大学ランキングから見えてくること 

英教育誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーションが世界の大学ランキングを公表した。このランキングには、英語圏の大学が有利であるといった批判があるのはよく知っているが、一応の大学の力量の目安にはなる。

で、日本の大学は、下記引用の報道が示す通り、全体として凋落の一途を辿っている。

記事に、その凋落の原因が挙げてあるが、予算が年々厳しくなっていること、外国からの教員・留学生の招聘が多くないことが主な原因だろう。

特に、大学の予算は、大学が法人化された2004年以降、国からの交付金が「機械的に」削減され続けたことで、大きく減少している。そのために、研究予算が切り詰められ、それにもっと大切なことには、若い研究者を雇う経済的な余力がなくなってきている。博士課程を終えても、就職先がないという話も良く聞く。助手、助教の就職口がないのだ。医学部の場合、この数年で、学生の定員が2、3割機械的に増やされたのに、各研究室のスタッフ、予算がそれだけ増えたわけではない、という話を、後輩から聞いたことがある。予算は切り詰められ、仕事の負担は増えるという状況なのだ。

国立大学協会が、国立大学の財政事情を報告している。
国立大学協会 2015年度 報告 「国立大学法人の直面する問題」 こちら。
大学への予算カットが凄まじい。医学部付属病院への補助金もとうとうゼロになった様子。

私立大学も同じような状況なのではないだろうか。

昨年、ノーベル賞を受賞された大隅良典氏が、基礎研究にもっと予算を割かないと、日本の学術研究のレベルが落ちると何度も述べていた。あれは、単に形式的な言葉ではなく、切羽詰まった警告なのではないか。これまで、一定の間隔で、日本の研究者がノーベル賞を受賞していたのは、10、20年以上前の業績に対してである。今後、受賞が続くことはなくなるのではないだろうか。よく言われることだが、日本には天然資源が乏しい、豊かなのは人的資源だったはずだ・・・が、教育への投資をこれだけカットすると、あと10、20年後にどのような状況になることだろうか。


以下、引用~~~

東大がアジアで7位維持 英誌大学ランキング
17/03/16記事:共同通信社

 【ロンドン共同】英教育誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーションは15日、中東を含むアジアの今年の大学ランキングを発表し、日本で唯一トップ10入りした東京大は昨年と同じく7位となった。同誌によると、100位内に入った日本の大学は昨年から2校減少し、12校だった。
 
 同誌は「アジア随一の大学大国」と日本を評価する一方で、中国などの勢いに押される形で日本の多くの大学が順位を下げたことを懸念。原因について資金不足のほか、海外の研究者との協力が弱い傾向にあると分析した。
 
 京都大は昨年の11位から14位に。東北大(26位)、東京工業大(30位)、大阪大(32位)、名古屋大(35位)、筑波大(56位)、北海道大(58位)、首都大学東京(69位)などがいずれも昨年から順位を下げた。
 
 一方、100位内で順位を上げたのは豊田工業大(40位)、九州大(45位)、東京医科歯科大(51位)。
 
 1位は今年もシンガポール国立大。2位以下は北京大(中国)、清華大(中国)、南洋工科大(シンガポール)、香港大と続いた。
 
 同誌は論文の影響力や国際化の度合いなど13の指標で調査している。

アベ友問題、戦前回帰の問題 

森友学園疑惑を最初に追及し始めた、豊中市議の木村真氏のインタビュー記事。

最初は小さな疑問から追及を始め、国が戦前の体制に移行させられようとしているという大きな問題に突き当たった、という経過のようだ。

戦前の皇国史観、それに沿った国民教化のための教育勅語を、再び日本社会の原理に持ち込もうとする勢力の問題を改めて考える必要がある。彼らは、戦前の体制に復帰させることにより、国民から国民主権・基本的人権を奪い、自分たちが権力と利権をほしいままにしようと企んでいる。

森友学園・加計学園そして国際医療福祉大学の疑惑は、「アベ友問題」であり、「戦前回帰の問題」だ。

この問題がこうして大きく取り上げられるようになったのは、マスコミや、永田町の政治家たちではなく、木村真氏という一市議による、ということは重要だ。国民が意識を変えて、物事の真相を自ら知る努力をし、声を挙げないと、永田町の人間とマスコミによって、とんでもない方向に連れ去られてゆく。


以下、引用~~~

 3月16日付日刊ゲンダイデジタル 森友問題を最初に追及 木村真市議が語った「疑惑の端緒」

大阪市の学校法人「森友学園」をめぐる国有地の激安払い下げ問題。今や安倍政権の屋台骨を大きく揺さぶっているが、この疑惑に最初に気付いたのが、豊中市議の木村真氏だ。2月8日、情報公開請求した当該国有地の売却額を非公表とした国の決定に対し大阪地裁に提訴。直後に記者会見を開き、新聞記事に取り上げられたのが「森友問題」が火を噴くきっかけとなった。疑惑に気付く端緒は何だったのか。

■調査のきっかけは工事現場の児童募集ポスター

――大阪地裁に提訴してから、わずか1カ月。今や「森友問題」は連日、新聞・テレビで大きく報道されています。
 正直言って、最初はここまで問題が大きくなるとは思っていませんでした。ちょっと、びっくりしていますね。

――森友学園に目を付けた動機は何だったのですか。
昨年の4~5月だったと思いますが、学校の工事現場の柵に児童募集のポスターが張ってあり、そこに靖国神社の鳥居らしき写真と一緒に教育勅語が載っていました。その時、ちょっと待てと。こりゃあ極右の学校じゃないかと。そんな小学校が豊中にできるのは我慢できない。早速、事務所で学校のHPを見たら、大阪市の塚本幼稚園が小学校をつくるというのが分かりました。この幼稚園は地元では右翼系幼稚園として知られていたから、これは何としても学校設置を潰さないといけない。そう思って調べ始めたのがきっかけです。

