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国家予算の私物化 

国家予算のうち予備費という、使途が政府の一存で決められる項目がある。

今年度当初予算100兆円のうち予備費は0.5兆円。一次補正25.5兆円のうち1.5兆円。

ところが、二次補正案32兆円のうち予備費は10兆円。金額も割合も度外れている。

アベノマスク、持続型給付金等に見られる、政官業が国の予算を私物化する様子を見ると、この国難に乗じて同じ腐敗した政官業が国家予算をさらに私物化しようとしているとしか思えない。

この政権こそが国難だ。

新たな「回勅」 

現在進行中のコロナ禍が、人類史のなかでどのような意味を持つのかは、後に歴史的な課題として研究されることになる。

だが、現時点で明らかなことは、人類が金融資本主義下であくなき経済成長を求め、自然を破壊し、働く人々を蔑ろにしてきたことが、このパンデミックの背景にあることだ。

金融資本主義は、あくなき経済成長を追い求めて、自然を破壊し続けてきた。そこでzoonosisたるSARS CoV2が人類の前に出現した。それがこのパンデミックの出現を招いた。

ステークスホルダーの利益を最大化することだけを求める金融資本主義は、生産現場の経営から労働者を排除し、労働者をモノとして扱うようになった。

宇沢弘文はその著書「社会的共通資本」のなかで、経済の枠組、思潮における現代の危機的な状況について以下のように解説している。

資本投資家の利益を最大限にすることだけを目的とする、金融資本主義は壁にぶつかっている。1891年、ローマ法王レオ13世は、19世紀末の貪欲な資本主義が労働者を苦しめている現実を指摘し、その一方、社会主義に安易な解決を求めようとすることに警告をならした。「資本主義の弊害と社会主義の幻想」である。第二次世界大戦後、社会主義体制の国家が多く誕生したが、社会的正義の実現の対極にある全体主義、非効率な計画経済をもたらした。ヨハネパウロ2世は、最初の回勅から一世紀経った1991年に、新たな回勅を発し、「社会主義の弊害と資本主義の幻想」に注意を喚起した。その直後に社会主義体制の国家は雪崩を打つように崩壊し、その後新自由主義経済と、それによる金融資本主義が世界を席巻した。

宇沢は、社会的共通資本を重視し、それによる政治経済体制を確立すべきことを、上記の著書の中で説いている。

その金融資本主義が、現在大きな壁にぶつかっていることが、現在のコロナ禍によって顕在化した。再び、資本主義の弊害を問わなければならない事態だ。その金融資本主義は、マネーゲームにより実体経済を破壊し、経済格差を極大にまで広げている。労働者はモノとして扱われ、経済活動に民主的に参加することは許されていない。さらに、金融資本主義は、投資を行う者のために自然の開発破壊を最大化した。

コロナ禍の進行する欧米の社会科学研究者三名が、下記の提言を公表することを思い立った。ルモンド誌にop-edとして掲載するまでの間に2週間の時間的余裕があった。そこで、彼らは世界中の社会科学、人文科学の研究者達に共同筆者になることを提案した。その結果、全世界700の大学から5000名の研究者が、この提言に加わった。5月16日に提言が公開された。現在、全世界36か国の43の新聞に公開され、27の言語に翻訳されている。

こちら。

彼らのモットー;

