強調していました。現在は、弱い人に対して各社が集中して強引な取材を行うというような意味で使われていますが、本来は「圧力をかけてくる権力に対して、メディアがスクラムを組んで一緒に戦う」という意味です。加藤さんが例として挙げたのは、1970年代前半、ニクソン政権の副大統領を務めたスピロ・アグニューが、スキャンダルを追及するマスコミに牙を剥いてきたときに、全米の新聞社がスクラムを組んだことです。

 日本では今、沖縄の二紙や朝日・毎日、そして当の東京新聞は望月さんを孤立させてはならないという論陣を張ってはいますが、NHKをはじめ多くのメディアは音なしの構えです。どうか連帯して権力を監視し、国民の知る権利を守るというメディアの本来の役割を取り戻してもらいたいと思います。

(聞き手・構成 坪内隆彦)

永田浩三(ながた・こうぞう)

1954年生まれ。東北大卒。1977年NHKに入局後、教養、ドキュメンタリー番組制作に携わり、「クローズアップ現代」「NHKスペシャル」のプロデューサーとして活躍。2009年、NHKを早期退職。武蔵大学教授(メディア社会学)。『NHKと政治権力』、『ベン・シャーンを追いかけて』、『ヒロシマを伝える』『フェイクと憎悪』(共著)など多数。

ハーバー・ビジネス・オンライン

NHK報道局は、政権の犬に成り下がった 

NHK報道局は、政権の犬に成り下がったようだ。NHKは、政治ニュース以外ではすばらしい番組も作っている。局内でも、様々な葛藤と、闘争があるのだろう。だが、政治ニュースは、完全に政権の奴隷、政権の広報機関、それも質の悪い宣伝機関に成り下がっている。

過日、衆議院における根本厚労大臣不信任案提案理由に関する、小川淳也議員の演説。その実際の演説を知らないと、当日のNHKのニュースワッチ9が、彼の演説を如何に唾棄すべき報じ方をしたかが分からない。

まずは、これをご覧になって頂きたい。

14日衆院総務委員会、小川議員の質疑。こちら。

その上で初めて、この総務委員会での小川議員のNHKとの質疑の意味が理解できるはず。政権ベッタリの姿勢を取るのは、NHKの自殺行為だろう。NHKは、人事面、それに予算の上で、政権に支配されているから仕方がない面もあるのだろうが、NHKは、全体として政権と距離を置くべきなのだ。将来、政治報道におけるNHKの自律性を担保するシステムに変える必要が出てくるだろう。

NHKの良識ある人々にとりあえずは期待するしかない。我々も、NHKが偏った報道をしたら、それを指摘し、抗議すべきだろう。また、適切な報道には賛意を示すべきだ。

朝日新聞デジタルより引用~~~

NHK、野党の「政権寄り」批判に「真摯に受け止める」
別宮潤一 2019年3月14日20時54分

 新年度予算案の衆院通過をめぐる与野党の攻防があった3月1日のNHK報道について、立憲民主党会派の小川淳也氏が14日の衆院総務委員会で「野党の主張を報道の骨子に取り入れてない。政権与党に都合のいいことを言う(報道)という批判がある」と指摘した。NHK幹部は最終的に「指摘は真摯(しんし)に受けとめる」と応じた。

 小川氏が問題視したのは1日の「ニュースウオッチ9」。統計不正への対応が不誠実だとして野党6党・会派が同日提出した根本匠厚生労働相の不信任決議案に関する2時間弱の小川氏の趣旨弁明を取り上げた。

 番組は小川氏が議場の演壇で水を飲む場面を3回映し、「途中何度も水を飲む姿に議長は」とのナレーションとともに「少し早めて結論に導いてください」と呼びかける大島理森議長の姿を放送。その後、小川氏の主張を「ただの審議引き延ばしのパフォーマンス」とした与党の反対討論を使用した。

 小川氏は「(統計不正批判で紹介した)川柳と、あたかも時間を引き延ばすかのように水を飲んだ部分しか取り上げていない。なぜ野党の主張を骨子に入れなかったのか」と指摘。大島氏の発言についても「水を飲んだことに対し議長が注意したかのような報道のされ方は事実と異なる」と主張した。

 NHKの木田幸紀専務理事は「自主的な編集判断」と繰り返し答弁。野党が反発して委員会審議が中断すると「結果としてこのようなご指摘を頂いたことは真摯に受け止める」と述べた。

 今回のNHK報道をめぐっては、安倍政権幹部の質問に答えずに論点をずらす答弁手法を「ご飯論法」と指摘した上西充子法政大教授がネットメディアで「悪意ある切り取り編集」と紹介。総務委で木田氏は1~13日にこの放送内容について170件の意見が届いたと明かした。(別宮潤一)