――何が分かりましたか。
 まず、土地の登記を調べました。ひょっとしたら土地取得について、何かうさんくさいことをやっているかもしれないと思ったからです。昨年5月に登記簿を取得したら所有者は国交省でした。そこで(国有地売買窓口の)近畿財務局に電話して詳細を尋ねると「定借権(定期借地権)付きで貸しています」と。この時点で何かおかしいと思いました。

――国有地貸与の何が不自然に感じたのでしょうか。
 あの国有地はもともと、豊中市が国から無償で貸与を受け、公園を整備することを希望していました。都市計画道路を造り、具体的な図面まであった。ところが、国は土地はタダでは貸せないといい、07~08年ごろになると、10年までに買ってほしい、それができないなら売却すると市に最後通牒を突き付けてきました。当時の市の財政状況は阪神大震災の影響などもあって非常に厳しく、とてもじゃないが25億円も30億円も負担できません。そこで、仕方なく(道路を挟んで)東側の部分だけを買ったのです。あれほど国は市に対して強硬に買い取りを求めていたにもかかわらず、なぜか森友には貸しているという。改めておかしいと。

――それで近畿財務局に情報公開請求した。
「国有財産有償貸付合意書」の写しを請求すると、金額と一部の条件が全て黒塗りでした。しばらくして、森友が土地を買ったという話を聞いて、今度は売買契約書を請求すると、やはり金額の類いは一切黒く塗り潰されていました。過去の国有地売買の例を調べると、森友のように随意契約の案件はすべて公開されている。それなのに森友だけは非公開。これは完全におかしい。何かうさんくさいことをやっているに違いないと確信しました。

――同時並行で大阪府私立学校審議会(私学審)の審議過程も調べた。
 森友案件は14年12月に継続審議になり、15年1月の臨時会で認可適当となりましたが、過去の私学審の開催状況を調べると、09年からの8年間で臨時会は森友の1回だけ。これは極めて異例の扱いで、他方、国有財産近畿地方審議会の議事録を読むと、森友案件については異論が噴出したものの、最終的には私学審でOKが出るのだから、OKにしましょうか、みたいな内容だった。この流れはどう考えても不自然だと思いました。

――それでいよいよ提訴に踏み切った。
 その前に昨年10月末ごろから、今回の疑惑について3万枚のビラを作って市内を中心に配りました。籠池(泰典)理事長宅の郵便ポストには特別サービスで3枚ぐらい入れたと思います。ただ、豊中市だけで17万世帯もあるため、これではラチが明かない。じゃあ、マスコミに情報提供しようと。当初はなかなか報道されませんでしたが、売買金額の非公表の件で国を提訴して会見を開けば、どこかのメディアが取り上げてくれるかもしれないと考えました。結果、もくろみ通りといったら失礼な言い方ですが、大きく報道された。そういう流れです。

忖度のレベルを超えた政治家の関与があったと推測

――昨春に児童募集のポスターが目に留まっていなければ、数々の疑惑が見逃され、小学校も開校していた。そう考えるとゾッとしますね。
本当にそうですね。正直言って、こんな右翼学校ができるのはたまらん、と思って調べ始めたわけですが、別の学校法人だったら調べていなかったかもしれません。ひょっとして、今回の森友のような類いの話は全国にたくさんあるのではないか。

――森友問題で政治家は関与したとみていますか。
 財務官僚が独断でやるはずもなく、何らかの政治家の関与があったと思います。安倍政権のかなり中枢に近い部分が直接的に関与していたのではないかと強く疑っています。

――安倍首相本人の関与についてはどうですか。
 さすがに安倍首相自らが森友の契約を値引きしろ――などと具体的な指示を出したとは思いません。ただ、大いにあり得る話だと思うのは、例えば安倍首相が財務官僚に対し「籠池さんの教育に対する情熱は素晴らしい。今度、小学校をつくるから期待している」などと言う一方で、森友が財務省に「土地を安くしてくれ」と陳情してくる。そこで、板挟みになった財務官僚がアクロバットのような技をひねり出したのではないか。つまり、忖度のレベルをはるかに超えた、ほぼ圧力に近いものがあったのではないかと推測しています。

――森友が学校設置の認可申請を取り下げましたが、どうみていますか。
 おそらく、籠池理事長は「おまえ、刑事訴追されるぞ」とか言われたのでしょうが、森友が学校設置の認可申請を取り下げても疑問点は何一つ解決していません。ワイドショーでは、塚本幼稚園のえげつない話の暴露合戦みたいな報道が目立ち、もともと何の話だったのかよく分からなくなっていますが、この問題は2つ。国有地の不可解な売却と、なぜ学校設置が認可されたのか――です。土地の賃貸借や売買をめぐっても、鑑定評価書が何通も出てくる。要するに国側は森友の条件に合うまで何度も鑑定をやり直している。国が何ら根拠なく契約するわけにはいかないからでしょうが、森友に言われるがまま値下げしまくっているわけです。一方、学校設置認可をめぐっては、議事録を読めば不認可が当然なのに強引に決まっている。そろって相当、ムチャクチャなことをやっている。幕引きどころか、ますます疑問は大きくなっているのです。大阪府では自民党よりも政権に近いのが維新であり、安倍首相と橋下前知事、菅官房長官と松井現知事のラインは強固なパイプといわれている。今回の問題にこうしたラインが関与していたのではないかと強く疑っています。いずれにしても、この問題は限りなく黒に近い灰色ではなく、完全に黒だと思うので、今後も刑事告発など使える手段を何でも使いながら、真相を解明したい。