it is time to democratize firms, decommodify work, and remediate the environment

が、実現されなければ、この深刻なコロナ禍から脱却し、新たな歩みを始めることは難しいだろう。

「持続型給付金」に群がる政官業のウジ虫たち 

コロナ禍から中小企業を救うはずの、「持続型給付金」。それを給付を執行する団体がかなり怪しいという記事二つ。

結局、電通等の政権ベッタリ企業が受注しているわけだが、途中に得体の知れない幽霊法人を介している。この法人には769億円の手数料が支払われる。

466億円の予算のうち300億円が使途不明のアベノマスクと同じく、業者と官僚、そして恐らく政治家が上前を撥ねている構図が見えてくる。

この給付金、アベノマスクともに経産省が絡んでいる。安倍首相は当然のこと、コロナ対策担当相でもある西村経産大臣の責任は重たい。

このような国難に乗じて、甘い汁を吸おうとしている政官業は、呪われるべきだ。

以下、引用~~~

こちら。

もう一つ~~~

文春オンライン

トラブル続出 コロナ「持続化給付金」を769億円で受注したのは“幽霊法人"だった
「週刊文春」編集部 2020/05/27 16:00

 安倍政権がコロナ不況への緊急経済対策として打ち出した「持続化給付金」。約2兆3000億円の予算がついたこの事業を経産省から委託された一般社団法人が、実体のない“幽霊法人”だったことが「週刊文春」の取材で分かった。社団法人の代表理事が「週刊文春」の取材に対し、「何も活動がない」と認めた。

 持続化給付金事業は、昨年より収入が減った中小企業等の法人に最大200万円、フリーランスを含む個人事業者に最大100万円を上限に現金を支給する制度だが、入金が遅れるなどトラブルが相次いでいる。

 担当する中小企業庁のホームページによれば、同事業を受注したのは「一般社団法人サービスデザイン推進協議会(以下、「サービス協議会」)」で、アベノマスクの予算を300億円も上回る769億円で契約している。

 登記簿に記載されている所在地は、東京・築地にある9階建てのオフィスビルだ。記者が実際に訪ねてみると、確かにエントランスの案内板には〈2F 一般社団法人サービスデザイン推進協議会 ITプロジェクトルーム〉の文字が。ところが、2階に上がると、膨大な業務に追われているはずのサービス協議会のドアは固く閉じられ、インターフォンを何度押しても反応はなかった。

「週刊文春」の取材に対し、「サービス協議会」の代表理事である笠原英一氏(アジア太平洋マーケティング研究所所長)が明かす。

「私は電通の友人に頼まれて、インバウンドの研究をやろうと思って入ったんだけど、何にも活動がないから。いつも会議は電通さんでやっていました。電通さんに聞いた方が」

 代理店関係者が言う。

「『サービス協議会』は、経産省肝いりの『おもてなし規格認証』という制度を運営する団体として2016年5月16日に設立された。主導したのは当時電通社員だったA氏で、電通が国の業務を間接的に請け負うための隠れ蓑として設立された団体と言われています」

「サービス協議会」設立時の代表理事を務めた、ユニバーサルデザイン総合研究所所長の赤池学氏が言う。

「ご存じのように、『おもてなし規格認証』のために作られた組織です。うちの研究所もいろんなビジネスのネットワークがあったので、経産省の方から立ち上げの直前に代表理事を受けてもらえないかという話があって、それで受けたんですけど」 

「天下りや不祥事の温床になります」

 国の補助金事業を受注した一民間団体の代表理事選定に、発注者である経産省が関与していたとすれば問題ではないか。

「経産省が外郭団体の設立に関与することは天下りや不祥事の温床になります。また、今回のケースでは『サービス協議会』はトンネル会社みたいなものであり、実際に事業を委託された企業に対し、補助金の公正な使用を求める補助金適正化法の直接的なコントロールが及ばないのは問題でしょう」(入札制度に詳しい同志社大学政策学部の真山達志教授)

 電通と「サービス協議会」に対し、業務委託について尋ねたが、いずれも「回答を控えさせていただきます」と答えなかった。

 中央大学法科大学院の酒井克彦教授が指摘する。

「国が一般社団法人に委託した事業の大部分を電通のような民間企業が請け負っているとすれば、なぜはじめからダイレクトに委託しなかったのか。この点を公明正大に説明できなければ、国民の疑念を招きかねません。営利性のある事業を手掛けない一般社団法人は非課税ですから、節税の温床になっている可能性もあります」

 血税769億円が注がれる「持続化給付金」事業。この巨額の資金は「サービス協議会」を経由し、どこへ流れているのか。「サービス協議会」および所管する経産省には詳細な説明が求められるはずだ。

 5月28日(木)発売の「週刊文春」では、持続化給付金の申請トラブル、「サービス協議会」の設立をめぐる不可解な経緯、「持続化給付金」を所管する経産省との密接な関係などについて詳報している。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年6月4日号)