――森友問題を通じて明らかになったことは他にありますか。
 この国の政権、政治というのが異常な状態にあるということを再認識しました。安倍首相は当初、森友学園のことを非常に教育熱心で素晴らしい、と発言していました。よくよく考えると、籠池理事長が言っている内容は安倍首相が普段言っていることとほぼ同じ。つまり、思想的には一緒です。無意味に中国を敵視したり、太平洋戦争を侵略戦争と認めなかったり。従軍慰安婦問題についてもしかりです。国際的には全く通用しない言い逃れを繰り返している。森友問題が大きく注目されたことで、国民も森友学園を礼賛するような政治家が総理大臣に就いていていいのかということを真剣に考えないといけないでしょう。(聞き手=本紙・遠山嘉之)
▽きむら・まこと 1964年、大阪府生まれ。大阪外国語大学2部ロシア語科卒。会社員、自営業などを経て、「誰でも、一人でも入れるユニオン」北大阪合同労働組合執行委員に。07年4月の豊中市議選に無所属で立候補し、初当選。現在3期目。

Mike W7LPV 逝く 

先日、旧友Tony W4FOAと、facebookで初めてメッセージのやりとりをした。奥様が急病でERにかかったとのことだった・・・やりとりの最後に、Mike W7LPVが昨年12月10日に亡くなったことを知っているか、と彼に尋ねられた。あのMikeが亡くなったのか、と力が抜ける思いだった。この数か月、Mikeにお目にかかっていなかったのは確かだが、亡くなっていたとは・・・。78歳前後だったか。

Mikeのことは、このブログでも何度か記した。それほど古い友人でもない・・・せいぜい10数年前に知り合っただけだ。交信する回数も、数か月に一度程度だった。だが、お会いするたびに、こころあらわれるような話を聞かせて頂いた。彼は、輸出企業で忙しく働いていたが、30歳台後半にレイオフされ、そこで大学院に入る。専攻は哲学。人はものごとを知りうるのか、如何にして知るのか、という認識論を課題にしたらしい。生きるうえで基本的な問いかけを抱いて、人生半ばで立ち止まり、哲学を学ぶことは、そう容易いことではない。彼が大学院を出てから、奥様が交代で大学院に進んだらしい。仕事に明け暮れて、無線でも表面的なお付き合いになることが、自分も相手も多かった(多い)のだが、彼のように人生にしっかりと根を張って生きておられる方はとても少ない。

彼は、熱心なピアニストでもあり、いつも会うたびに、今度はどこそこで演奏することになっていると教えてくれた、教会、そして晩年はホスピスでのボランティア活動として演奏しておられたらしい。Youtubeにもいくつか演奏がアップされている。これは、ベートーベンの月光一楽章。ピアノの教師だった方が、盲目の方だったようで、いつも暗譜することを勧められたと、Mikeは語っていた。この演奏で、アイマスクをしているのは、その教師の方へのオマージュなのだろうか。



3,4年前奥様を亡くされてからも、ピアノを熱心に演奏なさっていた。交信するたびに、何時Sedona(彼の住むアリゾナの町)に来るのか、ドアをいつも開けて待っているぞ、と言ってくださった。

彼との交信のように、こころを満たしてくれる交信は、少なくなった。ほとんどなくなった、というべきだろうか。アマチュア無線へのモチベーションの一つが、彼のサイレントキーとともに失われた。ご冥福をこころから祈りたい。

同じ構図の疑惑三題 

国家戦略特区・小学校認可条件緩和等規制緩和に伴い、地方自治体から民間に公的資産の無償譲渡が行われ、一部の人間に利権が与えられている。同じ構図の疑惑が相次いで明るみに出ている。

森友学園は、大阪府が小学校認可条件を大幅に緩和したことで、あの土地を無償に近い値段で得た。条件緩和が、土地取得と密接に絡んでいる。

加計学園は、今治市が国家戦略特区に指定されたことで、岡山理科大学獣医学部新設のための土地を同市に無償で得た。その価格、36億円。その後の運営資金240億円の半分を、今治市が提供することになっている。

もう一つ、どうも怪しいのが、国際医療大学医学部が新設される成田市。やはり国家戦略特区であり、成田市は同大学に50億円の資金援助をすることになっている。成田市、京成電鉄が、「高すぎる」値段で用地売買をしたとして、両者は現在訴えられている。

この三つのケースで共通するのが、規制緩和、公的資産の特定民間人への無償譲渡、教育機関の開設だ。小学校認可、国家戦略特区に基づく大学設置にかかる時間が、きわめて短期間であることが特異だ(各々の組織の事業を受け入れるための出来レースであった可能性が極めて高い。)後者二つの大学設置には、反対意見がかなりあるのに、十分な検討がなされずに、強行されたことも特異である。特定の民間人は、この場合、安倍首相の親しい友人である。少なくとも、森友学園と加計学園の理事長達は、歴史修正主義的な皇国史観の持ち主である。今治市は、歴史修正主義かつ安倍政治を持ち上げる社会科教科書を採択しているところでもある。国際医療大学の高木理事長も、政界とつながりが強い。

これを政治の世界ではよくあることと見過ごすのか、それとも政治の私物化と批判するかで、今後のわが国の在り様が大きく変わる。

加計学園疑惑について、こちらに詳しい。

トカゲの尻尾が、本体に本当に噛みついた 

トカゲの尻尾が、トカゲ本体に嚙みついた。

トカゲ本体は、どうでるのだろうか。尻尾を無視するわけにはいくまい。土地取得、小学校認可申請における尻尾の行状を刑事告発するか。根拠のない名誉棄損だとして、尻尾を訴えるか。または・・・いや、そこまでゆくと、お隣の国々と同じになってしまう・・・。

籠池理事長が、これだけの発言を菅野氏を通して行うからには、自らの発言を裏打ちする証拠がるのだろう。閣僚への金銭授受の事実を含めて、早急に公表してもらいたいものだ。

愛国心やら、儒教道徳を喧伝する政治家たち、その配下となっている官僚たちが、裏でどれほど汚れたことをやっているか、ということだ。

マスコミも腰が引けていたら、自殺行為になる。ぜひ事実を的確に報道してもらいたい。

以下、引用~~~

 3月15日付籠池の代わりに菅野完が会見、マスコミが中継を打ち切った爆弾発言の中身!財務省の工作、稲田の父親、在特会… - 本と雑誌のニュースサイト/リテラ

またも森友学園に関して、爆弾発言が飛び出した。本日、日本外国特派員協会による記者会見をキャンセルした籠池泰典理事長だったが、著述家である菅野完氏に会うために上京。自宅の前に詰めかけた報道陣に対し、本日14時半すぎ、菅野氏が理事長に代わって会見のキャンセル理由などを語ったが、そのなかには疑惑の鍵を握る重大な内容が含まれていた。
まず、菅野氏は「理事長は僕にだけ話したいと言っている」とし、籠池理事長の記者会見キャンセルの理由を「僕の口からは言えないが、いろんな事情がある。ご想像の事情もある」「会見は延期ではなく中止というふうに考えたほうがいい」と発言、籠池理事長の会見出席に何らかの圧力がかかっていることを示唆した。

 さらに、菅野氏は「(籠池理事長から記者の質問に答えるための)交換条件をいただいている」として、封筒から紙を取り出した。その紙にプリントされていたのは、なんと、国税局長官であり、国有地が払い下げられた当時の理財局長だった迫田英典氏の顔写真だった。

「この人、当時の理財局長やった迫田さん。いま、(東京都内の)番町の官舎に住んでいらっしゃるんですけれども、この人の単独インタビューとってきたメディアがいたら話ししたると言っています」
「(迫田前理財局長は)国会の招致にも応じていないですよね。理事長は私人ですが、この人は公人です」
 迫田前理財局長は国有地を管轄する部門の“最高責任者”だったわけだが、氏をめぐっては、森友学園側が近畿財務局で統括管理官と大阪航空局調査係とで話し合いを行った前日である9月3日に安倍首相と面談。森友学園と国が交渉を行っていた翌日には安倍首相自身が来阪し、テレビ出演を行い、さらには翌5日に昭恵夫人が塚本幼稚園で講演し、名誉校長に就くことが決定するという“あまりに奇妙な流れ”がある。しかも、理財局長に就任した2015年7月以降、迫田氏は安倍首相と半年のあいだに5回も面談。主計局長や主税局長と違い、傍流の理財局長がこんなに頻繁に総理と会うというのは異例のことだ。
しかも、昨日、塚本幼稚園で行われた修了式において籠池理事長は「疑惑が浮上してから、財務省に言われて身を隠していた」と発言していたが、その指示をしていたのが、現在の理財局長である佐川宣寿氏だったというのだ。菅野氏はこう述べている。
「理事長および理事長夫人は、顧問弁護士から、財務局の佐川理財局長から電話があって、『10日間でいいから身を隠してくれ』と言われた、と言っていました」

 佐川理財局長が自ら籠池理事長の顧問弁護士に電話をし、身を隠せと指示をした──。これが事実ならば、財務省が国有地売買の不正を認識しており、それを語らせないために籠池理事長をメディアの前に立たせないように手を回したということだろう。そして、菅野氏も指摘したように、それは「迫田氏を守るため」だ。

 だが、ここで菅野氏はもう1枚紙をめくり、今度はあの男の顔写真が入った印刷物をカメラに向けた。松井一郎・大阪府知事の顔だ。
「いま大阪府が必死になって、この人を守ろうとしている」

 菅野氏はそう話すと、自分を取り囲む大勢のマスコミに向かって、このように迫った。
「この人は八尾のとある大規模マンションに住んではるんですけど、みなさん、この人(迫田氏の写真を取り出す)の官舎の前と、この人(松井府知事)の八尾の家の前に、これくらいのカメラ構えました?」
「同業者としてのみなさんへのお願いです。この人たちこそが悪い奴なんです」
「冷静になって考えてみてください。理事長は国有地の売買にどう関与しようと決済印を押せないんです。理事長は私学審議会の審査内容にどう介入しようが最後の認可の判子は押せないんです。認可の判子を押すように催促できるのは松井知事であるし、国有地の売買の最終決済をおろすのは近畿財務局の局長と本店の財務省の理財局の局長です。であれば、判断の責任を問われるべきは、私人である籠池さんではなくて公人である理財局長と知事ではないですか? マイクを向け、カメラを向けるべきは、政治家と役人ではないですか?」
「なぜ家に行かないんですか? なんで僕の家の前に来てるのに、(迫田国税局長や松井府知事に対してしては)なぜ記者会見の場以外に(迫田国税局長や松井府知事の)家に行かないんですか?」

 籠池理事長を追及する声は高まり報道も過熱しているが、一方、公人にして問題の責任者である迫田理財局長や松井府知事への追及は、きちんとできているのか。本サイトも本日配信の記事において松井府知事と橋下徹への追及が甘いと言及したが、菅野氏の指摘はもっともな話だろう。