宇都宮弁護士 東京都知事選に立候補表明 

宇都宮けんじ弁護士が、東京都知事選に立候補された。

こころから応援したい。

彼の人となりや、仕事振りを報じるテレビ番組。こちら。


社会の底辺にいる方、社会的弱者のために仕事をし続けてきた方だ。このような方こそ、政治の世界で活躍してもらいたい。

昨今、維新の吉村現大阪府知事を次の首相にと持ち上げるマスコミが目につく。

しかし、よく覚えておくべきは、吉村現大阪府知事は、かってサラ金の武富士の顧問弁護士として、借主にスラップ訴訟をしかけていた人物であったということ。宇都宮弁護士は、武富士を訴訟で打ち負かし、サラ金の法外な利息、取り立てを止めさせた人物だ。

でも、最近の世論調査で、安倍の後の首相候補に石破がまず来るのは理解できるが、二位にあの進次郎がいることに、ちょっとしたショックを感じた。都知事選も海千山千どもが出て、その海千山千から知事が選ばれるのかもしれない。そんな風に考えると暗い気持ちになる。小池は、その公約を一つも果たしておらず、新型コロナをオリンピック誘致と自らの選挙運動に利用してきた。金融資本主義の生み出した鬼っ子ホリエモンは問題外だ。

野党陣営は、宇都宮弁護士を共闘して支援すべきだ。今後の日本の行く末を占う選挙になる。

国立感染研 超過死亡グラフ改竄の疑い 

今月8日、このブログで、インフルエンザ超過死亡が新型コロナウイルス感染によるものである可能性が高いことを記した。それと相前後して、同様の指摘がネットで散見されるようになった。

それに根拠となるインフルエンザ超過死亡の国立感染研のグラフが、改竄されているらしいことが分かった。事務的な問題でグラフを変えたと国立感染研は述べているようだが、もともとのデータ、各保健所とのやり取り等を公開していない。超過死亡が明らかになっては都合の悪い当局からの指示で、改竄された可能性が高い。

こちら。

そもそも、安倍政権は、科学よりも政治を優先させている。感染者数、死者数を少なく見せる操作を、ずっと行ってきた。わが国の新型コロナウイルス対策が優れていると自画自賛したのは安倍首相だが、単位人口当たりの死亡率で見ると、東アジアの上から二番目に高い。決して成功していない。さらに、この超過死亡が新型コロナウイルスによるものであるとすると、ダントツで東アジアでの死亡率一位になる。

安倍政権の自画自賛は危険だ。やがてやってくる第二波以降、ウイルスがより強毒性に変異し、さらに第一波以前に成立していた部分的な集団免疫の網にかからなくなっていたら、欧米の悲惨な状況がわが国でも起きるからだ。それを見越して、第二波に備えなければならない。

この改竄が事実だとすると、この国は本当に危ない。公文書のみならず、科学的事実まで政治的に曲げる様な国は、永続しない。

安倍首相は、G7に参加のため訪米し、そのご2週間の検疫期間に入るらしい・・・この時期に、そのような外遊をしていて良いのか。G7は、顔見世興行なのだから、テレビ会議で十分である。新型コロナ・スーパーシティ問題を始め、黒川問題、桜問題、森友学園疑惑等、国会で徹底して議論すべき問題が山積している。これらの多くの問題は、まるで解決したかのようだが、まったく解決からは程遠い。

佐川氏の再喚問を! 

森友学園疑惑は、安倍が自らの関与を否定する発言を国会で行ったことで、行政による公文書改ざんという国家犯罪に発展した。

改ざんを直接指示したという佐川元理財局長は、国会証人喚問で、自身が刑事訴追される恐れがあるとして、肝心な内容は殆ど証言を拒否した。

刑事訴追の恐れがなくなった現在、佐川氏をもう一度国会に証人喚問すべきだ。

この国家犯罪によって、国の形が変えられてしまった。それを何としても元に戻さなければならない。改ざんの責任を負わされた赤木俊夫氏は自死をした。その重みをもう一度我々は噛み締めなければならない。