しかし、やはり批判を受けたメディアのほうは、今回もヘタレっぷりを自ら露呈した。
 昼のワイドショーはこの菅野氏への囲み取材の模様を各社が伝えたが、生中継を行うとしてスタンバイしていた『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ)は籠池理事長ではなく菅野氏のみが出てきたために生中継を中止。『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)は生中継を行ったが、松井府知事の写真が飛び出すと、松井と仲良しの宮根誠司はワイプで露骨に苦笑いを浮かべ、挙げ句、菅野氏が「おそらく籠池さんがもってはるもんが全部出てきたら、内閣が2つ分くらい飛ぶと思うんです。安倍晋三みたいなどうでもエエって話になると思うんですが」と言った途端、安倍首相の名前が出るや否や素早く中継をストップさせたのだ。

 だが、その『ミヤネ屋』が中継を止めてからも、菅野氏はもうひとつ、重要な指摘を行っていた。それは渦中にある稲田朋美防衛相についてと、安倍政権を支える政治家と極右組織との繋がりについてだ。
「稲田さんのお父さんである椿原(泰夫)先生(編集部注:昨年10月に死去)は関西保守人脈の重鎮ですから、籠池さんみたいな思想をもっている人だったら椿原さんとよく昵懇だったでしょうし、そうすると稲田朋美さんと在特会とか、いわゆるレイシストたちとのいかがわしい関係というのは大阪や京都や福井を歩けばいっぱい見つかると思いますよ」
「椿原先生の存在を追いかけると、なぜ瑞穂の國記念小學院みたいな学校が大阪に出来たのか、なぜ維新みたいな連中が大阪で権力をもつにいたったかというのも、よくわかると思います。みなさんぜひそこらへんを追いかけてみてください。いかがわしい連中が大阪府庁のなかで陣取っているというのが、よくわかると思います」
 稲田の実父・椿原泰夫氏は、「頑張れ日本!全国行動委員会」という団体の役員などを務めてきた人物だが、同団体は在日朝鮮人・韓国人差別や同性愛者に対する差別デモなどをおこなってきた極右ヘイト団体だ。以前本サイトでも報じたことがあるが、その結成集会には、稲田朋美はもちろん、安倍首相、下村博文元文科相、高市早苗総務相、西田昌司衆院議員、山谷えり子元国家公安委員長といった安倍政権の幹部たちが参加するなど、安倍政権と親密な関係にある。

 極右人脈と政治家が接近し、その蜜月から森友学園疑惑は起こった──。今回の騒動の根幹に違いない問題だが、はたして、メディアはその深層にまで切り込むことができるのか。菅野氏がカメラの前で投げかけた重要な指摘の数々を、メディアは『ミヤネ屋』のように聞かないふりをして闇に葬ってしまう、そんな気がしてならない。

 実際、夕方のニュースでは、一部の番組が菅野氏の会見に対する財務省の否定コメントを紹介するのみで、あれだけ大挙して押し掛けておきながら、迫田理財局長や松井大阪府知事の責任や、疑惑の背後にある極右人脈についてなどの重要な指摘については一切報じられていない。このままでは今回と同じように、思想によって便宜供与が図られるという異常政治が繰り返されるということは肝に銘じるべきだろう。

 また夕方になって再度会見した菅野氏は、「籠池氏が、閣僚との金銭授受を明かす用意がある」ことを語った。本サイトでも引き続き、続報をお伝えしたい。

水道事業等公共サービスが民営化される 

水道事業民営化法案が、国会を通過しそうだ、ということはしばらく前にここにアップした通りだ。こちら。外国の例からすると、水道事業の民営化によって、水道料金は2から4倍に跳ね上がり、その質も劣化する。

麻生財務大臣が、米国の保守系シンクタンクCSISで水道の民営化を明言している、というIWJの記事がある。こちら。安保法制を日本の国会で議論する前に、米国議会でその成立を約束する安倍首相といい、麻生財務大臣のCSISでの水道事業民営化の表明といい、彼らは、どこを向いて政治を行っているのだろうか。

水道、農業そして教育も、新自由主義的な罠にはめられようとしている。森友学園、加計学園問題で見えてくるのは、単に新自由主義的な規制緩和ではなく、特定の人物・企業に公共サービスを売り渡し、彼らに暴利を貪らせようとする企みだ。政治家も、それによって巨利を得ているのだろう。

この政権を、まだ50%の国民が支持しているとは驚きだ。こうした公共サービスの民営化という名の寡占化が進み、公共サービスが、金儲けの道具ないし国民の思想的なコントロールの手段とされ、痛みが国民に行き渡らないと、理解できないのだろうか。

追加;
今日の参院予算委員会の質疑で、自由党山本太郎議員がこの問題を取り上げていた。厚労省官僚の答弁では、水道事業民営化は、PFIのコンセッション方式で行われることになる由。水道利用料の収受を民間業者が行い、そこから利益をえることになる。地方自治体が、水道料金に上限を設定するとされているが、実際に運営権を独占的に有する民間業者の発言権は大きくなることだろう。大体において、利益の最大化を行う存在の民間業者を、なぜ公共サービスに参入させるのか、という疑問が残る。

PFIの問題を考えると、一つには官民の癒着、言葉を換えれば、官の天下り先確保があるのではないだろうか。天下り先の確保を、官僚は血眼になって進めている。もう一つは、今後長い目で考えると、水道供給体制の更新、人口減少自治体での水道事業の維持という難問が待ち受けており、その責任を民間に負わせるという意図も感じられる。2021年以降40年間に水道供給システムの更新にかかる費用は、59兆円に上ると予測されている。国民一人当たり60万円弱の負担だ。官は、その責任から逃れるために、民営化を考え出したのではないだろうか。民営化させれば、採算が取れなくなくなった段階で、その企業に撤退させるということだろうか。民間業者がグローバルの水資本であると、容赦ない値上げを利用者に迫ることだろう。いずれにせよ、水道事業の破たんに対して官は責任を取らないわけだ。

世界の水道事業経営の傾向は、民間経営がうまくいかないことがたびたび経験され、民間経営化から政府・地方自治体の経営に戻っているらしい。

あの土地に8億円分のゴミはない 

昨日、参院の予算委員会で、近畿航空局の局長が、森友学園に売却した土地のゴミの評価をめぐって追及され、しどろもどろになっていた。土地の掘削で、掘削機についたゴミが9mの深さに由来するものかをどうやって判断するのかという質問には、最後までちゃんと答えていない。

ブログ「反戦な家づくり」のポストで、やはりあそこに8億円分、即ち2万立米のゴミがあるというのは根拠がないことが示されている。こちら。8億円値引きの根拠がないということだ。官僚は、いい加減な仕事をしないはず(そんなことをしたら、自らの昇進がなくなってしまう)で、これは仕事の杜撰さではなく、何らかの力が働いて官僚に強引に値引きをさせた結果と考えざるを得ない。森友学園の籠池理事長が、鴻池議員に働きかけた際に要望した事項(土地の値引き、賃貸料の引き下げ)が、ほぼそのままことごとく実現している。籠池理事長が、「尻尾切りをしないでほしい」と述べたのは、甘い汁を吸った政治家達をそのままではおかない、というトカゲの尻尾の、本体に対する恫喝なのではないか。

稲田防衛相が、森友学園との関係を必死に否定し、そのために却って墓穴を掘っていることや、安倍首相の国会答弁で森友学園・加計学園の話が出てくると異様に興奮し切れまくることなどは、こうした安倍首相の個人的友人に莫大な公的資産がほぼ対価なしで供与されたことに、彼らが何か噛んでいる可能性を示唆する。

オスプレイの横田基地配備 

米軍がオスプレイを横田基地に配備する。それが少し遅れるというニュース。

横田基地に配備されるオスプレイはCV22というタイプで、地形追従機能を備えた空軍用の機種だ。敵のレーダーに捕捉されぬように低空飛行を行い特殊任務を遂行する、という。

CV22は、その機能・任務から、重大事故を起こすリスクが高いと言われている。CV22についてはブログ”Everyone says I love you”に詳しい。こちら。

横田基地に配備されるCV22の訓練は、横田空域という一都八県にまたがる空域で行われる。訓練は、その主要任務の低空飛行が主体になる。防衛省・外務省の説明では、オスプレイの飛行訓練は、日米合意に基づいて行われる、となっている。しかし、その合意とは、わが国の航空法を適用せず、米軍の思い通りの訓練をする、ということだ。米軍の訓練空域は治外法権なのだ。沖縄でのオスプレイ墜落事故の原因であった、給油訓練は海上で行うと、米軍は述べているようだが、地形追従機能の訓練は当然地上で行われる。上記、横田空域には人口密集地が多い。事故が一旦起きると、多くの人命が危険にさらされる。

CV22は、空港への離着陸ではなく、戦闘地へ人員・物資を運ぶために狭い土地で離着陸する。そして、戦闘による攻撃を避けるために低空飛行をする。このような戦闘用航空機が、人口密集地を多く抱える地域に配備される。彼らの訓練には政府は何も言えない。これで、果たして独立国と言えるのだろうか。

ちなみに、CV22は一機200億円(CH-47J輸送ヘリコプターは、35億1650万円である。)自衛隊はオスプレイを17機購入することにしている。

以下、引用~~~

オスプレイ、横田配備延期=19~20年に最長3年-米国防総省

2017年03月14日 09時39分 時事通信

 【ワシントン時事】米国防総省は13日、特殊作戦用の垂直離着陸輸送機オスプレイCV22の米軍横田基地(東京都福生市など)への配備開始が、従来予定の2017会計年度第4四半期(同年7~9月)より最長3年遅れ、20会計年度(19年10月~20年9月)になると発表した。配備が遅れる理由などは説明されていない。
 米軍は15年5月、17年後半にオスプレイ3機を横田基地に配備すると発表。21年までに7機を追加配備し、計10機を常駐させる計画だった。
 CV22は空軍仕様で、急襲作戦にも用いられる。海兵隊仕様のMV22は普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に配備されている。 

いのちは自分自身だけでは完結できない 

自由の森学園高等学校という学校は、今まで知らなかった。そのサイトを見ると、1985年に創設された学校で、生徒の個性を尊重し、自ら経験し考えるための教育を行っているらしい。

その校長先生の卒業式での言葉。最後に引用されている吉野弘さんの詩とともに、こころに響く。このような先生に教育を受けた若者たちは、幸せなことだ。

我々が、健康に社会生活を送れるのは、ほんとうに僥倖に過ぎない。誰が優れている、どの民族が優れているといったことは、ない。あるのは、遺伝的・社会的・歴史的に決定されたほんのわずかな「差異」だけ。それをもって優劣を競い合うというのは馬鹿げたこと。その差異ゆえに我々は互いに寄り添いあう。が、時代の潮流として、その差異をもって、差別したり、社会を分断したりする動きも、政治そして社会にある。それは憎しみと諍いしか生まない。若者には、それを乗り越えて行ってもらいたいものだ。

この祝辞を述べた校長先生・他のスタッフに教育された若者は、その差別・分断を乗り越えて行ってくれるだろう。世の中を良い方向に動かしていってくれるのは、そうした若者だ。