この疑惑を最初に見出した木村真氏が、下記のように記している。

森友学園疑惑は終わらない。

以下、引用~~~

木村 真
「森友学園問題」を考える会
3月24日 · 公開

赤木さんが「遺書」の中で「すべて彼の指示」と“名指し”した佐川宣寿元理財局長。

2018年3月に国会証人喚問を受けましたが、「刑事訴追の恐れ」を理由に、ほとんど何も語りませんでした。

その後、2018年5月に大阪地検特捜部は佐川氏ら財務官僚全員を不起訴に(当時法務省事務次官だった黒川弘務からの圧力があったと言われています)。検察審査会の「不起訴不当」議決と再捜査(ちゃんと再捜査したのかは不明)を経て、2019年9月に不起訴が確定しました。

不起訴自体は不当そのものであり、この国の三権分立など形だけだと思い知らされましたが、ともあれ、「刑事訴追の恐れ」はなくなったのですから、佐川氏をもう一度国会に呼び出して、洗いざらい本当のことを話してもらいましょう!

佐川氏だって、高級官僚に昇りつめたとはいえ、公務員試験を受けて旧大蔵省に入省した普通の公務員にすぎません。彼の独断で改ざんしたとは考えられません。麻生財務相や官邸(菅官房長官、首相補佐官や秘書官)からの「指示」あるいは「圧力」があったのでは、と強く疑われます。

また、佐川氏の指示で赤木さんは改ざん作業をさせられたわけですが、改ざんしてまで隠そうとした国有地の異常な売却(アベ友学園への叩き売り)については、佐川氏も赤木さんも関わっていません。

佐川氏の背後に隠れる「本丸」にどこまで迫れるか?
それが肝心要です。

佐川氏は「入口」に過ぎませんが、それすらできなければ、先へ進むことはできません。
まずは佐川氏の再度の国会証人喚問を!

「検査と隔離」がパンデミック対応の原則 

わが国では、新型コロナウイルス感染流行の第一波が落ち着きを始めている。

それを安倍首相は、日本型モデルと世界から賞賛されている、成功であったと自画自賛している。

本当にそうだったのか。Dr. Tairaというハンドルの豊橋技科大名誉教授の方が、検査・隔離を軽視し、「クラスター対策、重症者に限定した治療対応」に力点を置いた対応が誤りであったことを示している。最後にそのブログ記事を引用する。

東アジアには、何らかの未知の因子が加わり、感染規模・致死率等が欧米よりも低くなっていることを、ブログ主の方も指摘している。この未知の因子とは、恐らく、過去のこのブログ記事にも挙げた通り、「弱毒株の事前の流行」か、「未知の近縁ウイルスの流行」による集団免疫の成立、それによってSARS CoV2への交差免疫による部分的な集団免疫が確立したためなのだろう。

死亡率の点や、その推移の点で、日本は決して成功したとは言えない。東アジアではフィリッピンに次いで二番目に死亡率が高い、と同ブログの筆者は分析している。検査と隔離を徹底することが、この感染への適切な対処の方法だったのだ。

このまま、安倍首相が述べたような認識で行くと、第二波で強毒株が感染を起こした場合、欧米の惨状がわが国でも生じることになる。

Dr. Tairaのブログより、こちら。

RM2D Mats 

一昨日夜、14メガはざっと聞いたところ、閑散としていた。しかし、14051辺りでゆっくりとしたCWが聞こえた。ハンドキーでのんびりとJAと交信するMats RM2Dだった。短点が揃った美しいキーイングだ。彼は最近FOCのメンバーになったスエーデン出身の方で、モスクワ近郊に無線のできる別荘を構えている。普段は、モスクワ市内の自宅で生活しているのだが、新型コロナの流行でstay homeとなり、別荘で過ごすことが多いと、2か月ほど前に聞いた。

彼はどうも輸出入関係の仕事をしているらしく、世界各地から無線で出てくる。ヴェトナムから出てきてお会いしたのは、昨秋だったか。それまでも何度か交信したことはあったが、いつも所謂ラバスタ。そのヴェトナムからの交信で初めてのんびりできた。DXpeditionスタイルの交信ばかりかと思ったら、ラグチューも楽しむ様子。

ハンドキーは、1980年に無線を始めたときに父上が買ってくれたスエーデンキーで、時々、そのキーで手を動かして、接点から出るクリック音を愉しんでいる由。

彼は開局当時は16歳で、1989年までactiveに出ていた。SM6LRRというコール。少し聞き覚えがあるような気もしたが、はっきりした記憶はない。80年代は、私も大学の寮で無線を再開、その後こちらに越してきて、とてもactiveに出ていた時期。彼は専らハイバンドに出ていたということだ。その当時はサンスポットサイクルが下降する時期だったのだが、1980年代前半まではハイバンドでもDXがかなりできた。何しろ、今と比べ物にならぬくらいに、CWを運用するハムが全世界にいた。

彼は今50歳台半ば。仕事に無線にととても活発な様子だ。ロシアに移住した経緯をまた尋ねることができなかったが、恐らく仕事がらみなのだろう。あの当時、当時のソ連、今のロシアから西側のハムがこのように出てくるとは想像だにできなかった。私は、仕事を始め、家庭を築き始めた時期。90年代後半からは、DX・コンテストともにあまり出なくなってしまった。その後、音楽に傾倒するようになり、現在に至るわけだ。彼は、その後学業等で無線から離れてしまい、ここ数年またactiveにカムバックしてきた様子だ。年齢は一回り以上異なるが、同じ時期を無線で過ごした同輩ともいえる。

1980年代半ばだったと思うが、スエーデンの海上移動局と何度か交信した。SM0KHNである。たしか、QRPで、カードも自分で描いた漫画のカードだった。ヨーロッパからケープタウン周りで日本へ航海している商船だったような記憶。彼と交信したのは、その船がシンガポール近くを航海していた時だったような気がする。話は少しずれるが、当時は、電信が船舶通信で生きており、プロの通信士の方が航海の仕事の合間に無線に出てくることが多かった・・・勿論、その後電信が商業通信から姿を消し、そうした通信士のハムは激減してしまった。私は、都内の母校とこちらを行ったり来たりの忙しない生活を送っていた。ハンドルも思い出せない、SM0KHNとはそのような状況でお目にかかり、彼の船が東京に来た時に秋葉原でお目にかかった。まだ20歳台の青年だった。何を話したのか、秋葉原で何をしたのかさっぱり思い出せない。その後、彼の信号を聴くことはなかった。

Matsと同世代か少し上だと思い、彼のことを知らないかと尋ねた。サフィックスが近いこともあるし・・・。聞き覚えはある様な気がするが、はっきりと思い出せない。勿論個人的な付き合いはなかった、との返事だった。それはそうだろう・・・。SMの友人に尋ねてみるとのことだった。SM0KHNは、きっと無線から足を洗ってしまったのかもしれない・・・。

いずれにせよ、Matsは、同じ時代を無線という趣味の世界に没頭して過ごした仲間だ。彼は普段はQRQのてきぱきとした交信振りで、正直に言うと少し忙しないなと思うのだが、それも彼の個性だ。仕事上のネット会議が数分後にあると言って、最後はいつもの高速CWに切り替えて去って行った。

1980年代は、自分の感覚ではちょっと前の出来事なのだが、客観的に考えると、大分昔のことなのだと改めて感じた。昔話ができる相手は貴重だ。

第一波が軽微で済みそうな理由 

一つ前のポストと内容がかぶるが、大切なことなのでもう一度・・・

東大先端研の児玉龍彦教授が、新型コロナウイルスへの免疫応答に普通は見られないことがあったと述べたことは、「SARS X説」として紹介した。

免疫応答のパターンは、免疫グロブリンの出現順序で二つに分かれる。ウイルス感染が初感染だと、まずIgMが出現し、その後IgGが産生される。一方、既感染の場合は、IgGがすぐに産生される。ウイルスを不活化する抗体は、IgGに含まれているので、既感染では症状が出ないか、軽微で済む。

新型コロナウイルスの場合、IgM反応が弱いケースが多くあり、そのようなケースでは軽症で済むということを児玉教授等は発見していた。中国からの報告でも、液性免疫の反応が強い場合は、重症になると報じられている。