以下、引用~~~

3月12日付2016年度 自由の森学園高等学校 卒業式 校長の言葉 - 自由の森日記

卒業生のみなさん 卒業おめでとうございます。
保護者のみなさん、お子さんの卒業おめでとうございます。
そして、これまでの学園に対するご支援とご協力に感謝申し上げます。
自由の森学園において授業というものの持つ意味は深く重いものだと思っています。
ここで話すいわゆる校長の言葉も、みなさんにとっての最後の授業というつもりで私は臨んでいます。
私は昨年の夏からずっと「 生命( いのち )の重さ 」について考え続けていました。
昨年の7月に起こった相模原の事件、何の罪もない無抵抗の障害者の方々19名が犠牲になり、
また多くの方々が深い傷を負い、そしてまた、私たちの社会に大きな衝撃を与えました。
みなさんの中にも、この報道に接してどのように考えていったらいいのか立ちつくしていた人もいたかもしれません。
私もその一人でした。
9月の全校集会では、この事件について共に考えていこうといった呼びかけが教員の中からありました。
この事件の根底には様々な考え方が複雑に絡み合っていると言われています。
その一つとして「 優生思想 」があげられています。
「 価値がある人間・ない人間 」「 役に立つ人間・立たない人間 」「 優秀な人間・そうでない人間 」といった偏った考え方で人間をとらえ、人間の生命に優劣をつける思想です。
また、この事件は「 ヘイトクライム 」( 憎悪犯罪 )の特質も持っていると言われています。
ヘイトクライムとは、人種・民族・宗教や障害などの特定の属性を持つ個人や集団に対する偏見や差別にもとづく
「 憎悪 」によって引き起こされる暴力等の犯罪行為を指す言葉です。
この事件の問題を「 常軌を逸した加害者の問題だ 」として、
軽々に判断し押し込めてしまってはいけないように私は感じています。
全盲と全ろうの重複障害を持つ 福島 智( さとし )さん( 東京大学先端科学技術研究センター教授 )は次のように書いています。
「 こうした思想や行動の源泉がどこにあるのかは定かではないものの、
今の日本を覆う『 新自由主義的な人間観 』と無縁ではないだろう。労働力の担い手としての経済的価値や能力で人間を序列化する社会。
そこでは、重度の障害者の生存は軽視され、究極的には否定されてしまいかねない。
しかし、これは障害者に対してだけのことではないだろう。
生産性や労働能力に基づく人間の価値の序列化、人の存在意義を軽視・否定する論理・メカニズムは、徐々に拡大し、
最終的には大多数の人を覆い尽くすに違いない。 」
「 役に立つ/立たない 」といった人間や生命を価値的に見ていく考え方は、
いずれは自分も含めた全ての人の生存を軽視・否定することにつながっていくのだと福島さんは述べています。
人間の価値、生命の価値、生きる価値、そもそも人間や生命という言葉に「 価値 」という言葉をつなげるべきではない、
私はそう思っています。人間には、そして生命には「 尊厳 」があるのです。
尊厳とは「 どんなものによっても代えることができないもの・存在 」と言うことができるでしょう。
ここにいるみなさん一人ひとりもそうです。
あなたは何ものにも代えられないのです。あなたの代わりはどこにもいないのです。
人間をそして生命をも、取り替えることが可能なものとして「 価値的 」に見てしまう現代社会において、
「 価値 」ではなく「 尊厳 」という言葉で自分をそして自分の人生を見つめていくことが大切だと私は思っています。
当然その視線は、自分以外の他者やその人生をも見つめることにもなるでしょう。
そしてそれは「 どのような社会を目指していくのか 」ということにもつながっていくと私は思っています。
自由の森学園は、かけがえのない子どもたち若者たちをテストという一元的な価値で人間を序列化し評価するといった
価値的に人間をとらえる教育のあり方をやめ、一人ひとりの学びを大切にした学校をつくりだそうとして誕生しました。
自由の森に集うわたしたちは、人間をそして生命を価値的に見るのではない
「 ものの見方 」を、そして「 人間の尊厳 」を、学び続けていると言っていいでしょう。
今、社会には、ヘイトクライム、ヘイトスピーチ、ヘイト文書など、ヘイト・憎悪という言葉があふれています。
この「 憎悪 」に対するものは「 学び 」だと私は思っています。
学ぶということは本来、さまざまなことをつなげていく・結びつけていくことだと思います。
学ぶことによって、自然とつながり、社会とつながり、芸術とつながり、他者とつながり、そして、自分とつながる、
そんな学びをみなさんにはこれからも続けていってほしいと願っています。
最後に、ある詩をみなさんと共有したいと思います。
吉野弘さんの「 生命( いのち )は 」という詩です。
有名な詩なので、みなさんも出会ったことがあるかもしれません。
私は昨年の夏以来この詩が胸の中にあります。
   『 生命 ( いのち ) は 』        作:吉野 弘
  生命 ( いのち )は
  自分自身だけでは完結できないように
  つくられているらしい
  花も
  めしべとおしべが揃っているだけでは
  不充分で 虫や風が訪れて
  めしべとおしべを仲立ちする
  生命 ( いのち )は
  その中に欠如を抱き
  それを他者から満たしてもらうのだ
  世界は多分 他者の総和
  しかし 互いに
  欠如を満たすなどとは
  知りもせず 知らされもせず
  ばらまかれている者同士
  無関心でいられる間柄
  ときにうとましく思うことさえも許されている間柄
  そのように 世界がゆるやかに構成されているのはなぜ?
  花が咲いている
  すぐ近くまで
  虻 ( あぶ ) の姿をした他者が
  光をまとって飛んできている
   私も あるとき
  誰かのための虻 ( あぶ ) だったろう
  あなたも あるとき
  私のための風だったかもしれない
卒業おめでとう。みなさんの健闘を祈ります。
自由の森学園高等学校
校長 新井達也