児玉教授等は、SARS以降、SARS、ないし今回のSARS CoV2の近縁弱毒株が、すでに日本はじめ東アジア全域で流行して、SARS CoV2への交差反応により部分的な免疫が成立していたと想定した。

一方、最近、京大の研究者達は、2月中にも武漢由来の弱毒株が、日本全体に感染を起こし、一種の集団免疫が成立していたことを推測する研究を公表した。1月下旬安倍首相は、春節を迎える中国国民に向かって、日本を訪れるように促した。その効果もあって、3月上旬中国からの入国を規制するまで、百数十万人の観光客が日本を訪れた。その観光客が、弱毒のSARS CoV2を持ち込み、大きな騒ぎになることなく、日本全体に流行を起こした。それによって、集団免疫が成立した。その後、上海で変異したと言われる強毒の株が欧米を経由して日本に持ち込まれた。部分的な集団免疫が成立していたので、流行は比較的軽微で済んだ、という研究だ。

児玉教授等の推定したSARS Xが、SARS CoV2弱毒株であったということになる。

2月中に大流行が潜在的に起きていたという推測は、2.3月中に「インフルエンザ以外の原因による」インフルエンザ超過死亡が200名前後あったものがその流行によって生じたと考えると、納得がゆく。

今回、第一波が、わが国では欧米に比べると比較的軽微な流行で終わりそうな予想が立っている。が、それはあくまで自然現象であり、「日本型モデル」等という自画自賛をするべきではない。新型コロナウイルスが、さらに変異を遂げ、もともとの武漢型株と交差反応性が少なくなって第二波としてやってくると、今回欧米で繰り広げられた惨状が、わが国でも起きうる。もちろん、そうならない可能性もあるが、秋以降に来ると言われている第二波に対して準備を怠らないことが必要だ。


緊急事態宣言解除に際して 

緊急事態宣言が、全国で解除された。だが、その根拠がイマイチよく分からない。緊急事態宣言をした時には、実質再生産数Roを1以下にするというのが一番の目標だったわけだが、Roがその後どうなったのだろうか。緊急事態宣言をした時点で、多くの地域でRoが1を下回っていたという記事も目にした。その後のフォローがなされていない、または公表されていない。

また、政府が緊急事態解除をまず決めて、それを専門家会議に諮問するという順序もおかしな話だ。まずは、専門家会議がきちんとした疫学に基づく科学的な判断を示し、それに基づき緊急事態を撤回すべきなのだ。科学よりも政治が上に来ている。

単位人口当たりの発症者数 0.5人/10万人を一つの指標にしているらしいが、発症者数は、検査数の多寡によりいかようにも操作できる。わが国の死者が少ないことを自慢している向きもあるが、東アジア圏では単位人口当たりの死者数は一位だ。さらに、インフルエンザ超過死亡・変死のケースに新型コロナウイルス感染犠牲者が紛れている可能性が極めて高い。決して、死者数が少なかったと自慢できる状況ではない。

安倍首相が1月下旬に中国からの旅行者を呼び込み、3月に中国からの入国を禁止するまでに、100万人以上が来日した。その中国からの旅行者によって、武漢発のウイルス株がわが国でも潜在性に流行した。その株が弱毒であったために大きな騒ぎにはならなかった。それにより一種の集団免疫が成立していた、というかなり確率の高い推測が京大の研究者により行われている。

それによって、その後の上海で強毒化した株への交差免疫を多くの日本人が得ていた。そのために、今回の欧米を経由してやってきた強毒株による第一波の流行では犠牲者は多く出ずに済んだ、ということのようだ。

しかし、この幸運が第二波以降も続くとは限らない。さらに変異を遂げた新型コロナウイルスが流行し、それが集団免疫の免疫源たるウイルス株と交差反応性を失う可能性がある。欧米の地獄のような状況が、わが国でも出現する可能性があるのだ。

第二波が襲来する可能性を、多くの研究者が指摘している。これからしばらく続くであろう流行が落ち着く時期に、その第二波にどれだけ準備できるか、が問われている。