厚労省は、入院ベッド数を削減する 

厚労省は、入院ベッド数を減らす方針だ。そのスキームは、地域医療構想策定ガイドラインに示されている。こちら。ざっと見たところでは、NDB、DPCのデータベースに基づき、各都道府県で必要なベッド数を求め、それを基礎としてベッド数の供給を地方自治体ごとに決める、ということらしい。各地域の事情を勘案する柔軟なやり方にも一見みえるが、基本は厚労省の提示した基礎資料に基づく削減をすすめる、ということだ。各地にその地域医療構想を実現する協議会がすでに作られ、ベッド数削減に向け動き出している。削減の主な対象は、急性期と慢性期のベッドになる。これまで医療機関に入院加療していた慢性期の患者は、(介護)施設か在宅での介護医療を受けることになる。特に、在宅医療への移行が強調されている。在宅に移行する慢性期は、診療報酬で決められる。診療報酬上、ある程度以下の治療しか必要にならなくなったら、在宅になかば強制的に移行させられる。

結果として、医療費削減が実現できる、とされているが、厚労省・政府の本音は、医療費削減を実現するための、ベッド数削減である。

想定される問題は;

○入院期間の短縮は、過去DPCを中心に進められてきている。それをもとに、必要ベッド数をはじき出すと、必要最小限の数値が出てくる。今後の高齢化の進展、感染症等医療サービスの変動要因による必要ベッド数の増減に対応できるのだろうか。また、入院期間の短縮の方向に診療報酬上誘導し続けているが、それによって、エンドレスのベッド数削減となるのではないか。

○これが大きな問題だが、慢性期ベッドを削減して在宅に移行する場合、介護看護は、家族が担うことになる。人口減少社会で、高齢化・核家族化が進んでいる現在、それが可能なのか。国の生産活動に支障をきたさないのだろうか。確かに、わが国の入院ベッド数は諸外国と比べて多いのだが、病院での医療の後に患者を受け入れる施設・体制がない、またはきわめて貧弱だ。

○在宅に移行することが求められる患者は、必要とする治療の診療報酬で線が引かれる。診療報酬上高い医療でなくても、在宅に馴染まない(例えば、頻回の気管吸引が必要になる、等)患者もいるのではないだろうか。診療報酬で一律に線を引くと、在宅で看ることが難しい患者まで、在宅を強制される可能性がある。

○急性期病床の削減も、高齢化の進展が著しい大都市部で大きな混乱を招く可能性がある。

医療介護の充実は、国の防衛と並んで重要な政策課題のはず。それが、在宅に丸投げで良いのか、という問題だ。現政権は、防衛産業の育成、それに対する利益供与は熱心だが、社会福祉の一番重要な医療介護については、削減することばかりを考えている。果たして、それで良いのか。


以下、引用~~~

病院ベッド15・6万床削減 25年までに41道府県で縮小 地域医療構想、全国集計 「在宅」重視、鮮明に
17/03/09記事:共同通信社

 各都道府県が医療提供体制の将来像を示す「地域医療構想」で、2025年に必要な病院のベッド(病床)数は、13年時点の134万床余りから約15万6千床、11・6%減少する見通しとなることが分かった。構想の策定に伴い47都道府県が8日までに推計した結果を、共同通信が集計した。41道府県で病床が過剰とされ、鹿児島など8県は削減率が30%を超す。
 
 地域医療構想は、25年に団塊の世代が全員75歳以上になるのを控え、効率的な提供体制をつくるのが目的。政府は手術や救急など高度医療に偏った病床の機能を再編すると同時に、慢性疾患を抱える高齢患者は家や施設で療養する方が望ましいとして在宅医療を推進する考えだ。医療費抑制につなげることも狙う。
 
 25年に向け都道府県は今後、推計を基に地元の病院や医師会と協議に入る。病床の機能転換や削減を促していくが、病院経営者や高齢者から反発や不安の声も出ており、入院に代わる在宅医療の環境整備が課題となる。
 
 構想策定に先立ち、国は15年に病床推計を公表。13年時点の134万6917床を3パターンの計算で約15万〜20万床削減すると想定していた。
 
 その後、各都道府県は医療機関や市町村などが参加する会議で構想を検討。地元の病院に配慮し、削減幅が小さいパターンで計算する例が多く、25年の必要病床は全国で計119万799床となった。削減数は計15万6118床で、国推計の最小値に近い。
 
 削減率が最も大きいのは鹿児島県で34・9%。熊本、富山など計8県が30%を超え、20%台も19県ある。一方、増床が必要なのは首都圏の1都3県と大阪府、沖縄県。
 
 病床は機能別に(1)救急や集中治療などを担う「高度急性期」と「急性期」(2)リハビリなどに取り組む「回復期」(3)長期療養の「慢性期」―に分かれるが、急性期と慢性期を減らし、回復期を増やすとする地域が多い。
 
 入院が減る分、在宅医療を受ける患者は大幅に増え、約177万人に。13年より60万人ほど多くなる。
 
 ※集計の方法
 
 各都道府県が公表した地域医療構想に基づき、2025年の必要病床数を集計した。現状との比較は、都道府県によって使用データが異なるため、13年の医療施設調査(厚生労働省)の数値にそろえた。独自手法による推計も併せて示した県もあるが、国準拠の推計を使用した。宮城、広島、高知の3県は必要病床数に「以上」と付記し、削減目標ではないことを明確にしている。新潟、富山、長野、三重、京都、熊本、沖縄の7府県は構想が案の段階だが、推計自体は変わらない見通し。
 
 ※地域医療構想
 
 2014年成立の地域医療・介護確保法に基づき、都道府県が策定する地域医療の将来像。都道府県内をいくつかの区域に分け、団塊の世代が全員75歳以上となる25年に各区域で必要なベッド(病床)数などを定める。余っている病床を他の機能に転換させたり、患者の在宅移行を進めたりして、効率的な医療提供体制の構築を目指す。法令上は18年3月までにまとめればよいが、厚生労働省が早期の策定を求めており、全都道府県が今年3月末までに定める予定。